年末に配布したカレンダーは、プロの写真家が高野山の四季折々の風景を切り取り、弘法大師空海の名言を添えてあります。
弘法大師空海の名言は漢文で書かれていて、多分に仏教的素養がないと読み解けないものがあります。このため、「カレンダーの名言はどんな意味ですか?」と聞かれることがあります。
前回はこんな話題でした。
今回は
「座を起たずして金剛 すなわち是れ我が心 三劫を経ずして法身 すなわち是れ我が身なり」
です。
書かれている名言は弘法大師空海が大日経(だいにちきょう)という経典を解説するために開いた講義の中で説かれた一節です。
大日経とは真言密教の基本となる経典で、大地日如来が説法した内容が書かれています。このままでは分からないので弘法大師空海が解説したわけです。
曼荼羅に描かれている仏さまはじっと同じところに座っています。仏さまはどこか遠くにいるのではなく、この場所が仏であり、私たちの心もここに在ります。仏さまの身体は私たちの身体と同じであると説いているのです。
つまり、仏さまは私たちの心の中にいて、同じ場所と同じ時間を過ごしているのです。どこかへ行く必要はないのです。
今のこの身このままで、あなたは仏さまなのですよ、と言いたいのです。
合掌
仏教の知恵で心豊かに過ごせるよう祈念しております。
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