私の母親は、現在、88歳。今年の4月で89歳になります。
足腰こそだいぶ弱くなってきたものの、基本、すこぶる元気なのであります。
どれぐらい元気なのかというと、昨年の8月、免許を返納するまで、クルマをビュンビュン飛ばしまくっていたほど元気なのであります。
田舎の人ならご理解いただけると思いますが、車は一家に1台ではなく、ひとり1台が常識であります。さらに、農家では軽トラが1台ないと肩身の狭い思いをします。
わが家にはひとり1台の車はあるものの、軽トラがないために、村の農家の衆からいろいろなアドバイスをいただくのであります。
「準ちゃん、軽トラ買わへんの?」
「軽トラないと、不便やろ?」
たしかに年5回ほどは軽トラが必要になるのですが、年5回、1回3時間程度の村の草刈りのためだけに軽トラを買うかといえば、正直、モチベーションは上がらないのであります。
ちなみに、軽トラは中古車であっても新車並みに高いのであります。つまり、需要があるわけです。
話はそれましたが、うちの母親、いよいよ免許を返納したことで日常生活の足がなくなって、だれかに頼らないと買い物にも行けない状況になったわけであります。
ちなみに、わが家があるのは過疎の村であり、3km圏内にはコンビニをはじめお店はなに一つありません。で、週に1回、母親を連れて、あちこちに買い物に行くことになったわけです。
わが家の付近には、けっこうな大型スーパーが乱立しているのであります。
付近といっても距離にして5kmほどあるので、町にお住まいの方からすれば、「付近というのはいかがなものか?」と思われるかもしれません。
が、5kmほどなら車で5分以内で到着するので、私たち田舎者は「これは、とても近い♥」という感覚なのであります。
さて、うちの母親、この春には89歳にもなるわけですから、家でじっとネコでも抱いて、テレビを観ておればいいのでありますが、農家の人間はどうも、土に触っておかねば落ち着かないようで、自分の畑をつくったりするわけです。
そして、“畑をつくる”とは、ただ種を蒔いて水をやることではなく、土壌改良と申しますか、さまざまな肥料や堆肥を畑にぶち込み、栄養状態のよい土をつくるところからスタートするのであります。
畑づくりでいちばん大事なことは、栄養豊富な土を作ることにあり、それにさえ成功すれば、あとはどんな種を蒔いてもそれはそれは立派な野菜などができるのであります。
というわけで、買い物のときは「ついでに、ホームセンターに寄れ」と母親に言われ、大量の腐葉土や肥料などを買い求め、それを畑の近くに運ぶまでが私の仕事になったりするのであります。
その後、母親はコツコツといろいろな作業をはじめ、土ができると種を蒔き、水やりをしたりするわけです。すると、立派な大根やネギができるのでありますが、ほぼ収穫はしません。
つまり、つくることに関心があって、「立派な野菜ができて、よかったな」で終わるのであります。
白菜や大根ができていれば、わが家のために一つぐらい持って帰って料理に使うこともたまにありますが、ほったらかしにしておくと、そのうち、イノシシがぜんぶ食べてしまうのであります。
これは、イノシシを餌付けしてペットにしようことではまったくありませんので、誤解なさいませんように‥‥。
余談ですが、野生のイノシシはダニやら寄生虫やらでたいへんな状態になっているとのことで、「食べるなら、養殖のイノブタにかぎる」というのが地元の農家の基本的な見解であることを最後にお伝えしたいと思います。
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