ご訪問ありがとうございます!

心理カウンセラーの井上太一です。

 

 

専門用語で恐縮なのですが、

「ダニング=クルーガー効果」という、心理学の用語があります。

 

 

心理学者のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーが1999年に発表したものですが、

 

ざっくり言うと、

「能力の低い人は正しく自己評価ができず、自分を過大評価してしまう」ことです。

 

 

 

 

 

 

基礎心理学科の学生を対象とした調査で、

有能な学生たちは自身の順位を実際より低く評価し、能力の低い学生たちは自身の順位を実際より高く評価したそうです。

 

 

リーダーシップ能力については、およそ70%が自分は平均以上であるとみなし、自分が平均以下とみなす者はわずか2%だったそう。

 

 

人とうまくやっていく能力については、85%が自分は平均以上であるとみなし、平均以下とみなす者は皆無(!)で、

さらに25%(全体の1/4)の者が、自分は上位1%に入るとみなしていたそうです。

 

 

 

 

 

ほかにも、賢明さについては75%、感受性の豊かさについては79%が、自分は平均以上であるとみなしていたそう。

 

 

リーダーシップ、賢明さなど、好ましい性質について、自分は平均以上だという者が5割を超えたそうで、これは統計的にあり得ないことです。

 

 

つまり、わりと多くの人が自分を過大評価する思考の歪みを持っているわけですね。

 

 

 

 

 

今回はダニングとクルーガーの研究事例を挙げましたが、

同様に、自分は他より優れているという思考の歪みを示す研究結果は、けっこういろいろあります。

 

 

 

実生活に目を向けてみましょう。

 

たとえば、会社内で企画・アイディアを競い合い、優秀な企画は採用される…なんていう社内コンペって、ありますよね。

 

 

そんな時、

「採用されたAさんの企画より自分の企画のほうが各段に優れているのに、社長や役員連中は見る目がない」

 

「なんであいつだけが評価されて自分は評価されないんだ」

 

…などと、ぶつくさ言っている人を、皆さんは見たことがありませんか?

 

 

 

 

 

ひとりでぶつくさ言っているだけならまだしも、逆ギレして「納得がいきません!」と、上司に食ってかかるような人もいますよね。

 

 

このように、できない人ほど自分を過大評価する現象を、

ぼく個人はかなり多く見てきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうした「結果」——例えば勝敗や、採用・不採用などの評価——には、かならず理由があります。

 

 

自分の企画は何が足りなかったんだろう? と客観的に振り返ることができる人は、

たとえ今回が残念な結果だとしても、挽回するチャンスがこの先おそらく巡ってくるでしょう。

 

 

反対に、自分が評価されなかった事実を「他人のせい」にし続けている人は、

残念ながら挽回のチャンスすら巡ってこないかもしれません。

 

 

 

 

 

こういう人たちが、不満やうっぷんをため込み、

場違いなところで爆発させるような事象が増えてきているような印象を持ちます。

 

 

たとえば、店員のちょっとした態度に対して攻撃的な感情を爆発させる、いわゆるカスタマーハラスメントや、

 

自分とはまったく関係ない人を誹謗中傷する行為なんかは、そのひとつかもしれません。

 

 

 

 

 

 

意味のよくわからない「正義」を振りかざして他者を攻撃したり、

相手のちょっとした言動に「見下され不安」を刺激されて、バカにされた! などと思い込んでキレるなんていう事象の背景には、

 

 

承認欲求(他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい)という願望と、

 

先述した「ダニング=クルーガー効果」のような、自分自身を過大評価するような思考の歪みが混在しているような気がします。

 

 

 

 

 

 

 

数あるブログの中から、ぼくのブログ『ラクに生きるための心理学』をご訪問くださった皆様には、そういうイタい人になってほしくありません!

 

 

 

そうならないためのゴールのひとつは、

自分を客観視するスキルを高めることだと思います。

 

 

そして、そのゴールに到達する方法は、いくつかあると思います。

 

 

 

 

 

 

たとえば、友人同士で気づいた点を指摘し合うのもいいでしょう。

 

 

指摘——建設的な批判——というのは、指摘する側に相手を尊重する気持ちがあるからこそできるわけで、とても大事だとぼくは思いますし、

それをありがたく受け入れる姿勢もまた、人の成長には大事だと思うのですね。

 

 

そもそも、そういう率直な人間関係を作る・作っているというのも大事だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

また、マーケティングを勉強した方なら誰でもご存知の

「SWOT分析」などを、自分個人にあてはめて分析してみるのもいいでしょう。

 

 

SWOT分析とは、以下の4つのカテゴリーを視点にして、経営戦略や事業計画の現状分析をおこなう経営戦略策定方法です。

 

●Strength=強み

●Weakness=弱み

●Opportunity=機会

●Threat=脅威

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、心理学的なメソッドの中にも、

すこし歪んだ・偏った思考や行動パターンを修正していくためのアプローチ方法がいくつかあります。

 

 

 

今現在、そうした歪みから抜け出せていない自覚がある、

 

わかっちゃいるけど、なかなか抜け出せない、

 

職場や仲間から孤立してしまっているなど、

 

日常生活に支障をきたしてしまっている場合は、

なるべく早目に対処していったほうが良いように思いますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

では、今日はこのへんで。

お読みいただいて ありがとうございました。

 

 

 

新型コロナウイルス、完全制圧までもう少し時間がかかりそうですね。

医療をはじめ様々な現場で懸命に対応されている方々、本当にありがとうございます。

 

 

がんばろう! ニッポン!

 

 

 

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この記事を書いているのは…

 

井上 太一(いのうえ たいち)/ 心理カウンセラー

 

 

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