街道散策ーー台北「温羅汀 | 台湾観光のブログ

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台北「温羅汀」
のんびりと学生街の散策

企画構成‧文/朱佳雯 写真/宋育玫




「温羅汀」とは温州街・羅斯福路・汀州路に囲まれたエリアを指す。台湾大学に近いため、様々なタイプの書店や、文化スポットが各所に分布しており、流行の発信基地となっている。古書店が立ち並ぶ様子は東京神保町とも似て、文人の住まう雰囲気が満ちている。羅斯福路・汀洲路一帯には台湾大学・宝蔵巌・水道博物館のほか、安価なレストラン・Live House・CDショップが密集するが、羅斯福路より北に温州街をのぼると、また違った風景が広がる。台北帝大時代の官舎が残る静謐な路地裏に近年多くのカフェやセレクトショップが続々と進出して、密やかな彩を添えつつあるのだ。


アクセス: MRT台電大楼駅か公館駅下車後徒歩すぐ

自来水(水道)博物館:バロックスタイルの建物は1908年の創建。当地が浄水場となって、市内への近代的給水システムがスタートした。1977年に引退。1998年にリノベーションされ自来水博物館として一般開放された。

台湾大学:台湾最古、かつ最大規模の大学。前身は1928年開校の「台北帝国大学」で、昔も今も台湾最高の学府である。ローマ風の建築様式に「ゲート」「門庭」を配し、アカデミックな空間が広がる。

宝蔵巌国際芸術村:総面積3.97ヘクタール。山水を背景に宝蔵巌寺と戦後に建てられた眷村(軍人村)が広がる。多くのアーチストに創作と展示の空間を提供しており、ニューヨークタイムズ紙により台北で最もユニークなスポットに挙げられた。


温‧羅‧汀




書店「永楽座」


 「温羅汀(ウンルオディン)」は師範大学・台湾大学の学生街にあたり、周囲一キロに満たないエリアに数十軒の書店・カフェ・音楽スペースが集まる。古書の香りと自由な文人精神がよく似合う街には、ちょっと独特のマイノリティー文化が形成されている。リベラルな「唐山書店」、フェミニズムの「女書店」、同性愛の「晶晶書庫」などテーマをもつ書店のほか、「永楽座」「茉莉二手書店」「古今書廊」といった古書店もある。インディーズ系の「個体戸CDショップ」、Live house「The wall」、「女巫店」、「河岸留言」は、音楽ファンの心の拠り所となっている。




ライブハウス「女巫店」

 当地は、三百年余り前には既に「瑠公圳(用水路)」が通っていたといわれ、台大運動場横に瑠公圳記念碑が立っている。また、ここには多くの著名人の旧居がある。総督府高官の官舍だった建物は、その後台湾民主化運動の密会の場となり、現在は優雅な茶芸館「紫藤廬」に生まれ変わっている。作家殷海光や梁実秋の旧居もこの一角にあったという。

 最近では多くのセレクトショップやカフェが続々オープンし、温羅汀に彩を添えている。

Selet Shopセレクトショップ
好氏品牌研究室

2013年の開業。店内は白いタイル、幾何学模様のフローリング、緑の植物に彩られ、レトロな実験室のようだ。モノクロを基調とし、レトロなARTDECOスタイルを加え、洗練された台湾風味を醸している。科学・研究室をテーマに、内外の昆虫標本など愉快なアイテムを取り揃えているほか、台湾出身デザイナーを招きショップ・イン・ショップの方式で展示即売している。

Add:温州街48巷22号
Tel:+886-2-23620723
Open:火曜-日曜12:00-21:00、月曜定休


Sense 30 叁拾選物

三人の同好の友人が2008年に開設したレトロなサイクルショップに続いて、羅斯福路の路地内に日常生活をテーマとしたセレクトショップを開店。創業者の一人Issaは「Sense 30は30代で、ある程度経済的基礎ができた人をターゲットとする。価格、美学、機能のバランスがとれた生活物品の提供がコンセプト」という。そのため、店内では台湾阿里山コーヒーから洋服・文具・生活用品まで内外ブランドの良品を販売している。明るくすっきりした空間は、Sense 30が目指す優雅な生活精神を伝えているようだ。

Add:羅斯福路三段210巷10号
Tel:+886-2-23673398
Open:月曜-土曜13:00-21:00
      日曜13:00-19:00、火曜定休
Web:www.30select.com


