浜松市秋野不矩美術館での特別展示「加山又造と継承者たち」を体験 | 榊原平のブログ―安城·愛知から世界に学ぶ Taira Sakakibara’s Blog : A Global Learner from Anjo and Aichi

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榊原平と申します。愛知県安城市出身・在住。常に学び、観察し、考え、人や社会に共感し、このブログでは自分が学んだことや考えたことや感じたことを書いています。このブログで安城・愛知から世界へつながり(Solidarity)を作りたいと思っています。

浜松市秋野不矩美術館での特別展示「加山又造と継承者たち」を体験

先日、浜松市秋野不矩美術館で開催されている特別展示「加山又造とその後継者たち」を見てきました。この展示は、日本画家であり版画家でもあった加山又造さんと、彼の影響を受けた後継者たちの作品が一堂に会するものです。


加山又造とは、日本画家、版画家である方です。現代の琳派と呼ばれるほど、伝統的な日本画の様式美を現代的な感覚で表現されました。

 

代表作には、東京国立近代美術館に所蔵されている「春秋波濤」や「雪」「月」「花」、久遠寺の天井画「墨龍」、天龍寺の天井画「雲龍図」などがあります。

 

また、メゾチントや木版画などの版画作品も多く制作されました。加山又造さんの作品は、色彩や構図が美しく、日本の自然や文化を独自の視点で捉えたものです。

加山又造さんの略歴

加山又造さんは、1927年に京都に生まれ、東京美術学校(現東京藝術大学)に学びました。

 

山本丘人に師事し、1950年に創造美術展に初入選しました。

 

その後、新制作協会や創画会に参加し、常に革新的な作品を発表しました。

1966年からは多摩美術大学の教授となり、1988年からは東京藝術大学の教授となりました。1997年には文化功労者に選ばれ、2003年には文化勲章を受章しました。2004年に肺炎のため亡くなりました。

加山又造さんは、戦後日本画の抱えた課題として、「日本画とは何か」という問いに直面しました。日本画の伝統を尊重しながらも、自由で斬新な表現を追求しました。

 

水墨画や屏風絵などの様々な技法や媒体を用いて、日本の風景や季節感、神話や歴史などを描き出しました。

 

また、海外への関心も深く、中国やインドネシアなどのアジア諸国やヨーロッパなどを旅行し、その土地の文化や自然を吸収しました。

 

加山又造さんは、多摩美術大学や東京藝術大学で後進の育成にも力を注ぎました。その中からは、中野嘉之さんや米谷清和さんなどの優れた作家が誕生しました。

 

彼らは加山又造さんの精神を引き継ぎながらも、自分たちの個性や感性を発揮しました。

 

また、次世代の松谷千夏子さんや菅原健彦さんも加山又造さんから影響を受けつつ新しい表現を開拓しました。

 

さらに、市川裕司さんや吉澤舞子さんも加山又造さんが直面した日本画の課題を展開させつつ独自の世界を切り拓いています。

加山又造と継承者たちの作品は、浜松市秋野不矩美術館で展示されています。

展覧会のタイトルは「加山又造と継承者たち―新たな地平を求めて―」です。

 

会期は2023年9月16日(土)から11月5日(日)までです。

 

入館料は一般800円、大学生・専門学校生・高校生500円、70歳以上400円、中学生以下無料です。

月曜日は休館日ですが、9月18日と10月9日は開館し、翌日が休館日です。

加山又造と継承者たちの作品は、日本画の可能性や魅力を感じさせてくれます。

 

伝統と革新の間で揺れ動く彼らの表現は、見る者に深い感動や刺激を与えます。

 

ぜひこの機会に、浜松市秋野不矩美術館に足を運んでみてください。