「じゃ、次は登記簿の見方ね」
「はい」
「登記簿には、何が書いてある?」
「登記簿の内容、ですか?」
「そう」
「え~と、まず、表題部には
土地だと、所在、地番、地目、地積、
建物だと、所在、家屋番号、種類、
床面積、そして、それぞれの変更の原因です」
「うん、じゃ、甲区、乙区には?」
「甲区には、所有権に関する登記が、
乙区には、所有権以外の権利に関する
登記が記載されています」
「そうだね。
じゃ、登記簿を見るにあたって
気をつけておくべきことは?」
「登記は申請主義なので、
申請がされない限り、登記簿の内容は
書き換えられません。
なので、登記の内容が、実際の状況とは
違う可能性があります」
「そうね。今まで何度も言ってきたけど、
登記簿に書いてあるからといって、
その通りとは限らない。
登記簿に田と書いてあっても、
実際は家が建ってることもある。
建物はもうずっと前に取り壊されているのに、
登記簿はまだ残っていることもある。
逆に、立派な建物が建っているのに、
登記がない、ということもある。
登記簿に100平方メートルと書いてあっても
実際に100平方メートルあるとは限らない。
登記簿に載ってる所有者さんが
まだ所有してるとは限らない。
登記簿上、抵当権がついていても、
実際はもうとっくにお金は弁済されてる
こともある...」
「きりがないですね」
「そう、一つ一つあげていくと限りない」
「でも、これが登記の常識、なんですよね」
「そう、厳しい言い方だけれど、
登記簿を信じて取引したのに、
というのは通用しない」
「厳しいですね~。
じゃ、法務局って何のためにあるんですか?」
「お金を借りたり、土地や建物を売る時には
登記が必要になる。
確かに自分に所有権があります、
抵当権はついていません、という証明を
公的機関にしてもらう必要がある。
それが登記」
「なるほど、売買や抵当権を設定する時に
住所を移転したり、相続登記をしたり、
しますもんね」
「そう。
所有権移転や抵当権設定の時に、
整える。
あくまで、登記は、
土地や建物を担保にお金を借りたり、
所有権を移転するときに必要なものだから、
その必要がなければ、
登記はほったらかしになる」
「所有者不明土地が今、問題になってるのは
そのせいですね」
「そう、土地や建物の価値が下がってしまったら
誰も、自分からすすんで登記をしない」
「なるほど、所有権の移転登記や
抵当権の設定登記などが長い間されてない
登記簿は、実際とは違う可能性があると
思ったほうがいいですね」
「うん、あくまで登記簿上の所有者や
面積などの確認、しかできない。
そのことを頭に置いた上で
登記簿を確認すること」
「はい」