村の夏の行事 | 平準司@神戸メンタルサービス カウンセラー養成・個人カウンセリング・心理学の講演、執筆を行っています!

私は神戸のいちばん北の山奥、バスが日に3本しか通らない(土日は1本も走らない)過疎の村に住んでいる。

 

日本全国の田舎はきっとすべてそうだと思うのだが、若い者がどんどん村から町へと行ってしまうのである。

 

とはいえ、私どもの家がある村から、クルマなら神戸市内まで30分、大阪まで45分と意外と近い。

 

距離的には都会にほど近いエリアに、ほぼ原生林と呼んでいいような緑あふれる場所があるわけである。東京であれば、そこはものすごい高級住宅地になるのではないかと思う。

 

しかしながら、わが村の場合、最寄りの駅までの交通手段がほぼなく、電車に乗るためには1015分、自家用車を運転していかねばならない。

 

そのような事情があるため、うちのお坊ちゃまとおお嬢ちゃまは、高校卒業まで毎日、私たち夫婦のどちらかが送り迎えをしていたわけである。

 

娘などは、毎日、送り迎えをしてもらっているということで、友だちから「お嬢ちゃんやなー」と言われていたのであるが、前述のようないたしかたない事情があることは伝えていなかったようである。

 

このように、交通の難があるとはいえ、神戸や大阪という大都会に近いこの場所に、なぜ、若者は住みたがらないのであろうか?

 

それは、ものすごく行事が多い村だからである。

 

“伝統行事”という名のもとに、古くから続いてきた行事がとてもたくさんあるのである。

 

そして、町のみなさんがPTAの役員になりたがらないように、村の若者は村の役員にはなりたがらない。それゆえ、みな、村の外に住んでいるのである。

 

そもそも、万が一、実家にでも住んでいようものなら、二十歳を過ぎたころに青年団と消防団の勧誘がもれなくやってくる。

 

なかには、「消防団員になれば、消防車に乗れたり、実際の消火活動に参加できたり、いろいろな体験ができるのではないだろうか」というご意見もあろう。

 

しかし、山火事など起こった日には、下手をすれば23日、家に帰れない。

 

目の前でゴウゴウと家が燃えているのに、「すみません、会社の出勤の時間が来たので帰ります」とは、人の心があれば言えぬであろう。

 

しかし、会社に電話をして、「いま、消火活動をしておりますので、急ではありますが、本日はお休みをください」と言ったところで、あなたの上司は理解してくれるだろうか?

 

さらに、村では夏場、自治会主催の草刈りという行事がハンパなく多い。

 

町のみなさんはご存じなかろうが、道路まわりの草はだれかが刈らないと大変なことになる。23年も放っておくと、それこそ、道路が道路でなくなるのである。

 

わが家の田んぼなんか、私が農作業が嫌いなので作物はまったく作っていないのだが、ひと夏に5回は草刈りをする。さもなければ、4年ほど先には竹の原生林に戻ってしまうのである。

 

だからして、お百姓さんは田んぼを保全するために、草刈りに次ぐ草刈りをしている。溜池のまわりはもちろん、溜池から田んぼまでの水路を確保するためにも欠かせないのである。

 

そして、秋になると、村祭りの準備や踊りの稽古と行事は続く。さらに、年の暮れは年末警戒や、お正月を迎える神社の飾り付けなども、村の一同が手分けして行う。

 

土日なんかは家で休んでいられる都会の人とは大違いで、土日ほど忙しくなる。よって、週末、ゆっくりできないのを嫌うのも、若者が村を出ていく理由である。その結果、今年、還暦を迎えた60歳の私が、村いちばんの若手としてがんばるしかない状況になったりするのである。

 

先日も、あるおじいちゃんから電話をいただいたのである。

 

「いつもさしてもうてます墓の草刈り、もうトシなんで引退させてもらい、平さんに引き継がせてもらいます」

 

引き継ぎたくない気持ちは山々なのであるが、先ほども申し上げた通り、私しかいないので、引き継がせていただいた次第なのであります。

 

この夏は、ほんとうに草刈りをよくした。熱中症と闘いながら、登山以外では使ったことのない登山グッズ(背中に背負い、口元に伸びたホースから水を飲む)をフル活用しながら、作業したのでございます。

 

 


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