ご訪問ありがとうございます。
心理カウンセラーの井上太一です。
日々、カウンセリングをおこなう中で、以下のような思考パターンをお持ちの方に出会います。
●予定がパツパツに埋まった状態で、常に忙しくしていないと落ち着かない。
●そのため、無理やりにでもやることを作り出し、予定に入れる。
●「今日やるべきこと」が終わっても休息することなく、「明日やるべきこと」に手をつけてしまう。
●また、「今日やるべきこと」が多いために未達成で終わることも多く、そうすると自分は無能なダメ人間だと思ってしまう。
●一事が万事この調子なので、自己肯定感がとても低く、自分に自信がない。
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このような方は、子どもの頃から真面目でいい子。大人になっても几帳面、ストイックな傾向をお持ち…という方々が多い印象があります。
なかには「私は優先順位のつけ方が下手なんでしょうか?」…などとおっしゃる方もいました。
確かにそれは言えるかもしれません。
しかし、優先順位うんぬんは、あくまで表層的なことのようにも思えます。
おそらく、幼少期の生育環境——なにをやっても親からほめられずダメ出しばかりされていたとか、親の無言の期待を過度に感じ、それを背負ってしまっていたとか、そういう体験を人一倍重たく感じてしまう繊細さをお持ちだったとか、そういう要素が複合的に絡み合っているように思います。
それじゃあ今、親との関係性を修正していけばいいのか? というと、いちがいにそうとも言えません。
それが物理的に可能で効果的な場合もありますが、
親御さんがすでに亡くなっている、遠方に住んでいるなどの事情で難しい場合もあります。
また、先ほども書きましたように、真面目で几帳面、予定をきっちりこなさないと自分を責めてしまうようなパターンをお持ちの方々が多いため、
親との関係性という重ためのテーマを扱っていくことに、実際以上に負荷がかかる場合も多いです。
最終的には親との関係性を良好に修正していく、もしくは自信のなさを改善していくことを意図するにせよ、
まずは「予定の立て方」という、身近な日常に支障をきたしていることから手をつけていくほうが、心理的な負荷は少ないと思われます。
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それでは、「やることリスト」に追われてしまう、
もっと言えばそういう状況をみずから作り出している人に試していただきたいことを紹介していきます。
① 「やらないことリスト」を作る
対策の一つとして、「やらないことリスト」を作ってみるというのは、ありだと思っています。
「やらないことリスト」というワードでネット検索してみると、けっこうな量の情報が出てきますね。
考え方や手順を紹介する書籍なども出版されているようです。
●自分がしなくていいことはしない
●楽しいと感じないことはしない
●いつもネガティブな人とは近づかない
……などなど、やらなくてもいいことを掲げ、それを実践していくというものです。
このやり方で、自身をコントロールしていける人にとっては、この「やらないことリスト」、ぜひやってみていただきたいと思います。
② 週単位でやることを管理していく
一方で、この「やらないことリスト」がうまくいかない人に、ぼく自身これまで数多く出会ってきました。
これはぼくの個人的な考えですが、理由は2つあると思います。
一つは、「やらないことリスト」に挙げた項目が、やや抽象的なことが多く、実践しづらい・守りづらいことです。
たとえば「いつもネガティブな人とは近づかない」を掲げたとして、家族や友人、職場の同僚にいつもネガティブなことばかり言っている人がいたとしたらどうでしょう?
