空海上人は中国(唐)に渡り密教の第8番目の正統な継承者となり帰国しました。


密教では護摩祈祷をはじめとする各種の祈祷法があります。当時(平安時代)は医療技術が未熟であったので、病がよくならないときは祈祷に頼ることが多かったようです。


空海上人の名言に

「持誦の声響き間絶せず 護摩の火煙り昼夜を接す」
があります。

原典は「弘仁天皇の病気平癒を祈願して上表する文」です。弘仁天皇が病気で伏せっているため、空海上人が病気平癒の護摩祈祷を7日間にわたって行ったときに書かれた祈願文の一節です。

7日間の護摩祈祷が終わろうとしているとき、僧侶たちの真言を唱える声は絶えることなく、護摩を焚く火の煙は昼夜を問わず続いたことを描写しています。



続いて「天皇の病がよくならないので、自らを責め肝がただれるほど苦しんでいる。どうか私の心を察してほしい。祈祷した水一瓶を加持したので弟子に届けさせます。薬も添えたので病気が治るように祈念しています」と書かれています。

空海上人は天皇の病気平癒の護摩祈祷をたびたびされていたのでしょう。祈祷する方が天皇であれば病がよくならないときは罪に問われる可能性もあったので、加持をした水や薬も届けたのだと思います。

護摩祈祷は薬ではないのですぐに効果があるものではありませんが、医療技術が未熟であった当時(平安時代)は祈祷に頼るしかなかったのでしょう。

空海上人の言葉にも当時の様子がうかがえます。また、空海上人の苦しい心の内も垣間見ることができる気がします。
合掌

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空海が生涯語ることのなかった山岳修行の7年間に、何を積み重ねていたのでしょうか。


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