最近、軽井沢に婿養子に行った(?)岩橋くんも、今回の登山に遅れて参加することになっていた。
で、白馬鑓温泉
で合流することになっていたのである。
しかしながら、激しい豪雨に見舞われたわれわれは白馬鑓温泉に向かうのを中止し、下山することにしたため、岩橋くんには猿倉という登山口で待ってもらうこととした。
つまり、岩橋くんは山登りに来て、山に登らず、ほぼ、われわれのポーターとして下山を迎えてくれるためだけに、今回、参加されるようなものなのである。
つまり、今後は彼のことを“シェルパ岩橋”と呼べばいいわけである。
天気予報で、朝9時から昼前までだけ、雨が弱まるということだったので、われわれはその間に下山することとした。
しかしながら、もう、登山道は滝のようになっているのである。
しかしながら、最近の登山靴はゴアテックスで防水なので、へいっちゃらなのである。
そして、われわれは下りに下った。
登山においては、登りより、下りのほうがじつはツラい。
俗にいう、「ひざが笑う」という状態になるのである。
ものすごいガレ場の登山道を下りに下り、そして、2時間半後、ようやく“白馬大雪渓”
にたどり着いた。
8月も後半となると、大雪渓に大きなクレバスができる。
そのため、雪の上を歩くことができず、脇道を歩かねばならない場所が2カ所もあるようなのであるが、この脇道が超コワイのである。
大雪渓をアイゼンを着けて歩くぶんには、なんの不安も心配もなく、快適である。
が、ほとんど土砂崩れしているような崖を、半分、滑りながら歩くのは、超ビビるのである。
よって、われわれはコースタイムをだいぶロスしながら、降りてきたのである。
当然、山だからして、携帯電話は圏外。
どうやら、岩橋くんをだいぶ待せてしまわねばならないようである。
岩橋くんとの約束の時間を過ぎたころ、私たちは白馬尻の山小屋に到着し、うどんを食べていた。
ここでは、NTTドコモがかろうじて通じたので、岩橋くんに連絡をとろうとしたのだが、岩橋くんのいた場所が携帯の圏外だったのであろう、まったく連絡がつかないのである。
私は岩橋くんにメールした。
“せっかくだから、白馬尻小屋まで登っておいで。リュックを持たせてあげるから、早くおいで”
しかしながら、このメールはヤツには届かなかったようである。
かわいそうなので、チームはそこに置いたまま、私だけ速歩で下っていくことにしたのである。
約束の時間から2時間遅れで私は猿倉の山小屋に着き、岩橋くんと合流した。
お詫びをこめて、カツカレーをおごってあげた。
そして、この日、岩橋くんは車で来ていたので“ポーター岩橋”となり、われわれの足になってくれたのである。
ところが、である。
この日、われわれ一同は白馬鑓温泉に泊まることになっていたのであるが、キャンセルしたので、泊まるところがないのである。
とりあえず、温泉に入り、そのあと、きょう泊まる宿を決めることとした。
が、なにぶん、もう3時を回っていたので、そのへんにある白馬の雑誌から、フォーカスパーソンを決める要領で、適当に決めて電話した。
すると、「いいですよ」と言われたので、4人分の宿を確保し、ひとっ風呂浴びて息を吹き返してから、身知らずの宿に行ったのである。
ところが、この宿がまた、超当たり!だったのである。
しかも、登山家の竹内さん (日本人で初めて、世界中に14個ある8000mの山にすべて登った人)も白馬での常宿にしているような宿だったのである。
しかも、本日は貸切で。
というわけで、いろんな思いをした白馬登山であったが、最後よければすべてよし。
今回は、とくに非日常を経験できたということに大きな喜びを感じる。
そして、夏休みの山行きは終わったが、秋休みの計画に思いを馳せることとしよう。
しかも、秋休みはパート1とパート2がある。
「フフフ‥‥」
野望は続く。
というわけで、8月の白馬シリーズは、これで完結。