トラベル特集――新竹 関西 客家村散歩 | 台湾観光のブログ

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企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/陳正國





新竹 関西 客家村散歩
新竹県関西鎮は清代から続く客家の里。日本時代は製茶業が主要産業で、関西で製茶された紅茶が世界中に輸出され、街は大いに栄えた。1960年代以降は製茶業が徐々に衰退し、現在は新たな特産品となった仙草の生産が台湾最大を誇る。市街地中心部の観光スポットは、どこもバス停から徒歩10分ほど。市場や食堂の客家グルメ、各時代の歴史的建築物、素朴で落ち着いた雰囲気の路地をめぐり、のんびり散歩を楽しもう。



Access:台北バスターミナルから國光客運バス1820Aで「關西鎮公所」下車、徒歩で各スポットへ

高速バス リアルタイム運行状況
Web:taiwanbus.tw



必見スポット
関西天主堂
1956年建設のカトリック教会は、ゴシック様式建築と高くそびえた十字架が目をひく関西のランドマーク。


Add:新竹縣關西鎮正義路126號


旧関西分駐所
日本時代の1920年代に完成した新竹警察署新埔派出所関西分室。和洋折衷様式の外観が見事に保たれている。


Add:新竹縣關西鎮中正路92號


東安古橋
建造は1933年(昭和8年)。石造りの優雅な橋で、周辺の河岸一帯は親水公園となっており、散策に最適。


Add:新竹縣關西鎮中山東路


関西老街(石店子老街)
日本時代は「関西銀座」と呼ばれ栄えた商店街。全長わずか200mほどだが、赤煉瓦の商家が連なる街並みに往時の姿が偲ばれる。


Add:新竹縣關西鎮中正路


文人巷
かつて客家の詩人がよく歩いたという、警察所長宿舎わきの細い路地。赤レンガの壁や土壁の小屋など昔ながらの風情が残る。



Add:新竹縣關西鎮文人巷


製茶工場めぐり
台紅茶業文化館

 

「台湾紅茶株式会社」は1937年(昭和12年)に当時87歳の羅碧玉氏が設立した新竹初の紅茶精製工場。日本時代から戦後にかけて、台湾各地から荒茶を仕入れ、工場で精製した茶葉を世界の国々へ輸出していた。1950年代ごろまでは紅茶が主だったが、国際競争の激化で紅茶生産が衰退。1960年代からは日本と提携して日本式の煎茶を生産し、日本へ輸出するようになった。

 


関西でいまも唯一現役の製茶工場


1990年代になると高速道路建設やゴルフ場開発の影響で関西地区の茶葉作付け面積が縮小し、緑茶の生産も減少していった。工場では現在も小規模ながら製茶を行っており、粉末緑茶が主力商品となっている。

 


2004年に開館した「台紅茶業文化館」は、1929年に完成した工場と倉庫の建物をリノベーションした博物館。要予約のガイドツアーでは、工場、倉庫、往時の文物を展示する資料室を見学する。お茶の試飲もあり、関西の茶業の歴史を目と舌で体験できる楽しいツアーだ。


台湾紅茶の歴史を伝える資料館

輸出用の木箱をイメージした包装の茶葉

緑茶、焙茶のアイスクリーム

Add:新竹縣關西鎮中山路73號
Tel:03-517-1262
Open:見学ツアー10:00、14:00、火曜休館/売店8:30-17:00、火曜定休
Ticket:見学ツアー1人NT$300、要予約(2日前までに下記公式FBから予約・日本語可)
Web:facebook.com/forteaco1937

聖瑪莉x台紅聯名展售館(台湾紅茶台北永康街店)
Add:台北市大安區信義路二段186號2F
Open:12:00-21:00(イートインは20:00まで)


錦泰観光茶廠


1936年(昭和11年)創業の「錦泰茶業」は、日本時代から戦後にかけて、紅茶や緑茶を日本や世界各地に輸出し、関西の黄金時代を支えた老舗茶商のひとつ。現在は観光工場となっており、茶葉の生産は行っていないが、大型の製茶機器が並ぶ製造ラインが完全な形で残っている。

 


完全な姿を留める製茶工場


現在の主力商品は炭火焙煎烏龍茶と客家の伝統茶「酸柑茶」だ。酸柑茶は、喉を潤し、風邪の予防や咳止めに効果があるとされる客家の薬膳茶。柑橘類の果肉をくり抜き、皮の中に茶葉、果肉、薬草などを混ぜて詰め、固く縛って形を整え、蒸気加熱と乾燥を何度も繰り返して完成させる。

