「登記事項証明書」を見ていると、必ずと言っていいほど
見つけてしまう「移記」の文字。
「移記」って何?
「昭和63年法務省令第37号附則第2条第2項の規定により
移記」ってどういうこと?
この「移記」というのは、「登記事項」の記載を移しかえました、
という意味です。
「昭和63年法務省令~」の場合は、昔、登記簿は紙だったの
ですが、その紙の登記簿からコンピュータに「登記事項」を移し
ました、という意味です。
この「昭和63年法務省令第37号附則第2条第2項」というのは、
「不動産登記施行細則」の一番下に「附則」が年代順に並んで
いるのですが、「附則 (昭和六三年八月二五日法務省令第三七
号) 抄」のところを見てください。ありましたか?
そこに、
「(不動産の登記簿の改製)
第二条
指定登記所は、第一条による改正後の不動産登記法施行細則
(以下「新細則」という。)第七十二条の規定によりその登記事務を
電子情報処理組織によつて取 り扱うべき不動産について、その
登記簿を不動産登記法第百五十一条ノ二第一項の登記簿に改製
しなければならない。ただし、電子情報処理組織による取扱いに
適合しないものは、この限りでない。
2 前項の規定による登記簿の改製は、登記用紙にされている登記
を登記記録に移してするものとする。この場合においては、土地登
記簿の表題部にされている地番、地目及び地積に係る登記を除き、
現に効力を有しない登記を省略することができる。」
とあります。
この「第二条」の「2 前項の~」」が、不動産登記簿のコンピュータ化
の「移記」について書いてある条文です。
「土地登記簿の表題部にされている地番、地目及び地積に係る登記を
除き、現に効力を有しない登記を省略することができる」とも書いて
ありますね。
ちなみに第二条に出てくる「不動産登記法施行細則第七十二条」は
先ほどの「不動産登記法施行細則」の「第四章 電子情報処理組織ニ
依ル登記ニ関スル特例」の「第七十二条」です。
「指定登記所ニ於テハ法務大臣ガ特ニ命ズル場合ヲ除キ其管轄ニ
属スル不動産ノ全部ニ付テノ登記事務ヲ電子情報処理組織ニ依リテ
取扱フベシ」とあります。
この「指定登記所」というのは、登記のコンピュータ化は大規模な
作業なのでとても全登記所一斉にできるものではないので、随時
登記所を「指定」してコンピュータ化を進めていく、そのコンピュータ
化の「指定」を受けた登記所のことです。
長くなってしまいました。
今回は「コンピュータ化の移記」だけで終わらせていただきます。
また改めて、「粗悪移記」「枚数過多移記」については書かせて
いただきます。
不明な点、わかりにくい点、適切でない点はご指摘いただけたら
うれしいです。
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