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〈最終回〉
罪悪感は、あなたの“天職”を教えてくれる
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こんにちは。
神戸メンタルサービスの平です。
今年のGWのロングワークのテーマを
『イノセントワールド〜罪なき世界への誘い〜』
に決めました。
私たちの人生がうまくいかない一番の理由は、ずばり“罪悪感”。
そこで、GW後半の5日間でこの罪悪感の撲滅にじっくりと取り組むことを今回の癒しの目標といたします。
さて、前回までに、罪悪感という感情は、みなさんが「だれかを攻撃し、責めているとき、その副産物として生まれる」というお話をしました。
また、だれかにひどいことをしてしまった、ひどいことを言ってしまったという「してしまったこと」に関する罪悪感より、「自分がするべきことをしていない」と自分を責める罪悪感のほうが圧倒的に多いというお話もしましたね。
そして、最終回の今日は、この自分を責める罪悪感をもつパターンは、じつは“素晴らしき自分”を隠すために存在している‥‥つまり、人類が克服すべき課題なのだというお話をしたいと思います。
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自分は完ぺきではないということは、あなたも理解してくださいますよね。
すぐに怒ったり、すぐにひねくれたり、毒を吐いたりしますもんね。
人間であるかぎり、あなたのまわりの人の中には、ご家族も含め、完ぺきな人など一人もいないのです。
そして、自分が不完全な理由を、「それは、毒親に育てられたからだ」と言う人もいらっしゃいます。
では、あなたがいうその毒親は、なぜ、そうなったのでしょうか?
ひょっとして、さらにその親たちが悪かったのかもしれません。が、問題は原因がなにかということよりも、いま、あなたが「自分の問題を克服すべき力をもてていないこと」といえるのではないでしょうか?
心理学に、「成功者、過去を語らず」ということわざがあります。
今、幸せであったり、成功したりしている人は、過去のことについての文句を一切言わないということです。
たとえば、「うちは貧しくて、みんなと違い、なにも買ってもらえなかった」というとき、成功者は「だからこそ、早く自立心をもつことができた」とプラスの方向に考え、「ネガティブな環境で育ったから、私はダメなんだ」と考えることはないわけです。
現在が幸せでなかったり、ものごとがうまくいっていなかったりするとき、私たちはだれかかなにかのせいにしがちです。それは、「自分にはこれを超える力などない」と自分をちっぽけに扱っていることといえます。
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なんらかの問題を抱えているとき、私たちの前には2つの選択肢があります。
その問題となった人を「攻撃し、裁きますか?」それとも「愛しますか?」の2択です。
攻撃し、裁くことを選択すると、あなたはもれなく罪悪感の罠にはまります。なぜならば、そうすることであなたは「自分は人を愛すべき存在ではない」と認定してしまうからです。
しかし、裁く代わりに愛することにしたとして、「いったい、どう愛せばいいのだ? あんなとんでもない人たちを‥‥」と多くの人は考えます。
そのとき、あなたにはまず、こう考えていただきたいのです。
「なにがあって、あの人たちはこうなったのだろう?」
「なにがなくて、あの人たちはこうなったのだろう?」
その相手が親であったり、家族で合ったりする場合、あなたは「愛すべきはあちらのほうで、自分は愛される側の人間だ」と思うかもしれません。
しかし、その人たちも十分に愛や承認をもらえなかったのかもしれません。
だとしたら、あなたが“親の親代わり”になることはできないでしょうか?
親子の自立と依存の立場を逆転し、パパやママが子ども時代にもらうことのできなかったものを、あなたが与えてあげることも可能なのです。
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私どもの過去の受講生の中には、家庭的にまったく恵まれていなかったとか、保護者からひどい虐待を受けたという人も少なくありません。
当然、家族に対しては怒りをもっていますし、絶縁していることもめずらしくありません。
しかしながら、自分が十分に愛されなかった、承認されなかったという痛みをもっている人は、自分の両親やパートナーが同じような傷をもっているとしたら、それを理解することができます。
すると、「どんなことを私がしていたら、彼らはああいう選択をしなくてすんだのだろうか」などと考えることもできるかもしれません。
そう考えることができると、あなたはいままで考えたこともなかったような“天職”や“天命”といわれるものとつながることができるようになります。
たとえば、両親の仲が悪く、最悪の結婚生活をしているのを見て育った。反面教師にして、私は最高のパートナーシップを築いた。そうしたら、親から「今度、生まれ変わったら、おまえたちのような夫婦になりたいよ」と言われたという人がいます。
いろいろあって、バラバラになった家族。“家族再生計画”という名の下、自分がリーダーシップをとり、もう一度、家族をつなげるという役割を果たした。その経験をもってカウンセラーになったら、同じように破綻した家族をつなげることができるようになったという人もいます。
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志村けんさんのおとうさんは、精神疾患を患っていたためにいつも怒っていて、笑顔がない人だったそうです。
そんなおとうさんが唯一、笑うのがお笑い番組を観ているときだったとか。それで、「お笑い芸人というのは、このオヤジのことも笑わせられるのか」と、お笑い芸人に興味をもったそうなのです。
その後、お笑い芸人が志村さんの天職となり、多くの人に愛されたのは、みなさんもご存じのとおりです。
はじめに書いたように、あなたは自分を過小評価し、「自分にはこの問題を超えることはできない」と考えています。
でも、思い出してください。
自分自身はもちろん、まわりの人を笑顔で幸せにするために、どんな自分になりたいと思いながらあなたは今日までを歩いてきましたか?
思い描いた自分に、いま、なっていないということが、あなたの根源的な罪悪感をつくっているのかもしれないのです。
その罪悪感を癒すことで、本来、あなたがこの人生でしようとしていた、その大きなことが、ありのままのあなたになることができるのではないでしょうか。
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