特別企画ーー台南「府中街」を歩く | 台湾観光のブログ

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台南「府中街」を歩く

企画構成/朱佳雯 文/Fion Tsao 写真/許懐哲‧視野創異行銷


台南は長い歴史を有する古都。特に南門路の孔子廟一帯は、史跡が特に密集している。当廟は明代に創建された台湾最古の孔子廟で、辺りには、鄭氏家廟・徳化堂などの明清時代の寺廟、元台南州庁(現台湾文学館)・台南測候所・台南愛国婦人会館・台南警察署など日本時代の施設などさまざまな年代の歴史建築が布陣している。孔子廟側門側には、「府中街」と呼ばれる一筋の街道がある。角にある一級史跡「泮宮石坊」牌楼(ゲート)から石畳の道を入ると、古都に流れる穏やかな時間を満喫できる。


アクセス:
台湾鉄道台南駅からタクシーで6分、徒歩15分。
また台湾鉄道台南駅から台湾好行バス88安平線で孔廟駅下車。
台湾好行―88安平線:www.taiwantrip.com.tw/Besttour/Info/?id=12


府中街とは
 泮宮石坊を起点とする府中街は、全長200メートル足らず。「柱仔行街」「塩菜巷」「甕仔井街」など府中街に交わる数本の古道も含めてご案内する。

 府中街の歴史は1720年の清代康熙帝年間に遡る。かつては木材を売る商店が軒を連ねていたため、「柱仔行街(木材商店街)」とも呼ばれた。その頃、貨物の運搬は「挑夫(担ぎ人)」に頼っていたため、「柱仔行街」は「挑仔巷」と呼ばたりした。また「塩菜巷」は、塩や菜を商う店が多かったことに由来する。現在の開山路122巷36弄一帯の「甕仔井巷」は、「甕仔」と呼ばれる現存する古井戸にちなんで名付けられたという。

 府中街一帯は有名な美食エリア。史跡をお伴に、一味違った午後を過ごそう。B級グルメの屋台・中華菓子店・かき氷店・陶芸店・洋服店・カフェが立ち並び、互いに個性を競っている。両側にデイゴが植えられた府中街は、「デイゴの路地」という美称もある。コーヒーカップを片手に満開のデイゴを鑑賞するのも一興だ。


手作り体験
Layoo


 「layoo」は手作りバッグの店。オーナーの盧泓さんは台南への移住者。息子の誕生を迎えるに当たり、シンプルな生活環境を与えたいと、二年前妻の徐家柔さんと共に台北から越してきた。学生時代から手仕事が好きだった徐さんは妊娠中から布バッグの創作を始め、いま人気を集める「小旅行」シリーズを完成させた。客のリクエストとアドバイスを受けて改良に改良を重ね、航空券・パスポート・紙幣・小銭・カードをいっしょに収納できるようにした。また「小籠包」には、台南生活で体得した創意が生かされている。


孔子廟包


 多くの受賞歴を誇る「孔子廟包」は、国の一級史跡、台南孔子廟の飛簷(高く反り上がった軒)をモチーフにデザインした牛皮の手提げバッグだ。孔子廟の赤い門と付近の草地を融合させ、赤・緑・大地の色をパッチワーク模様にした。創作のヒントはすべて台南にあるというこだわり。手作り体験教室も開催している。

Add:開山路122巷36弄15号
Tel:+886-910027911 / +886-953396336
Open:12:00-18:00、火曜定休
Web:www.layoobag.com


府城陶坊

 鶯歌で陶芸に携わっていた蕭宏能さんは、両親の面倒を見るため、故郷の台南へ戻り「府城陶坊」を設立した。創作をすすめつつ、コミュニティ・学校で陶芸を広めている。そのなかで、安平壺(明代の古磁器。台南安平地区から大量に出土するためこの名がある)を雛型に、茶器にも使える優美な「平安壺」を創出した。



 陶芸教室ではロクロを用いる。ロクロは敷居が高いイメージだが、子供からシルバーまで陶芸の楽しさが味わえる。一級の陶芸品を鑑賞したら、オリジナルの作品作りにも挑みたい。
 
Add:府前路一段196巷26号
Tel:+886-6-2200367 / +886-953796358
Open:休日11:00-19:00・平日は予約受付


地元の特色商品
ILIfe手感設計


 二階建ての古民家は樹齢80年のスターフルーツの背後にすっぽり隠れている。前庭は青々とした草地。2006年に、手作りブランドILIfe手感設計がここに設立された。ブランド名には「生活を大切に」という意味が込められている。暮らしの小物から出発し、日常に少しの創意と快適さを加えるのがモットー。観光客に台南を感じられる記念品を提供しようと、切り絵ウール毛布・椪餅スクリーン拭き・切り絵原木手帳・双囍クッションなど台南風情を取り入れたグッズを開発した。


 この家はもとは写真家柯錫杰の旧居だった。雰囲気のあるテラゾの床、中央には美しいタイルでカボチャや硬貨が描かれている。そこには家主の子孫繁栄・商売繁盛への熱い願いが込められているという。

