トラベル特集ーー本島最南端 「恒春・墾丁」 | 台湾観光のブログ

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企画構成‧文/朱佳雯 写真/宋育玫


墾丁は台湾本島最南端の屏東県にあって、美しい海岸線のほか南湾・白砂湾・佳楽水などのビーチを擁し、多くのドラマや映画のロケ地に採用されてきた名勝だ。大型連休や夏休みには人の波が押し寄せ、浜辺では音楽祭などの大型イベントが開催される。

 

屏東県恒春鎮は出火・関山夕照・後壁漁港といったスポットを有する観光地ながら、市内にはゆったりとしたリズムが流れている。百年の歴史を有するこの町に近年新しい息吹が芽生え、台湾特有種の梅花鹿と触れ合える生態パークや地ビール工場がオープンしたり古民家をリニューアルした店舗が続々誕生している。ぜひ恒春の町と墾丁の大自然の魅力をあわせて日程に組みたい。

 

Access:高速鉄道左営駅から台湾好行バス墾丁エクスプレスで終点の墾丁まで約二時間。

台湾好行バスオフィシャルサイト:www.taiwantrip.com.tw

 

墾丁巡回バス:屏東客運バス経営の墾丁巡回バスは橘線・藍線・緑線・黄線の四コース。墾丁・恒春の主要スポットを経由。

www.ptbus.com.tw/03/0302a.htm

 


 

出火


恒春半島の地底には天然ガスが埋蔵されており、恒春東城門の近くでは「出火」と呼ばれる奇観が観察できる。天然ガスが地表の隙間から吹き出し、炎が上がっているのである。降雨の多い夏より冬季や春季がお薦め。

 

Add:恒春鎮和興路

 

関山夕景


関山は恒春半島西南方にあって、海拔が高いため、サンゴ礁の海や海岸線が一望できる絶好のスポット。西端に位置することから夕景の名所としても知られ、南部台湾八景の一つであるとともに、米国CNNにより世界主要落日スポットベスト十二に選定されたこともある。

 

Add:恒春鎮関山
Open:9月~3月9:00-18:30;4月~8月9:00-19:00
Ticket:大人60元

 

国立海洋生物博物館


墾丁国家公園西北端の臨海部にたつ海洋生物を主題にした博物館。山から渓流を経て海洋に至る環境や生態がバーチャルに再現されている。夜間ツアーに申し込めば、大海の中で魚群とともに眠る体験ができる。

 

Add:屏東県車城郷後湾村後湾路2号
Open:夏季9:00-18:00、年中無休。参観時間は季節により変動するのでオフィシャルサイト参照。
Web:www.nmmba.gov.tw
Access:高速鉄道左営駅から墾丁エクスプレスバスに乗り、南保力下車。右後方の灯台前より送迎バスが出ている。あるいは墾丁巡回バス橘線で海洋生物博物館前下車。

 

南湾


南湾路上に位置する南湾遊憩区は墾丁を代表する海水浴場。ビーチでは水上モーターバイク・バナナボート・カヌー・ヨット・ビーチバレーなど多彩なマリンスポーツにチャレンジできる。

 

Access:墾丁エクスプレスバスあるいは墾丁巡回バス橘線で南湾下車。

 

小湾


凱撒飯店(シーザーパーク)が経営する小湾バーは砂丘上にたつ。露天の座席からは湾の全景が一望でき、凱撒飯店提供の各種カクテルや軽食が楽しめる。

 

Access:墾丁エクスプレスバスあるいは墾丁巡回バス橘線で墾丁下車。

 

龍磐公園


隆起した石灰岩台地にあたり、広々とした草原と奇観を成すカルスト地形が特徴。至る所に鍾乳洞や洞穴が点在し、高みからの眺めも壮観だ。天気がよければ太平洋上に蘭嶼島が遠望できる。星空観察の聖地しても知られる。

 

Access:恒春から屏東客運バス水蛙窟方面行に乗って水蛙窟下車。

 

鼎豊餅行


天后宮そばにあって創業三十年余りの菓子店。「飛魚餅」は塩味がきいた異色の人気商品。

 

Add:恒春鎮福徳路94号


玉珍香


当地名産の玉ネギを使用したエッグロール。香りも風味も絶品のお菓子だ。

 

Add:恒春鎮光明路70号


恒春の新生スポット


恒春3000ビール博物館 Hengchun 3000 Brewseum

 2016年夏、恒春に開幕。館長が世界各地から集めたビアジョッキが三千種に達することから、「3000」と命名されたという。「BEER」と刻まれた玄関口から期待が膨らむ体裁で、傍らのモナリザ像は千個のシールから構成されているという。敷地は決して大きくないが、ビールの歴史から醸造過程や必要な工具が見学できるほか、作りたての自家製ビールにチャレンジできる。

 

 

 館長は台湾で「ビール博士」と呼ばれるほどのビール好き。数年前には高雄市小港に醸造工場を設置したが、ビール文化をさらに普及させるため観光工場を兼ねて当地に移転した。秘蔵品が陳列された二階の展示スペースはガイドの案内で回ることができる。ビール好きには欠かせないスポットだ。

