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飛行機のマイルがものすごくたまっているのである。
その数、45万マイルである。12万マイルも出せば、ヨーロッパをファーストクラスで往復できるのである。
だからして、「旅行に行こうよ~」と家族に訴えかけてみるも、予備校生であり、受験が目前に迫っている息子からは、「いまごろ、そんなことを言う親はなってない。カウンセリングでも受ければいい!」と罵倒された
奥さまからは「では、ネコの面倒はパパが見てね」とおいていかれる側に回された
娘は吉野家のバイトに血眼である
だれも誘いに乗ってくれないのである
しかしながら、これを書いている12月からは、毎月15,000マイルずつ消えていくのであるよって、使いたくないのにマイルを使うという状況になっているのである。
12月の21日、その日、私は福岡にいたのであるが、午後からヒマだったので、1泊2日でマイルを使ってどこかに行こうと思ったのである。
当然、「せっかくだから、できるだけ遠いところに行きたい」と思ったのであるが、さすがに北海道は「遠すぎるし、寒すぎる」と思い、青森に行くことにしたのである。
「その違いがよくわかりません!」と思われる読者もいらっしゃるだろうが、違いは本州かどうかだけのものである
そして、この旅は11月中にプランニングした。よって、12月、あの爆弾低気圧のために、北海道のみならず、本州の日本海側まで、あのようなものすごい寒波に襲われようとは思いもしないことだったのである・・・
私が青森に行きたいと思ったのは、そこによい温泉があるからである
とくに、ヒマさえあれば行きたい八甲田、常宿は『酸ヶ湯』。温泉は足元からフツフツと湧いて出る足元湧出泉である。青森ヒバで作られ、体育館のごとき広さの大浴槽は千人風呂とも呼ばれ、それはものすごく効く温泉なのである。
pHは1.7。私が“サンポールの湯”と呼んでいる強酸性のお湯で、このお湯につかると体中のバイ菌が一瞬にして死滅する。夏が過ぎ去ってからもかろうじて生きていた私の水虫菌もあっという間に死滅したであろう。
そう、私は“歩く清潔”になるのである
ここには書けないが、もちろん、いろいろなところも湯船の中でゴシゴシと洗い倒した。ひどくしみたあの感触が、私が清潔になったという証であろう。
さて、あまりにも素晴らしい温泉なので、いきなりお風呂のことを書いてしまったのであるが、旅程を紹介したいと思う。
福岡から青森への直行便はない。まずは東京まで飛び、羽田乗り換えの青森行きなのである。
福岡もけっこう寒かったのであるが、青森空港はいきなり氷点下4度であった。
レンタカーで青森から八甲田までは約1時間であるが、青森空港でしんしんと降っていた雪は、八甲田が近づくと視界5mの猛吹雪となった
万一、車にトラブルが発生し、エンジンが停まってしまったら、明日は間違いなく、雪の中から私が発見されるであろう‥‥というごときの猛吹雪である。
安いレンタカーを借りたせいであろうか、カーナビは夏ならばきっと問題なく走れるであろう道を指示するのである。
が、そこは雪に閉ざされた大雪原なのである。冬の青森地方は除雪された一般道のみが走れる道で、それ以外の道は雪にうずもれ、道の形跡すらないのである
福岡13:00発の飛行機に乗り、羽田を経由して青森に到着するのは16:20ごろである。さらにそこでレンタカーを借りる手続きをし、17時前に青森空港を出発すると、あたりはもう真っ暗であった。
そして、猛吹雪の中、車1台走っていないような道を走り始めた。18:00過ぎぐらいまでに宿に到着しないと、本日の夕飯にもありつけない
右に左にと道なき道を指示するカーナビを道連れに、八甲田山中の一軒宿『酸ヶ湯』へとひたすら向かったのである。
以下、次号