「先生もあれを民主主義国家とは思っていないでしょう」
植村に訊かれ石見も頷いた。「金融王、鉄鋼王、鉄道王、石油王、穀物王・・・・・・金で玉座を手に入れた王たちが君臨する絶対的資本主義の国です」
確かに
推理 (ミステリィ) 小説ではなく探偵小説が好きな理由はそれがキャラクタ小説だから
だからこういうキャラクタを全面に出した小説には惹かれるんだよね
とはいえひとまずは 積読 にしておいた (゚O゚)\(- -;
次に何を読むかは直前に読み終えた小説の読後感 (余韻) で決めてるからね、色々と取りそろえておかないと ということで (`_´)ゞ キリッ
「きれいですよ」ふいに運転手がいった。
百合は何のことだかわからず後方鏡を通して運転手を見た。
「前です」
海の上、薄曇りの空に大きな虹が架かっていた。
リボルバー・リリー / 長浦京
映画が八月公開なのは、野に咲く百合が見頃だということと、敗戦 (終戦) の月だから というのは察しはついていたけれど、、
今年公開というのは、関東大震災から百年だからなんだね
物語はその関東大震災の東京の描写から始まる、、
百合はすぐに出発した。向かうのは、遠く瓦礫の先に見えている神木の森と権現造の屋根。燃えずに残っている向島の三囲神社だった。うしろを見ると低い山脈のように炎が地平線を遮っている。火の粉の雨は降らなくなったが、吹きつける風はさらに熱くなっていた。
たしかに映画化向きな文章だわ◎まぁ もちろん 三囲神社 に実際に何度かお参りして知っている ということもあるんだけれど
で、、
映画化に際しここまで原作を脚色していたとは分からなかったなぁ そのままに忠実に映画化するというやり方もあれば、そのままに映画化したのでは面白くない と思うのもまた真なり
死んだ奈加の不機嫌な顔を思い出す。周りに合わせて神社や寺では拝むふりをしていたものの、心のなかでは神も仏も畏れず、因縁も予言も信じていなかった奈加が、ただ一つ、怖がり嫌っていたのか虹だった。
本作中に語られる日本の戦前の暗部については未だに多くは語られないし、もちろん義務教育内での日本史の教科書の隅にも載ってはこない、これからも
歴史に if はないから常に語られるのは勝者の押し付ける勝者に都合の良い、分かり易い歴史観だしね
明治維新も幕府側から見れば薩長主導の単なる テロ でしかないわけだし、その後の 東京裁判 もその過程には胡散臭さが漂うし
慎太が駄菓子の入った風呂敷包みだけを持って出てゆく。百合も黒いバッグと傘を持ち出てゆく。慎太は通路で一度だけ振り返り、笑顔で頷くと、また背を向け、第四岸壁へと歩いていった。
百合もすぐに振り向き、待合所を出た。
空を見上げる。雨がぱらついていた。虹の輪は消えたけれど、ちぎれた七色の断片がまだしつこく浮かんでいた。
Have You Ever Seen The Rain? / Creedence Clearwater Revival
追記
昨今のアクションだけの映画とは異なりそこは少々ベタな昭和なノリ?だけど、主張しているところはキチンとされていていい映画だったなあ◎
で、
その映画版ではとてもいい味出されている佐藤二朗さんのキャスティングってまずは しゃくれ ってことだったの? って読んでてまじに笑ってしまったよ (^艸^)
綾瀬はるかさんの立ち姿がかっこいい◎