 

 

 一階のレストランでは自製の新鮮ビールが味わえる。各種ビールには、龍磐・関山・出火・南門・白砂・南湾といった当地の地名が採用されているのも楽しい。季節のビールのほか、最近恒春をイメージしたパッケージの缶ビールも発売し、土産物としても人気を集めそう。

 

Add:恒春鎮草埔路29-1号
Tel:+886-8-888-1002
Open:11:00-18:00、木曜定休
     ガイドは中国語。要事前予約
Ticket:18歳以上100元。店内でクーポン券として利用可
Web:www.facebook.com/3000Brewseum

 


迷路餐卓計画

 

 劇映画《海角七号》の主人公「阿嘉」の家のそばに立つ和洋折衷のバロック建築。80年以上の歴史をもつ二階建ての古民家で、日本時代にお茶屋としてたてられ、戦中は医院や倉庫に利用されていた。古民家再生チームにより原状の風情を残しつつリノベーションされた。

 

 

 

 

 「迷路餐卓計画」のオーナーたちは、もともと異なる職業の持ち主だったが、海洋の自然やサーフィンを愛して墾丁に定住を決意。さらに力を合わせて食事と暮らしのコンプレックス空間を立ち上げた。現在一階前面の「沃土Terreno」では地場のフルーツや「満州港口茶」を使った自製のジェラートを提供しているほか、もう一方の「麦‧麺包」は欧風のベーカリーで、屏東萬丹産の小豆を使った「紅豆奶油パン」や新竹福源産のピーナッツを使った「花生奶油パン」、またさわやかなレモン風味の「シナモンロール」が人気。品揃え豊富なお昼前後の来店がお勧めである。一階後方の棟では随時工房・花芸教室を開催している。

 

 

 二階の「波波キッチン」は欧風ビストロで、手軽なおつまみと美酒が楽しめる恒春を代表する人気グルメスポット。開放式キッチンにはピザ窯が見える。前菜のお薦めは「橄欖油蘑菇(マッシュルーム)」。「柴烤大章魚」はジューシーなタコの料理。「黒松露蘑菇自製特寬麺」は手打ちの幅広麺にトリュフを取り合わせた逸品。

 

Add:恒春鎮光明路88号
Tel:+886-8-889-6575
Open:1F 11:00-21:00
     2F 11:30-21:00


鹿境 Paradise Of Deer

 

 「梅花鹿」は台湾特有の亜種で、絶滅に瀕していたが、近年墾丁国家公園管理処の手で種の保護が進められ、園内で野生の姿を目にできるようになった。恒春の「鹿境」では自身の農場で梅花鹿と少数の台湾水鹿を飼育しており、スタッフの説明を受けたら、自由に彼らと触れ合うことができる。園内では可愛い鹿たちをモチーフにした記念品や土産物も販売している。

 

 

Add:恒春鎮恒公路1097之1号
Tel:+886-8-888-1940
Open:9:00-18:00
Ticket:200元(うち100元は園内のクーポン券に)
Web:www.facebook.com/hoteldedeer

 

恒春の宿


光現旅宿

 

 後壁湖漁港そばの山腹に位置し、南湾・墾丁・船帆石を俯瞰する絶好のロケーションだ。また建物に石材・原木・スチール・ガラスといった自然の建材を使用し、周囲の環境にぴったり溶け込んでいる。凹凸のあるベランダが宿全体をマジックキューブのように見せエレベーター付きの三階建てで全十室。後壁湖漁港周辺はシュノーケルやダイビングのメッカ。「咱的海産店」では上がったばかりの新鮮なシーフードが楽しめる。

 

光現旅宿
Add:恒春鎮大光路78-6号
Tel:+886-8-886-7768
Web:www.the-light.com.tw
Access:恒春ターミナルから墾丁巡回バス-藍線で大光下車

 

咱的海産店
Add:恒春鎮大光路118-2号
Tel:+886-8-886-6621
Open:11:00-14:30、17:00-21:00

 

恒春老街


 恒春は「四季如春」から命名されたという。市内の中山路と福徳路の交差点あたりが恒春老街と呼ばれる古くからの商店街。恒春は「建城」から百年余。商店の大半が半世紀以上の歴史を有し、1879年建造と伝えられる東西南北四つの城門を今も残している。南門は交通の要衝に位置し、西門は恒春老街に面する。北門と東門に登楼すれば市街を一望できる。

 

 

老街を歩いてみよう。一階の店舗はリニューアルされていても、二階をよくみると福建風とバロック風が見事に融合した建築様式が残り、往時の面影を留めている。ここはまた伝統の美食のパラダイスでもある。名物「緑豆蒜」は緑豆の殼を剥いて煮込んだ甘いスープ。地元の人たちの朝食店「穏好行」は自製のポークバーグと玉子を挟んだサンドイッチにミルクコーヒーが人気。「王家古早味麻醤麺」の麻醬麺と餛飩麺、「秋香麺店」の乾意麺と肉臊飯がお薦めの美食だ。

