相続する遺産の分割協議で思うこと。 | 登記を、もっと、わかりやすく。

登記を、もっと、わかりやすく。

ふだんなじみのない登記簿について、できるだけ、わかりやすく説明させていただきます。わかりにくいところは、遠慮なく質問してください。よろしくお願いします。

 相続する時の、遺産分割協議について、思うこと。


遺産の分割は、相続人が自由に決めることができるので、部外者が

とやかく言えることではないけれども、気をつけた方がいいのかな、と

思うことを書きます。


1.兄弟で、不動産を共有するのはやめた方がいい。

 民法では、相続人の「相続分」というのが定められています。

 兄弟であれば、長男だろうが次男だろうが、親と同居していようが、

別居だろうが関係なく、平等に相続分があります。


 そこで、「争いたくないから」とか「皆平等に」とか言って、兄弟皆で

共有名義にしてしまうことがあります。いろいろな考え方があると思い

ますが、これはやめた方がいいと思います。


 理由は、いざという時に自分の共有持分だけを売ることができない

からです。道路部分であれば共有持分だけの売買ということもありま

すが、通常は、共有持分だけでは、買い手がつきません。全員が

納得して手放さない限り、売ることができないのです。

 兄弟が生きていて、共有しているうちはまだいいです。兄弟が死に、

子や孫の代になった時に、売りたくても売れない、ということになって

しまいます。


 よけいなお世話だ、と思われるかもしれませんが、現実はシビアです。

兄弟同士は血のつながりがあるのでまだ争うことはないかもしれませ

んが、その配偶者同士には、血のつながりがありません。孫同士にな

ると、つながりも薄く、会ったこともない、という関係になってしまうことも

あると思います。


 街の中には、売りたくても売れない、貸したくても貸せない、という

土地もあります。その理由が、意外とこんな理由だったりするのです。