Add:府中街136号
Tel:+886-6-2218072
Open:月曜-金曜11:30-19:00
  土・日曜11:00-19:00、火曜定休
Web:www.ilife.com.tw


Mogu蘑菇

 孔子廟向かいにある築50年の洋館。ここが蘑菇にとって初めての支店となった。台北に続く実店舗で、Tシャツ・キャンパスバッグ・天然染めの洋服・紙製品といったオリジナルの生活用品を販売中。「蘑菇」は第一歩から手作りを心がけている。布を織り、生地を染め、型を取る。これら一つひとつのステップを経て、100%オーガニックコットンのTシャツ・独特の色彩の 14オンスキャンパス布、さらには凸板印刷と特殊な紙で作った手帳などを開発してきた。


 オリジナル商品を販売するほか、三階の展示スペースでは作品展や音楽パフォーマンス・テーマ講座を開催しており、蘑菇ならではの生活スタイルをを学ぶことができる。

Add:南門路57号
Tel:+886-6-2214216
Open:12:00-18:00、各月最終月曜定休



 リーズナブルな庶民の美食
2元黒輪


 古いオーディオから流れる懐かしい音楽に誘われ、台湾黒輪(別名「2元黒輪」)の店先に歩み寄れば、そこには半世紀前の世界が。低価格で市場に一角を占めようと、最初は自家製三輪車で売り歩いた。今では府中街に店舗を構えるようになったが、やはりとてもリーズナブル。湯気を上げる鍋では、竹串に刺さったさつま揚げ・ゴーヤ・肉団子・米血(ブタ血の餅米団子)がいい匂いを漂わせている。「黒輪」とは「おでん」のこと。無着色なら一本二元・赤色なら一本五元と驚くばかりの安さだ。

Add:開山路74号
Tel:+886-6-2217258
Open:10:00-19:00、火・水曜定休


克林台包

 「克林食品店」は創業60年を超える輸入食品専門店。欧米や日本の食品のほか、近年は自家製の八宝肉まんが人気。しいたけ、卵の黄身、ブタの心臓や首肉などの具材がたっぷり詰まった手作り肉まんは、ギフトに利用されるほどの人気だ。麻辣臭中華まん・ゴマまん・サツマイモまん・トリュフ養生まんもある。

Add:府前路一段218号
Tel:+886-6-2222257
Open:8:00-22:00


鳳凰印象ソフトクリーム

 ホウオウボク(鳳凰木)は台南市の花。そのため台南はかつて「鳳凰城」と呼ばれた。店名はそうした台南の故事に由来する。店内では、イタリアPelliniのアラビカ種を100%使用したコーヒー、台湾産仙女紅茶シリーズ、油脂を避けて豆乳を用いた椪餅ソフトクリームを販売している。

Add:南門路83号
Tel:+886-973154582
Open:8:00-20:00


原作杏仁茶

 府中街の中段に位置する原作杏仁茶。店頭には、作家の呉亨用が流木と老木を用いて作成した移動販売車が置かれて、一際目を引く。台北の原杏杏仁茶は当店の本店。台南店は杏仁茶・油條・紅茶牛乳を主力商品とする。碗に盛った杏仁茶に黒ゴマを加え、特別な香りと味を作り出している。杏仁茶には油條がぴったり。浸して食べれば、台湾ならではのおやつになる。

Add:府中街113号
Tel:+886-6-2205008 / +886-972205008
Open:11:00-18:00、水・木曜定休


ちょっと足を伸ばして。。。
銀同コミュニティ

 府中街を出て左折し、開山路を十分ほど行くと、銀同地区に着く。この古い町の最大の宝物は「七仙女」と呼ばれるおばあちゃん。彼女たちはコミュニティ運営に携わる70歳代のガイドさんたちで、銀同コミュニティには素晴らしい壁画があり、地域の住民が楽しく暮らしてきた生活の痕跡と物語がある。4年ほどの間に20軒余りの古民家がレストランにリノベーションされ、二百有余年の歴史を誇る古刹「清水寺」も鎮座する。寺の脇を流れる枋渓は、現在は暗渠となったが、耳を澄ますと今でも水音が聞こえる。


 「白做研究所」はかつてメディアに勤めていた香港人夫婦とファッションデザイナーの台南女性がタイアップ。台南での暮らしを満喫したいと立ち上げた。


 アメリカのクラシカルなレザー財布、英国紳士用アウトドアバッグ、マヤ文化テイストのサンダル、京都テイストの小物などを販売しており、いずれも世界各地から選び抜いた逸品ばかり。また地元のミュージシャン謝銘祐の「台南」アルバム、台湾タイルコースター、テラゾ手作り石鹸、詩人何景窓の絵葉書など郷土の作品群もそろえている。

白做研究所
Add:開山路3巷20号
Tel:+886-6-2213475
Open:11:00-20:00、火曜定休
Web:whitedo.org