直物生活文具

創業者のTigerは二十数年に及ぶ文具コレクターで、「文具病」というブログを運営している。ブログを見た人たちから、どうしたら買えるのかという問い合わせが相次ぎ、文具店を立ち上げたという。文具ファンを惹きつけるTigerだが、実用性をまず重視する。大げさなデザインや機能は廃し、文具の本質にこだわる。Tigerが使って満足しなければ店に並ぶことはない。初心者も、ここなら実用的で工夫が凝らされた文具に出会えるだろう。

Add:羅斯福路三段210巷8弄10号
Open:水曜-金曜14:00-21:00
     土・日曜13:00-19:00
     月・火曜、毎月最終水曜定休
Web:plain.tw


café ユニークなカフェ
AGCT apartment


Croque Madame:スモークチキン・ハム・レタス・トマト・チーズのサンドイッチ。
Passion fruit soda:新鮮なパッションフルーツのさわやかで甘酸っぱい味。

温州街から建国南路へ進み、「路上撿到一隻猫」カフェを過ぎて角を曲がると、こっそり佇むエレベーターが目に入る。三階のボタンを押し上がっていくと、「台北市で最も美しい眺め」を持つAGCT apartmentに到着だ。AGCTはUrbanとKarenが2009に創立したファッションブランド。音楽、設計、飲食業界の友人と協力してイベントを重ね、スタジオの一部を開放しようと、AGCT apartmentが誕生した。窓一面に広がる景色がAGCT最大の自慢。温州街特有の陽光と緑を室内に引き込む。Apartment=アパートメントは台北では最も普通の住宅形式。誰もが快適で安心できるスペースを見つけられるだろう。




Add:温州街49巷2号3階
Tel:+886-2-23696659
Open:12:00-22:30、火曜定休
Web:www.facebook.com/AGCT.GROUP
予約:可(来店前にフェイスブックで当日の開店の有無を確認ください)/カード:無/サービス料:無/ミニマムチャージ:ドリンク一杯/食事時間:休日2時間


Light café路灯咖啡

Light caféのオーナーは体育学科の出身。飲食業界への情熱を抱き、二十代で台大商圈でカフェを開いた。リーズナブルで美味しいと評判になり、学生街で人気を博していたが、最近師大商圈と内湖にも出店した。看板メニューは「路灯38ホットドッグ」。長さ38センチにもなるホットドッグには、ビーフとポークの合挽きフランクフルトソーセージを挟む。自家製グレービーソース、チーズソース、さっぱりしたピクルス、生オニオンを組み合わせ、ボリュームもおいしさも大満足。今夏の新製品マンゴーアイスは、ふわふわのかき氷に、新鮮なマンゴーを盛り付け、自家製マンゴーアイスクリームとマンゴーソースを添える。甘酸っぱくて夏にぴったりだ。



Add:羅斯福路三段244巷10弄19号
Tel:+886-2-23677272
Open:11:00-23:00
予約:可/カード:無/サービス料:10%/ミニマムチャージ:ドリンク一杯/食事時間:90分


Minouminou

朝食移動販売車としてスタートしたが、大好きなネコへの哀惜絶ちがたく、ネコカフェの開店を決断。好評だったメニューも引き継いだ店内には、ネコの装飾と猫グッズがいっぱいで、ほっとできる雰囲気。フレッシュな野菜と果物を多用する手作りの品々は移動販売車の頃のスタイルそのままに出来立てを提供する。ネコ店長の泡泡は四歳の女の子。取材時は最初から最後まで寝ていたが、その寝姿の可愛いこと!対照的に生後まもない弟宝は元気いっぱい。機嫌がよければ、握手のパフォーマンスも見せてくれる。




Add:羅斯福路四段138号2階
Tel:+886-2-23656265
Open:火曜-土曜11:00-21:30
     日曜11:00-20:00、月曜定休
予約:お勧めします/カード:無/サービス料:無/ミニマムチャージ:一人150元


Imperfect café


二階窓からは向かい側にある台大のキャンパスが眺められる。広々としてシンプルな空間にスチール家具とウッディな家具が配されたインダストリアルスタイル。主な客層はもちろん学生たち。そのため価格もリーズナブル。ベーグルセットはわずか140元。プラス110元でドリンクとデザートがつく。単品のドリンクはお代わりが20%オフ。本やノートPCを持ち込んでも、友人と語らっても落ち着いて過ごすことができる。営業は午前11時半から深夜まで。夜八時以降は水餃子も出しており、夜も楽しそう。


Add:新生南路三段96-5号2階
Tel:+886-2-23626663
Open:11:30-24:00、不定休
予約:可/カード:無/サービス料:無/ミニマムチャージ:ドリンク一杯かベーグルセット