「断わる理由はないな、中佐。どの道を通って行っても、結局は地獄に行き着くことになるのだ。そうだろう?」残っていたコニャックをグラスに注いだ。
戦後冒険小説の最高傑作
by佐々木譲
その佐々木譲氏による解説 (というか賛辞) がとにかく熱い🔥その熱い思いが伝わってくる✨
ニヤッとすると、目をソワソワと動かし、口辺に狡猾な笑みを浮かべた。「それは、かんたんさ」彼がいった。「彼は、ミスタ・チャーチルを撃つために、部下を連れてやってきたドイツ人だ」
鷲は舞い降りた[完全版]/ J.ヒギンズ
計画は少しずつほころびはじめてはいた、がしかし、真に破綻しはじめたのは、一瞬の躊躇もない 善意 といっていいのかもわからない献身的な行為だった、、
物語の発端は1943.9.12日曜日、作中に語られるその日のエピソード (グラン・サッソ襲撃) は史実で、ドイツ軍によるムッソリーニの救出作戦のこと、同じことを違う意味でチャーチルをターゲットに
最終盤のたたみかけるような作者ビギンズ の筆圧に、こちらも先が気になり気になり一気に✨
もちろん史実としてドイツ側の作戦が水泡に帰すことは知っている、知ってはいるが、、対比するような米国側の一部の部隊の愚行に照らしあわされ、実行部隊の指揮をとるシュタイナ中佐含む彼の部下たち側により一層の感情が移入する、そして最後にほろりとさせられて、、
彼女は、ラヴェンダーのような、なにかこの上もなく甘い香水をつけていたが、たぶん彼女にとっては大切なものなのであろう。その香りを、彼は死ぬまで忘れることがなかった。
なんだか、「薔薇の名前」を思わせるなぁ...
追記
月村了衛さんも 劇推し しておられ、、また、
「誰だって、ケジメをつけて次にいきたい。その次が、たとえ地獄だってな」
絆回廊 新宿鮫Ⅹ / 大沢在昌
大沢さんももちろんそうだろう