ゆうこりんにハメられて | 平準司@神戸メンタルサービス カウンセラー養成・個人カウンセリング・心理学の講演、執筆を行っています!

夏である。

夏といえば、夏休みである。


しかしながら、お盆も過ぎ、もう夏も終わろうとしているにもかかわらず、平家の夏休みの予定はまったく立っていない。

いろんな人から、「子どもたちが中学生になると、クラブ活動が中心でお休みなんかないよ」とは聞いていた。

しかし、これほど毎日、クラブ活動があるとは‥‥!


それでも去年は、私の休みと子どものクラブ活動の休みがたまたま重なったおかげで、マイルを使って石垣島へ行けた。

しかし、今年は息子のクラブ活動のお休みは、お盆の4日間だけなのである。

ところが、お盆は私が大阪で恒例の5日間のセミナーをするので、まったく休みが合わないわけである。


よって、今年の夏は、家族旅行の計画はナシ。

ああ、空し‥‥。


ま、前回も書いたように、それを見越して、パパだけ一日だけの夏休みはとった。

しかしながら、やはりみんなで夏休みを過ごしたいものなのである。


しかし、当社は7月31日が決算なので、うちの奥さまは9月の30日までは決算書類の作成に追われ、目が血走っており、「夏休みの計画は‥‥」などとのんきに言い出せる雰囲気にはない。

さらに、子どもたちも、夏休みが終わりにさしかかると、たまりにたまった宿題に追いまくられ、平家の家の中は、それぞれ、目が血走っている状況なのである。


そんななか、平家でのんびりゆっくりと動く生物といえば、私とネコぐらいなのである。

そして、のんびりとネコをなでているだけでも、ピリピリとした空気の中では、私への風当たりは意外と強い。


そんなある日、うちの奥さまが、決算書類の山に遭難しかけながら、目を血走らせながら、ピリピリとしながら、私に言ってきたのである。

「今晩は子どもを連れて、ごはんを食べにいってきて」

つまり、「晩ごはんを作る余裕などない!」という強気の宣言なのである。


この日、うちの娘は塾に行っており、9時前にならないと帰宅しないことになっていた。

つまり、私と息子、「男どうしでなんでも食ってこい」ということなのである。

男どうしでメシを食いにいけと言われたときに、私と息子が行くところはいつも決まっているのである。

そう、それは、『ゆうこりんの焼肉屋さん』なのである。


ゆうこりんの焼き肉屋さん?

これは、ゆうこりんことタレントの小倉優子がプロデュースしたという焼肉屋さんで、看板からして、小倉優子の顔がでかでかと載っているのである。


私が田舎に住んでいるという話はこのブログにもよく書いているが、私の家は、神戸牛の産地のど真ん中といっていいような場所にあるのである。

当然、全国区で知名度を誇る『三田屋』ほか、有名な焼肉屋さん、ステーキハウスなどが近所には目白押しなのだが、なぜか私と息子は『ゆうこりんの焼肉屋さん』が気に入っているのである。


しかしながら、『ゆうこりんの焼肉屋さん』というものの、いつ行っても、小倉優子に会ったためしはない。

いつも、店の入口にあるビデオでのお出迎えしかない。

あとは、元気のいいおにいさんに案内されて、ゆうこりん座布団が敷いてある席に座るのである。


そして、我々はいつも2,980円の食べ放題コースを頼む。

さらに、ついつい、飲み放題コースを注文してしまうのだが、飲み物がきた瞬間に、飲み放題コースを選択したことをいつも後悔するのである。

なぜなら、ここのソフトドリンクは、ラーメンどんぶりのような形の、とてもデカい器で出てくるのである。


私はクルマを運転してきているので、アルコールは飲めない。

よって、息子と二人、コーラやカルピスを頼むのであるが、飲み放題だからして、せめて2杯は飲まないとモトはとれないと思うのであるが、焼肉を食べたうえに、ラーメンどんぶり2杯分のカルピスとは拷問である。


これはきっと、「お客の腹をカルピスでふくらませて、肉はたくさん食わせまじ」という、ゆうこりんのたくらみだと思うのであるが、毎回、まんまとこのたくらみに我々二人はひっかかるのである。


また、食べ放題メニュー以外にも、特別メニューというものがある。

そして、これもゆうこりんの悪だくみではないかと思うのだが、「食べ放題メニューを頼んだお客さまにかぎり、通常メニューは割引料金」となっているのである。

たとえば、ゆうこりん特上カルビ肉などは、定価1,200円が割引で900円になったりするのである。


それでも、これまではけっしてこのようなたくらみに乗ったことはなかったのであるが、その日は息子がこう言うのである。

「せっかくだから、いい肉、食べさせてもらってきてね、とママに言われた」、と。


私には、なんの異存もない。

まして、わが家の最高権力者たるママからそう言われたとあっては、これはもはや神の声に近い。


というわけで、息子と二人、「あれも食べましょ、これも食べましょ」、「おいしいものはぜんぶ食べましょ」と注文した結果、とてもすばらしいディナーとなった。

しかしながら、お会計のとき、12,000円も払うハメになってしまったのである。

本来ならば、二人で6,000円程度のはずが‥‥。


この日の領収書はいまだにママに出せないでいることを、最後に書いておく。