白馬の王子様(進退きわまる編) | 平準司@神戸メンタルサービス カウンセラー養成・個人カウンセリング・心理学の講演、執筆を行っています!

ゲリラ豪雨の中、標高3000m近くの『白馬山荘』にかろうじてたどり着いたわれわれであったが、天気はもう、台風並みであった。台風


そして、私はといえば、体調がすこぶる悪いのである。


ナメクジ登山隊として、本来なら、おしゃべりを楽しみ、景色を楽しみ、お菓子を食べ、そして、食べこぼしをしながら歩くべきところなのに、空気の薄いこの高山をぶっ飛ばして登ってきたからであろうか。


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とりあえず、冷えた体を温めるべく、昼食にラーメンを食べ、ひと眠りすることにした。

しかし、眠る前にちょっと不安だったのである。


このような高山では、高度順応ができていないときに眠ると高山病になることがあるのである。


人間の体は、寝ている間、酸素の取り込みが少なくなるので、ただでさえ空気の薄い高地においては、高山病のリスクが高まるのである。


しかしながら、疲れ切っていた私は、ちょっぴし昼寝をしてしまったのである。ぐぅぐぅ


目が覚めたとき、気分がよかったので、「ああ、大丈夫だったんだな」と安心したのだが、それから約1時間後、非常に気分が悪くなってきた。


まるで、風邪のひきはじめのような症状であった。


あれだけの風雨の中を縦走してきたのだからして、「風邪をひいたのかな?」とも考えたのであるが、「ひょっとして‥‥」という思いがあったので、あえて大きく深呼吸し、気分が悪いながらも、山荘の中を歩き回ってみたのである。


高山病だったとしたら、寝込めば寝込むほど状況は悪くなるのである。


それよりも、酸素をできるだけ体の中に取り込むことで高度順応が早まり、結果、高山病の症状も改善するといわれているのである。


しかしながら、症状はどんどん悪化し、車酔いがひどいときのような状況になっていくのである。


「やはり、これは風邪かな?」ブタ


高度3000mの、どう歩いても下山には5~6時間かかるこんな場所で、風邪などひきたくはないのである。


しかしながら、最近、有名な山では、夏の間だけ、いろいろな大学病院がボランティアで診療所を開設してくれているのである。


天下に名高い白馬岳には、もちろん、小屋の中に診療所があるのである。


「フフフ‥‥」音譜


しかし、おとといでお盆が終わってしまったので、診療所のお医者さまも、おととい、下山されたそうである‥‥。ダウン


進退きわまったところで、急に気分がよくなった。


「あれ?」


急に直ったのである。
これはやはり、プチ高山病だったようである。


しかしながら、胃腸が活動停止のような状態だったので、この日は夕食は抜いた。


その間も、外は大暴風雨で、最大1200人が泊まれるこの山小屋も、きょうはたったの150人しか宿泊していないようだったのである。


問題は、明日なのである。あせる


われわれは明日、いまいる白馬岳から山を2つ縦走し、白馬鑓温泉 まで行く予定なのだが、なにぶん、この天候‥‥。台風


山小屋の人に相談してみたら、「死にに行くようなものですよ」とキッパリと言われたので、われわれも困ってしまったのである。sei


この山小屋でもう一日、天候の回復を待つか‥‥。


それとも、来たルートを下山するか‥‥。


あるいは、エスケープといってはなんなのだが、白馬大雪渓” といわれる夏でもスキーができるほどの大雪渓をアイゼンを着けて下るか‥‥。


選択肢は3つなのである。


天気予報によれば、天気は当分悪いようで、回復を待つとしたら、この山小屋で4~5日暮らすハメになりそうである


となると、下山をするわけであるが、来た道と同じルートを下山するというのもつまらないので、大冒険をすることとしたのである。


“白馬大雪渓”をアイゼンを着けて下る!sei

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なんでもかんでも用意したい私は、リュックの中にちゃんとチェーンスパイクと呼ばれる軽アイゼンを入れてきていたのである。


また、この山小屋でも軽アイゼンは1000円で貸してもらえる。
そして、白馬駅前のお店で返すと300円戻ってくるので、700円で借りられるわけである。


しかし、さらに困ったことがあるのである。あせる


この日は岩橋くんと白馬鑓温泉で待ち合わせをしていたのである。

われわれは白馬鑓温泉に行けなくなってしまったのであるが、岩橋くんはいったいどうなってしまうのであろう?


次週、待ちぼうけ岩橋くんの巻!ブタ