法務局の屋根裏には、
ねずみの兄弟が住んでいます。
「おい」
「なんだよ、兄ちゃん」
「あれ、見たか」
「なんのこと」
「林くんのブログ」
「ああ、見たよ」
「さんざんだな」
「そんなこと言っちゃダメでしょ」
「やっぱりお前が書かないと
ダメだな。
アクセスも全然ないし、
いいね!も4つだけ」
「だからそれを言っちゃダメ
なんだって。
林くんだって、ほんとはわかっ
てるんだから」
「気の毒だなあ、
ねずみが書いた記事の方が
ウケるなんて」
「林くんもショックだと思うよ。
でも、現実は受け入れないと
いけない。
現実に向き合う勇気って
必要だよ」
「ねずみに言われたくないだろうな」
「たぶんね」
「これから、どうする」
「またこっそり書き込むよ。
林くんもきっとなんにも言わないよ」
「そうだな。今までだって何にも
言われてなかったもんな」
「林くんもがんばってるんだけどね」
「すぐ落ち込むんだよな」
「ま、そのぶん僕ががんばるよ」
「しかし、なんでねずみの方が
人気なんだろうな」
「なんでだろうね」