9/3ソワレカテコでお茶目に登場した鶴見辰吾さん。とっても楽しそうにしてらしてカンパニーの雰囲気がとても良いんだろうなと感じましたがこんなにも歌唱力がある方とは知らず驚きました。
爵位は不明ですが貴族であるドン・ルイ・テノリオは当主として家を守りテノリオ家繁栄のためにも一人息子ドン・ジュアンに家督を継がせなければなりません。悪徳の限りを尽くす放蕩息子であるドン・ジュアンにその器がないのが唯一の悩み。男手ひとりで育てあげたものの人の道から逸れてしまったドン・ジュアンにはついつい小言も増え、それを疎ましく感じるドン・ジュアンとは溝が深まるばかり。
家の繁栄と一人息子の行く末を案じ関係を修復したいドン・ルイはたったひとりの息子へ父として苦言を呈して歌います(シャンソンぽい曲)
●『息子よ』ドン・ルイ(ニュアンス)
息子よ。父が一番の理解者であって味方だ。お前のためならたとえこの命を賭しても惜しくない。お前が死ぬ時誰か他に悲しんでくれる友はいるのか。
息子よ。私の名を継ぐ時がきたら正しい道を歩んでほしい。この名に恥じぬよう誇り高く生きてほしい。お前と同じ名を名乗るこの父が誇らしく思える男として生きてほしい。
お前を愛した女たちでさえ苦しみを分かち合ってはくれない。誰もが自分のためだけに生きるのだ。
お前の人生はお前だけのものだ。
必ず報いを受ける日がくる。お前が死ぬ時に悲しむ者など私ひとりだろう。
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最初はまんざらでもなく聴くドン・ジュアンですが、首を傾げながら何いっちゃってんの?とでも言いたげな不敵な笑みを浮かべイライラし出して貧乏ゆすりを始めるあたりからどんどん鬱陶しそうになる表情。父に『この名に恥じぬように』と歌われると怒り立ち上がり去ってしまいます。そして結局父は自分のことより家や貴族としての名声の方が大切なのだと憤ります。『エゴイスト』だと。
ξ*‘ -‘)誰も悲しまなくていい。これからも俺は変わらない。
騎士団長/亡霊を演じる吉野さんの圧倒的な存在感。可視化された呪いとでもいいますか『呪いの化身』って感じ。ドン・ジュアンが自分の中に生み出した存在として彼を支配し君臨するわけですけど演出もさることながら、セリフがなく暗闇で動いてるだけなのにそこに気配を感じてしまうんですよ。動きも独特で特に螺旋階段を使ってひたひたと現れるあの不気味さ。獲物を狙うようにターゲットに近づく肉食動物のよう。10場でドン・ジュアンと歌い上げる『愛を知る時』は圧巻です。
●『亡霊の登場』ドン・ジュアン
(※追いついてない)
ξ*‘ -‘)女たちが俺を求め続ける限り
と歌い上げまた夜の酒場に向かうドン・ジュアンと『愛に気をつけろ』と言い残して消える亡霊。
並んでる間に記事2本書けた笑