こんにちは!

心理カウンセラーの井上太一です。

 

 

 

いわゆる「上から目線」の人って、いますよね。

 

もしかしたら、あなたの職場や身近なところにもいるかもしれませんね。

 

 

上から目線の人は、人間が5人以上集まる場には、必ず棲息(?)しているのではないかとすら思ってしまいます(^^)

 

そのぐらい、いろんな所で見かけますね。

 

 

 

 

 

本屋さんに行くと、「上から目線の人の対策本」がけっこう置いてあったりするくらいですからね。

ぼくも仕事がら、この手の本は時々読みます。

 

 

 ☆

 



ところで、あなたの周囲にこの上から目線人間がいたら、ぜひ細かく観察してみてほしいのです。

 



観察ポイントはずばり、「上から目線の言動は、いったい誰に対して向けられているのか」です。

 



 

 

 



 

 

例えば、あなたの勤務する会社に上から目線の上司、A部長がいたとしましょう。

 

A部長の上から目線な言動は、部下全員に等しく向けられているのでしょうか?

 

 

 

もちろん、そういう可能性も考えられます。

 

しかし、もしかしたら 特定の人にだけ、その上から目線な言動が向けられているかしれません。

 

 

 



 

 

例えば、営業部のB子さんが特に、A部長の「標的」になりやすいことが、あなたの観察で分かったとしましょう。

 

 

そうしたら、今度はB子さんのコミュニケーションにどんな特徴があるかを、観察してみてほしいのです。

 

 

もしかしたら、必要以上にへりくだるような、

過度に自分を卑下するような、

言ってみれば「下から目線」のような傾向が、B子さんにはないでしょうか。

 



 

 

 





 

「交流分析」という、心理学の一つの考え方というか、パーソナリティ理論があります。

 

この交流分析の中に「ゲーム」といわれるものがあります。

 



ごく簡単にいいますと、

ゲームとは無意識に繰り返しておこなってしまう人間関係のくせです。

 

そしてそのやり取りは、必ず不快な感情を伴って終わります。

 

 



交流分析の理論を作り上げた精神科医・心理学者のエリック・バーン氏は、この「ゲーム」を30種類以上も分類しました。

 

それだけ、私たちの日常に浸透しているというか、高い頻度でおこなわれているということなのかもしれません。

 

 

 

 



 

このゲームの中に、

「キック・ミー」と呼ばれるものがあります。

 

 

繰り返し規則違反をしたり、

 

常習的に遅刻をしたり、

 

仕事の納期が頻繁に遅れたり、

 

報告連絡相談をすべき場面でそれをしなかったり、

 

あたかも自分からわざわざ嫌われるような態度を取るわけですよ。

 

キック・ミー、すなわち「私を蹴って」ですからね…

 



これ、本人は意識しないでやっているというのが大きなポイントなんです。

 

 

 

 

 

 

 

なんでわざわざ、上司から叱られるようなことをやってしまうのかといいますと、主に幼少期の生育に起因していると言われます。

 



つまり、幼い頃に親が充分に甘えさせてくれなかったために、

 

●親にはかまってほしい

 

●けれども、自分には愛される価値なんてない



●だから、ほめられるような事と反対の事をすれば、親は「叱る」という形で自分にかまってくれる

 

——といったような考え方のくせが固着してしまうのですね。

 

 



自分には愛される価値なんてないんだ…と、自分の価値を低く捉えてしまっているわけです。

強いて言えば、「下から目線」の状態です。

 

 

 



この「キック・ミー」のゲームを持っている人とセットになりやすいのが、

「さあ、とっちめてやるぞ」というゲームを持っている人なんです。

 

 

 

 

 



(エリック・バーンさんは、このゲームという概念を一般に広める意味で、独特のネーミングをしたと聞いたことがありますが、確かに風変わりなネーミングが多いですね…。)

 



 

「さあ、とっちめてやるぞ」は、何となく想像いただけると思いますが、相手をやり込めて、自分のほうが上なんだと示すことが目的となっているコミュニケーションのくせで、これも無意識にやっています。

 

今ふうに言うと、「何かというとマウントを取ろうとする人」という言い方ができるかもしれません。要は、上から目線な人なわけです。

 



 

 

 

 

「キック・ミー」のゲームを持っている人と、

「さあ、とっちめてやるぞ」のゲームを持っている人がセットになりやすいのが、なんとなくご想像いただけますか?

 



マウントを取りたがる人と、自分には価値がないという「下から目線」の人——これはもう、強固なセットになりやすいと言えます。

 



 

上から目線のA部長は「さあ、とっちめてやるぞ」を、

下から目線のB子さんは「キック・ミー」を それぞれ持っていて、

 

それがゆえに いつも会社で怒鳴ったり・怒鳴られたり、揉めているのかもしれません。

 

 

 



 

 

 

この「ゲーム」から脱する方法は、あるんです。

 

 



ただ、それよりも何よりも、

 

まず自分やコミュニケーション相手が「ゲーム」に加わっていないか、それを出来るだけ客観的に把握・自覚するほうが先決だと思います。

 



まず自分の状況を把握しないと、対策の立てようがないですからね。

 

 



それは、カウンセリングで明らかにしていくことができると思います。

 

 



 

 

 

 

では、今日はこのへんで。

お読みいただいて ありがとうございました。

 

 



 

新型コロナウイルス、完全制圧までにはまだ少し時間がかかりそうな感じですね。

医療をはじめ様々な現場で懸命に対応されている方々、本当にありがとうございます。

 

 

がんばろう! ニッポン!

 

 

 

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この記事を書いているのは…

 

井上 太一(いのうえ たいち)/ 心理カウンセラー

 

 

 

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