進撃の巨人_リアル

みなさんは、アニメの『進撃の巨人』をご存じでありましょうか。

これは、ものすごくデカい巨人が人間を襲って食べるという世界の物語であります。

人間は巨人に襲われないよう長く大きい城壁をつくり、その中にこもって身を守りながら生きています。

が、ときたま、この城壁を登り、人間の住む町に入ってくる巨人があり、ちっさな人間たちはあの手この手で対峙しているのであります。

この作品は連載マンガとして人気を博し、TVアニメや映画にもなったようなので、観たという方も多いのではないでしょうか。

しかーーし！

きょう、みなさんにお話ししたいのは、このアニメの詳細ではありません。

そうではなく、このアニメと同じようなことが、現在の日本の農村でまさに起こっている！！ということなのであります。

襲ってくるのは巨人ではなく、進撃のイノシシ！　進撃のシカ！　ところにより、進撃のサル！　進撃のクマ！　なんかもいるのであります。

そして、農家のみなさんは電柵という城壁をつくり、これらの動物の進撃を食い止めているのであります。

ちなみに、私が住んでいる神戸市の六甲山の裏側の地域では、進撃のアライグマ！　の攻勢も激しく、もうすでに家の屋根裏に住まわれているという人もたくさんいるのであります（わが家もアヤしい‥‥;;）。

電柵というのは、電線を田畑のまわりにめぐらせて、獣たちがその電線に触れるとビビッと感電するシステムであります。

こう言うと、「人間が触れても感電するのですか？」という質問をよくいただくのですが、はい、人間が触れても感電いたします。

が、これらの獣は夜行性で昼間は活動しないので、電線にはタイマーが仕掛けてあり、ほとんどの場合、電気を流すのは日が暮れてからになります。

去年から今年にかけて大流行りしたアニメ『鬼滅の刃』では、鬼は日が暮れてから活動し、日の出とともに姿を消しますが、農家の天敵であるこれらの獣も同じように夜しか行動しないのであります。

で、われわれの村のような過疎な地域では、日が暮れてから田んぼや畑に行こうなどという人はだれもいないので、感電する人もいないのであります。

というスグレモノの電柵でありますが、補助金が多少出るとはいえ、取り付けるのにはものすごい手間ひまがかかるのであります。

したがって、めんどくさがってこの電柵を付けていない田畑もあるのですが、電柵で守られた田畑とそうでない田畑では、獣たちの進撃の状況がどのように違うのかを写真でお見せいたします。

めちゃくちゃに進撃されている田んぼの写真は、セミナーやカウンセリング、登山や温泉にうつつを抜かし、“村いちばんのナマケモノ”といわれている男が保有する田んぼであります。

この田んぼは水はけが悪く、進撃のイノシシの大好物のミミズが多いので、絶好のエサ場になっているのであります。

で、電柵による城壁を築くのを怠っている場所は、このように荒らされまくり、悲惨な現場になるのであります。

そういえば、私は山登りが趣味なのですが、日本の山もいま、シカによる被害が甚大なのであります。

シカが木の表皮を食べるので、どんどん枯れてしまうのです。その結果、森の墓場のようになった場所がたくさんあるのであります。

そのため、山には電柵の代わりにシカ除けの金網やネットなどが設置されている場所があるのでありますが、それはもう、万里の長城並みに長ーーく張りめぐらされているのであります。

田畑の話に戻りますと、わが家の場合、草刈りはするものの、お米や野菜はほとんど植えていないので、イノシシが荒らそうがなにをしようが実害はまったくないのであります。

ただ、見映えがたいそう悪いのであります。

そのため、「準ちゃんはイノシシの養殖でもはじめるんか？」などと村のジイからイヤミなんかを言われ、「その節はぼたん鍋にご招待します」と笑えないお返事を返している今日このごろなのであります。

なまけものの男がイノシシにやられた

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