さて、続 ライジャケ「声のかけ方」続き(終わり)です💦
前回の話で重要なのは「警戒心を解く事から始める」と言う事でした。
警戒心さえ解ければ、相手の脳は自分にとって敵ではないと認識し、無意識のうちに「相手を受け入れる」体制ができます。
あとは、ライジャケについて指摘をすれば良いわけですが、唐突に「ライジャケ着けてください」と言っても中々響かないものです。
なぜなら、ライジャケは自分の意思で外しているからなのです。
外している理由は、意識的(意図的)、あるいは無意識的かも知れませんが、その人なりの考えや価値観があって、実際の行動となって現れているのだと言えます。
例えば、一般的に考えられる理由を挙げてみると「カッコ悪い」、「暑い(蒸れる)」、「動きづらい」ですかね?
その他に初心者であれば「友達がしていなかったから」などの理由があるかも知れません。
その背景には、「自分は落水しないだろう」、「落水しても(泳ぐのは得意だから)大丈夫だろう」など、頭の隅にある"変な自信"が少なからずあるでしょうね。
つまり、ライジャケ装着の良い悪いは別にして、その人なりの理由(何となくの根拠)があって行動しているということです。
もう答えは解りますよね?
人は自分の信じている価値観を否定されるとイラッとするし、反発(拒否)しようとします。
※ご参考:ニューロロジカルレベル
一番良いのは、なぜライジャケをしていないのか?を確認することですが、話すことに慣れていない方にはちょっと重荷かも知れませんね。
なので、ライジャケの必要性を相手に伝える事に重きを置いて会話をすれば、私の経験上、比較的上手く理解してもらえます。
そして、着用をお願いする際は周りに迷惑かけるとかではなく、是非主語を「私は」にして I(アイ)メッセージで伝えてみてください。
こんな風に……
「私は、貴方が命を落としたら、とても悲しいです」
では、私の事例(今回は全部)を紹介します。
私「こんにちは〜!」 ※もちろんSmile😊
A「こんにちは」
私「どうです?釣れました?」
A「ダメっすね、全然釣れないです」
私「ダメですか。今日は厳しいですよね〜」
私「よく来られてるんですか?」
A「いや、初めてなんです」
私「そうですか、初めてなんですね。」
私「ところで、ライジャケってお持ちですか?」
A「あっ、はい。持ってます……」
私「ライジャケは絶対着けた方が良いですよ?」
私「私自身、落水経験者でライジャケ着けてたから助かったんだと今でも思っています。」
A「あっ、はい。」
私「ライジャケしてないから助からなかったって釣り人を1人でも増やしたくないんです。」
私「楽しい釣りをしてて、命を落とすってホント悲し過ぎますよね?」
A「そうですよね。」
私「こうして話をした方が、落水して命を落としたなんてニュースで聞いたら、(私は)ホント悲しいですから……」
A「わかりました。(すみませんでした)」
以上です。
ライジャケ着用が義務化になり、かつ、桜マーク付きライジャケ着用となった今、車のシートベルト同様にメーカーやショップ、貸しボート店さんなど、釣り業界全体でノーライジャケ撲滅に腰をあげる時期なんだと、つくづく思います。
そして、このblogをご覧いただいた皆さま一人ひとりの高い意識と声をかける勇気と行動が必要です。
是非、1人でも尊い命を守るために、そして自然の中で楽しめる釣りと言う素晴らしいレジャーと大切なフィールドを無くさないためにも、何卒「声がけ」にご協力いただきたく、よろしくお願いします。
このblogが1人でも多くの釣り人に役立つ内容であれば幸いです。
2018.8.28 柴田英紀
《追伸》
昨日、blogを書いている際、仲間から水難事故報告がありました。
blog「声かけ」を2回に分けた理由は、事故報告を聞いて、文章を書く気にならなかったからです。すみません。
【釣り大会参加の27歳男性不明 ボートから転落か、北塩原・小野川湖】
ダイバー含めて捜索した結果、本日湖からご遺体が見つかったそうです……本当に残念でなりません。
遺族や友人はもちろん、大会主催者や関係者、参加選手の皆さんも哀しみと後悔をされていると思います。
この場を借りて、謹んでご冥福をお祈りいたします。
【追記:仲間からの情報】
亡くなられた方は「手動膨張式ライジャケ」を着用していたとのこと。
ですが、落水した際に開かなかったとのことでした……。
桜マークだったか?自身でボンベを交換したからなのか?ボンベが壊れてなかったのか?などの詳しい情報はわかりませんが、釣りに対して真面目なアングラーだったとのことです。
近年、膨張式ライジャケが主流となっていますが、定期的に点検することが重要だということですね。
未装着なら未だしも、本当に残念でなりません!
【8/29追記:仲間からの情報】