 

緑豆蒜と穏好行の朝食

王家古早味麻醤麺

秋香麺店

 

 西門付近の「湯匙放口袋」は二階建ての長屋を改装したカフェ。石とレンガの壁や中庭の景色が懐かしい。疲れたら冷たいドリンクとスイーツをいただこう。

 

 

秋香麺店
Add:恒春鎮中山路48号
Open:8:00-20:30

 

王家古早味麻醬麺
Add:恒春鎮光復路6号
Open:7:00-20:00、木曜定休

 

阿娥姐緑豆蒜
Add:恒春鎮中山路83号
Open:10:00-20:30

 

穩好行
Add:恒春鎮南門路26号
Open:7:00-10:30

 

湯匙放口袋
Add:恒春鎮中山路192号
Open:10:00-21:00

 

墾丁


小巴里島岩

 

 近年開かれた秘境ともいえる入り江。後壁湖港と猫鼻頭の中間に位置し、いろいろな形をした珊瑚礁石に囲まれ、海水が澄み切っているので、シュノーケルファンから「台湾のモルジブ」と称されている。

 

 

Access:恒春鎮大光路。後壁湖から猫鼻頭方向へ。第三原発付近。

 

鵝鑾鼻公園


 台湾本島最南端に位置する公園で、日本時代「台湾八景」にも選ばれたこともある史跡保存区。園内の鵝鑾鼻灯台は台湾で光度が最強の灯台である。そばの歩道を散策すると、熱帯性の植物や海辺の生き物、珊瑚礁が隆起した石灰岩の地形が観察できる。

 

Access:墾丁巡回バス橘線で鵝鑾鼻下車(土曜・日曜と冬夏休みのみ運行)。

 

龍鑾潭自然センター


 龍鑾潭西岸に位置し、高倍率の望遠鏡が設置されているなど、湖水の水鳥が観察できる設備が整うほか、鑾潭の歴史や環境が標本や映像を交えながら紹介されている。8月に入ると、サギやカモの仲間が顔を見せ始め、12月にピークに達する。

 

 

Add:恒春鎮草潭路250巷86号
Open:8:30-17:00
 
船帆石


 平坦な海岸に高さ18メートルの珊瑚礁岩が屹立している。まるで一艘の帆船が航行しているかのように見えることからこの名がある。珊瑚礁の海岸では熱帯の海洋生物が豊富で、人気のシュノーケルスポットになっている。

 

Access: 墾丁巡回バス橘線で船帆石下車(土曜・日曜と冬夏休みのみ運行)。

 

白沙湾


長さ500メートルに及ぶ広大な浜辺で、貝殼砂の含量が85%と高いことから白砂のビーチとして名高い。砂質も細かく、海水の透明度も高い。年間を通じて水泳・ヨット・ダイビングなどの水上スポーツが盛ん。黄昏には夕景、夜間には星の観察が楽しめる。秀麗な景色にひかれて《少年PI》や《海角七号》のロケ地に採用された。

 

Access:墾丁巡回バス藍線で白砂下車。

 

華泰瑞苑 Gloria Manor


 墾丁賓館を前身とする華泰瑞苑は世界植物園名簿にも掲載されている恒春熱帯植物園の中にある。その独特の風景や歴史から墾丁のランドマークの一つでもある。かつてここは蒋介石総統にとって最南端の別荘だったところで、今も一階の書斎には往時の文物や書籍が展示され、ガイドの案内で参観できる。1969年に墾丁国家森林遊楽区として一般に開放されると、墾丁賓館は人気のハネムーンスポットになった。2012年、華泰ホテルグループが経営を引き継ぎ、華泰瑞苑と改組した。

 

 

華泰瑞苑は当地の気候・環境にあわせ、「自然との共存」をコンセプトに設計されたことから、きわめて素朴でシンプルな佇まいである。正門玄関の石壁は冬季の山風を防ぐもの。ホールの天井には台湾伝統の竹細工の技術が施され、長寿を象徴する六角形のタイルが現代風に取り入れられている。室内のポットには飲料水。自然保護の精神からペットボトルの繁用を避ける配慮である。

 


 
 当店は恒春半島で唯一、Fine diningを提供しているホテルでもある。地場の優良食材を使用し、当地ならではのメニューが用意されている。屋外プール・ジム・SPAセンターが設置されているほか、週末にはヨガ教室が開かれる。また県内の各地域と提携して、多彩なエコーツアーのプログラムがアレンジされているほか、野外キャンプなどのイベントも随時開催される。墾丁大街・小湾ビーチ・墾丁森林遊楽区・社頂公園へのアクセスも便利で、墾丁を楽しむにはお薦めの宿である。

 

 

Add:恒春鎮公園路101号
Tel:+886-8-886-3666
Web:www.gloriamanor.com

 

 

 

 

※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。