 

酸柑茶(左から文旦、酸柑、檸檬)

 

黒くなった皮ごと細かく砕いてお湯を注いで飲むと、口の中に茶の風味と柑橘のすっきりとした酸味と香りが広がる。老舗茶商を訪ね、関西の茶の歴史とともに客家の珍しい茶文化を体験しよう。


オーナーの羅吉銓氏


紅玉紅茶、東方美人茶

Add:新竹縣關西鎮中豐路一段336號
Tel:03-587-2051
Open:10:00-17:00(その他の時間は来店前に電話確認)
Ticket:資料館・ガイドツアーNT$100(要団体予約)
Web:facebook.com/KingTaiTea
※個人客は当日の状況により工場見学可(要確認・見学無料)



客家グルメ
関西市場


客家の食文化に触れるなら、早起きして市場に足を運んでみよう。客家人は米を主食としており、きしめんのようなライスヌードル「粄條」、蘿蔔絲(切り干し大根炒め)を包んだ餅「菜包」や草餅「艾粄」、赤く着色した亀の形の餅「紅龜粄」など、米を使った様々な料理が市場に並んでいる。出来立ての菜包は朝食にぴったり!



ゆで鶏を紅麹に漬けた紅槽雞 

客家酸菜(芥子菜の漬物)

左から艾粄、菜包、紅龜粄


Add:新竹縣關西鎮大同路50號
Open:6:00-12:00ごろ、月曜休市(売り切れ次第終了)


一銀麵
1953年建設と伝わる瀟洒なバロック様式の洋館は、かつて関西鎮長を務めた陳興盛氏の旧宅。外観からは想像できないが中は庶民的な麺店で、ライスヌードル「客家粄條」、透き通ったでんぷんの皮で豚肉餡を包んだ「水晶餃」などの客家グルメが味わえる。



左上から時計回りで水晶餃(湯)、水晶餃(乾)、乾粄條

Add:新竹縣關西鎮北平路56號
Open:15:00-21:30、火曜定休


源式仙草
シソ科の薬草「仙草」は関西の特産品。乾燥させたものを煎じた「仙草茶」は暑気あたりに効くとされるハーブティーで、ミントのような爽やかな清涼感とほのかな苦みが特徴だ。仙草を煮詰めて作るゼリー「仙草凍」も夏の台湾に欠かせない。 



無糖仙草茶、無糖甜菊仙草茶、仙草凍

Add:新竹縣關西鎮南京路20號
Open:10:00-19:00



古民家カフェ
Posuo coffee studio 婆娑



旧関西分駐所北側に建つ日本家屋は所長宿舎だった建物。2023年3月から正式に運営を担う「婆娑」は、こだわりのコーヒーと特製スイーツが評判を呼び、平日も満席の人気カフェになっている。

 

 

客席は板の間の小部屋と畳の広間で、どちらも和の雰囲気にあふれた落ち着いた雰囲気。庭園の緑や桜の木を眺めながら静かなカフェタイムを楽しもう。


抹茶ラテ、ロールケーキ

Add:新竹縣關西鎮大同路23號
Open:10:00-19:00(ラストオーダー17:30)
Ticket:ミニマムチャージ1人NT$200、席利用90分、予約不可
Web:facebook.com/posuocoffeestudio
※建物保護のため室内は要靴下着用


汪汪來我家実験生活2号店


関西老街の元商家の建物をリノベーションした古民家カフェ。ペット同伴可能のペットフレンドリーカフェでもあり、可愛い犬の店長「橘子店長」に会うために店を訪れるファンも多い。

 

橘子店長

 

店内に足を踏み入れると、古い建物の構造がよく残されており、昭和の時代にタイムスリップしたような感覚になる。2階の和室はテラスから老街を一望できる人気の席。

 

2階の和室

 

建物裏の廃墟風の庭園は、どこを切り取っても絵になるので、思わず写真をたくさん撮りたくなるだろう。ゆっくり過ごしたい時におすすめのカフェだ。

        
天気の良い日は屋外席もおすすめ



秋限定の胡桃栗子柿子塔(干し柿のタルト) 

Add:新竹縣關西鎮中正路62號
Open:13:00-18:30、火曜・水曜定休
Ticket:ミニマムチャージ1人ドリンク1杯
Web:facebook       




※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。