四人は鏡の向こうへと歩いてゆく盟友達を見送った
師は喧騒が過ぎ去った大広間を眺め、懐旧の情に駆られながら、静かに目を瞑る
先々への不安と期待。それらは声にはならず、暗黒に弧を描いて散っていった
──思えば遠いところまで来たものだ
目的地が見えない間は、無我夢中で走り続けるだけだった
儂にも守るものがあって、それを守りきれなかった己を、己に宿った力を憎む日もあった
二人の息子を失い、息子にも等しい者達と出会い
始めの内は茫漠としていた想いが、日を追うごとに輝きを増してゆく
牙を持たない人々の盾となり、剣となる決意
なぜ人間に味方するのかと問われたら、こう答える
踏み躙る者を砕くために立ち上がる者がいなければ、物語は面白くないだろう
まさか再び騎士として戦うことになろうとはな
どうやらあの馬鹿には、隠居させろなどと言うだけ無駄らしい
年寄りの冷や水。とくと見せて進ぜよう
──私はそれ程、人に思い入れがあるというわけではない
あの二人に関わったことで、色々と面倒なことになってきたものだ
しかし後悔は微塵も無い
偽りの大海で浮かんでいた私に、本当の、波と風のある海を、あいつは見せてくれた
夢の世界に居れば、苦痛や哀しみ、その他すべてのものから解放される
私の望む世界、だからな
何もかも想像通りであれば苦労はない。
あの場所は、居心地が良かった
だが心の隅の隅で、これでは駄目だと解っていたんだ
力が使えなくなったことで、自分を省みることができた
苦楽があるから必死になれるんだ
誰かを救うために、危険は覚悟の上で、あの二人は濁流へ飛び込んだ
その手で、私をも救ってくれた
この借りは、倍にして返さねばな
──料理人のワイが、役に立てるやろか
俺の部隊に来い
なんや、やぶからぼうに。めっちゃ真っ直ぐな目でそないなこと言われて
断る理由を探す方が難しいっつう話ですわ
他ならぬ恩人の言葉やし、それに
この人は何かやる
そういう確信めいたもんがあったんや
ボケッとしとったら祭りに乗り遅れるでぇ!
戦うのが苦手なら戦わなくていい
何を言うんやと、そんなん言われたら頑張りたくなるやないですかと
足手纏いにはなりとうない
ランプはんと特訓して、少しでも腕を磨いとかな
おんどれ食器割ったら承知せえへんど!
──強い 人間
あれと居れば、人の言葉、覚えられる
旨いもの、多く食える
ランプが負けた奴、あいつだけ
バリッ、バリリッ!
あれは、どうしたらできる?
人間の癖に、生意気だ
…さて、儂らも出発じゃ
部隊長の第一声に、三人は表情で応えた
足取りはいつもと変わらない
荷物は少々重たいが、私一人で背負うわけではない
タコヨリの脳裏に、あの時の掛け声が響き渡った
そうさ俺達?!
ワイスバスターズ!!
「WISH」