屋久島での初日、われわれは雨の中、滝めぐりと温泉めぐりを堪能した。
非常に充足した一日であった。
そして、本日の宿は屋久島空港の近くのペンションなのであるが、どうも、おかみさんのお料理が有名な宿であるらしい。
旅の夜、やはり、夕食は大事であろう。
はたして、本日のペンションの夕食は???
大当たりであった。
「ウ、ウマイ!」
ふだん行く温泉宿では、1泊2食付きで1万2千円ほど取られ、メインは陶板焼きの野菜とショボい牛肉だったりするのだが、ここは1泊2食付きで8千円、しかもこのウマさ!
どうも、今回の屋久島旅行はツキにツキまくっている。
つまり、大当たりな屋久島旅行なのである。
そして、われわれは本土ではなかなか手に入れられないという幻の焼酎『三岳』や『愛子』などを堪能し、その日は爆睡したのである。
次の日の朝、本来ならば、できるだけ早く起きて、山に登りたかったのであるが、この日の朝だけは、このペンションの朝食を食べることとしたのである。
この翌日は朝食の代わりにお弁当を持ち、朝5時半からの山行きなので、この日ばかりはウマいと評判のペンションの朝食を食ってから、山に行きたかったのである。
そして、期待したペンションの朝食は‥‥。
大当たり~~~!
手作りのパンが食べ放題。
朝からおかみさんの手料理の数々。
さらに、ゆっくりとコーヒーブレイクを楽しみたいところであったが、さっさとコーヒーをかきこんで、7時半過ぎにわれわれは旅立ったのである。
すぐに登山口へと行きたいところなのであるが、朝イチのひ
と仕事は、昼食用に頼んだお弁当を取りにいくことである。
なにぶん、屋久島にはセブンイレブンやローソン、ファミリーマートのように、行けばすぐにお弁当やおにぎりが手に入るコンビニがないのである。
だからして、登山専門のお弁当屋さんというものがあり、前日、予約しておいたのである。
それを取りにかなくてはならないわけで、ちょっとめんどくさい。
そして、そのお弁当を取りにいったところで、われわれはこの屋久島旅行最大の大当たりに遭遇したのである。
お弁当屋さんからお弁当を回収し、いざ、登山口に行こうとクルマを出そうとしたその瞬間、道路の向こうの家の駐車場から、おじいちゃんが私の車に向けて突っ込んでこられたのである。
それはもう、お見事な突っ込みよう。
あまりにも豪快に来るので、これは危ないとクラクションを鳴らして警告したにもかかわらず、われ関せずという運転での大当たりっぷり。
バックで突っ込んでこられたので、たいしたスピードは出ておらず、双方ともまったくケガはなし。
クルマが多少ヘコんだ程度の事故ではあったのだが、いちおう警察を呼び、事故処理をしていただかねばならない。
一方的に当てられた事故で、かつ、レンタカーであるのだからして、私の心はとても軽い。
さっさと事故処理をしていただければいいのだが、時間は8時過ぎ、おまわりさんの出勤前だったようで、しかも、なにぶん、のんびりとした島時間‥‥。
ゆっくりとまったりとおまわりさんは登場し、ゆっくりとまったりと事故処理を終え、そして、「双方、ケガもないことですから、あとは保険屋さんどうしで話し合ってくださいね」などと言われ、無事というか、ようやく山に向かえることになったしだいである。
んーー、それにしても、大当たり続きの屋久島旅行なのである。
本日は白谷雲水峡
というところに行く。
ここは、苔の森などが有名で、『もののけ姫』の舞台となった場所のようである。
それはそれは幻想的な森で、このルートでは多くの人が太鼓岩といわれる場所を最終ゴールにする。
そこからは、奥岳と呼ばれる屋久島の海岸線からはまったく見えない、屋久島一、いや、九州一の高さを誇る宮之浦岳をはじめとする屋久島山岳群が一望できる。
それは素晴らしい場所なのである。
しかしながら、これだけ素晴らしい世界遺産の森のルートなのであるが、じつは屋久島には一つウィークポイントがあり、そして、そのウィークポイントをわれわれはものすごく恐れていたのである。
それは、下手をすると、阿鼻叫喚の世界になるという。
けっして語られることはないが、ホラーストーリーそのものというべき、おぞましさらしい。
そのおぞましいレポートを、次回、いよいよ報告するしだいであります。
乞うご期待。