関わらないわけにもいかず、もうこの時点で、自分で決めたことが守れるかどうか、ぐらついている状態です。
もう一つの理由は、相手に過度に配慮してしまうパターンをお持ちの方が多く、それがゆえに掲げた目標を守れないことが多いという点です。
そもそも「やることリスト」に追われちゃう人は、真面目で几帳面、ある意味で完全主義者のような傾向をお持ちの方が(ぼくの経験ですと)多いわけですよ。
話してくれている相手への対応も完璧でありたい…などとおっしゃる方に、これまでも多く出会いました。
(せっかく話してくれてるし、ここで会話を打ち切ったら嫌われるかなあ…)などと考えてしまい、なかなか自分自身が「やらないことリスト」に掲げたことを、守れないことが起きてしまいやすいのですね。
その結果、自分が掲げたことを守れなかった…と、自分を責めるという形で感情処理をしようとする(もしくはそうした思考パターンが固着している)方がけっこう多い印象を持っています。
一事が万事こんな調子だと、せっかく掲げた「やらないことリスト」が形骸化してしまいますよね。
そこで そうした方に試していただきたいのが、
「週単位でやることを管理していく」というやり方です。
真面目で几帳面な方ほど、「やらないことリスト」作成には苦労することが多いようですが、反対に「やることリスト」作りは得意なわけです。
せっかくのそのスキルを逆手に取るようなやり方なのですが、
手順を以下に記します。
① まず週末に、(日々のルーティーン以外の)来週一週間でやるべき予定をリストアップします。
個人的には、やること1件ごとに付箋を1枚使って書き出していくと、万一優先順位に変更があった際などにも貼り替えるだけなので便利だと思います。
② 書き出した付箋を、各曜日に割り振って、貼り分けていきます。
例えば全部で20枚の付箋があるとしたら、月曜日に3枚、火曜日に4枚、水曜日に4枚……という具合です。
③ あとは、そのリストにしたがい、予定をこなしていきます。
月曜日に3枚の付箋が貼られていた——つまり、3件の予定を入れたとします。
これは大事なポイントですが、月曜日に割り振った3つの予定を完了したら、欲張って火曜日のぶんにまで手をつけず、
「ああ、今日やることは終わった~!」と、自分ほめてあげてください。
勤勉な方は、「今日は、より良い明日のための準備日」…という発想をしがちですが、ここでは、今日やることは今日終えて、いくら時間が余ったとしても明日のぶんに手をつけてはいけません。
火曜日のぶんは、火曜日にこなしてください。
過度にがんばりすぎてはダメです。
この要領で、しばらくスケジュール管理をやってみていただきたいのですね。
もうお分かりかと思いますが、
これは「予定以外のことはやらない/後回しにする」という練習なのです。
まあ、「やらないことリスト」の別バージョンと言ってもいいかもしれません。
これ、もう一つ大事なポイントは、予定を付箋に「具体的に」書き出すという点です。
たとえば、
<月曜日にやること>
☑️PTAの件、ヤマダさんに電話確認
☑️子供の塾の月謝を振り込む
☑️実家の両親から頼まれていた小包を送付
…という感じで、具体的かつ端的にしてください。なるべく曖昧な余地を残したくないのですね。
●自分がしなくていいことはしない
●楽しいと感じないことはしない
…というような、抽象的なスローガンのような表現ではなく、
なるべ具体的に書き出し、
決めたこと以外はやらないというクセを身に付けていくための練習とお捉えください。
これを続けていくと、
●やるべきことと、やらなくていいことの判断力が育まれる
●判断・決断のスピードが上がる
●オンとオフの切り替えが上手くなる
●時間を有効活用することが定着しやすい
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といった効果が期待できますし、
実際にやってみた方からは
●趣味に充てる時間が増えて充実している
●家族の会話が増えた
…などのお声も聞きます。
「明日の予定に手をつけないことに対して罪悪感を覚える…」などという方もいらっしゃいますが、ここは頑張りどころです。
今日の予定をこなしたら、残りの時間を(仕事以外の)自分のために使ってください。
明日やるべきことは、明日やればよいのです。
なにせ、時間は有限ですからね
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このような日常のパターンをお一人で変えていくことができる方もいらっしゃる反面、
なかなかうまくいかな方もいらっしゃると思います。
でも、ここであきらめてしまっては、望むものは手に入りません。
そんな時は、心理カウンセラーをうまく「使って」ください。
興味のある方は、ご連絡いただければと思います。
(→この記事の一番下に、ぼくのメールアドレスを記載しております。)
では、今日はこのへんで。
お読みいただいて ありがとうございました。
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この記事を書いているのは…
井上 太一(いのうえ たいち)/心理カウンセラー
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