歴史散策の楽しみはフィールドワークにあって、
ネットに載ってない情報に出会い、実際にうかがって掘り出してそれを、
積み重ねてゆくことにこそある
なぁーんて
閑話休題
円覚寺さんの夏期講座の講演者の中に岡村美穂子さんの名前を見つけたのは
年始に送られてきた冊子の中で、、待ちに待ったこの日は感動しきりで
まさか、
岡村美穂子さんの講演を実際に、
しかもこんな間近に、
かつ、
鈴木大拙博士ゆかりのここ円覚寺さんで、
拝聴することが出来るなんて、、、
円覚寺山門
エデンのリンゴを食べた (食べてしまった?) 人の子である我々はどうすればよいのか?
そう学生から質問された大拙博士は、、
ある種の寓話とするならば、「蠅の王」 に出てくる”船”とは何だろうか?
世界が、あのちゃんとした法則のある理解可能な世界が、逃れていきつつあった。前は、これはこうで、あれはこう、といえたのに、いまはもうわけがわからない──そして船は行ってしまった。
蠅の王[新訳版] / W.ゴールディング
希望だろうか?
原罪をあぶり出すヘビか?
エデンのリンゴを食べた (食べてしまった?) 人の子である我々はどうすればよいのか?
そう学生から質問された大拙博士は、、
「もう一度リンゴを食べなさい」 と答えられたという、
もう一度別れた時点にもどれということらしい、希望か原罪かを分かつ地点に
そうかぁ... なるほど
夏目漱石が釈宗演老師に参禅した際に、
「父母未生以前の本来の面目如何」
という公案を出されたという話も伝わっているが、まさにこの公案も、
「もう一度リンゴを食べる」 ことに他ならないのではないか?
ぼくは家に帰るぞ。
蠅の王[新訳版] / W.ゴールディング
第二次世界大戦終結から10年あまり、
世界の縮図を無人島に再構築させた作者W.ゴールディング
ラストカットは暗喩かな?
この喪失、この悲しみこそが強く人を人として前に進める希望なのだと思う
行ってしまった”船”は姿を変えてもどってはくるが、それは決して偶然ではない、
そしてそれを導きえたものは災いが招いた希望だったのだ
その物語の構造が面白かった