前回分
それと同時に鬼ックス クラウドの取り巻きの鬼達もわ~~! と言いながら追いかけてきて……
「何でおいらを追いかけてくるんだ~⁉」
ナリゾウはメチャクチャ驚きます!
すると、
「はじめまして、オレは鬼ックス クラウドのヨシ鬼、君は?」
まだドラムを叩きながら器用に、まさかのヨシ鬼はナリゾウに話しかけてきました!
「あ、おいらはナリゾウ、てうか今、取り込み中だって~」
ナリゾウは律儀にも名乗りながらぼやきました。
「ナリゾウ君か……、ナリゾウ君、良かったら鬼ックス クラウドのスタッフにならないか?」
「鬼ックスなんちゃらのスタッフ? おいらが……え? おいらが⁉」
まさかのナリゾウはヨシ鬼からスカウトされます!
つい風来坊は急ブレーキをかけました。
なのでレビンの弟トレノを追いかけるのを止めてしまい……
「どういうこと?」
ナリゾウは問います。
「あれだけの雲を集められるなんて凄い才能じゃないか。
オレのところへ来ればそれだけ見合ったものを与えられる、そしてカミナリの独立だって夢じゃない」
ヨシ鬼は甘い言葉をナリゾウにかけました。
「ええ、独立!」
つい甘い言葉にさっそくほだされそうになるナリゾウ。
デタ、少し立派なカミナリ様になった図を妄想して頭の中がお花畑になりそうになった瞬間……
「こら、ナリゾウ! 何を誘惑されかかってんだ!」
黒鬼カミナリ親方が渇を入れて、ナリゾウを我に返らせます。
「ととと、いけね、いけね、」
ナリゾウはかぶりを振りました。
「誰が鬼クスリ食らうぞなんかに入るか!」
「鬼ックス クラウド!」
後からやってきたレビンがツッコミます。
「そうそう、それそれ」
ナリゾウはテヘペロになりました。
「最近、カミナリドラムが壊されたり、雨水が空っぽになったりしているのは、君たちのゲリラライヴのせいじゃないのか?」
黒鬼カミナリ親方が確信に迫ります。
すると斜に構えたヨシ鬼は、
「……オレはただ目の前にある雷雨に戦いを挑む為にプレイするだけだ」
くわっこいい~~~
ナリゾウはついトキメキかけます。
「じゃあ、トレノというヤツは……?」
黒鬼カミナリ親方は尋ねました。
「先だって雨雲を見つけてくれるただのサポーターですよ、いつの間にかまわりが勝手に取り締まり役だと決めつけている」
ヨシ鬼は言います。
「ええっ⁉」
それは余計、トレノを追いかけないといけなくなりますが……
まさかのヨシ鬼に話しかけられるとは思わず、足止めを食らうことになります。
「じゃあ、トレノをスタッフにすればいいじゃないか」
ナリゾウは言いました。
「最近、トレノの先読みレーダーは外れてきて実は信用ならない。
そこでナリゾウ君とその觔斗雲の力を借りたいんだ」
ヨシ鬼は告げます。
「はあ?」
ナリゾウは驚きました。
「それはならん! おぬしはゲリラライヴが出来て嬉しいかもしれん。
そして雲の上はいいかもしれんが地上は大変なことになってしまう!
下手したら人間達が大変困ってしまうだろう、だから絶対、ナリゾウも風来坊も力を貸すでない!」
「は、はい……」
黒鬼カミナリ親方の言う通りでした。
ナリゾウはスズハラさんのことを思います。
すると、
「ならば仕方ない、そこの觔斗雲を頂こう!」
ヨシ鬼はそう言うと、ヨシ鬼の乗ってきた大きな灰色の雲から雲をとらえる雲形の糸がたくさん出てきて、それは一気に風来坊を捕まえてしまいます!
「風来坊!」
なんと風来坊はヨシ鬼の灰色の雲に捕まってしまいました!
「ではまたの機会にお目にかかろう!」
そうかっこ良くヨシ鬼は言うと、風来坊を人質ならぬ雲質(クモジチ)にして連れ去ってしまいました。
どうするナリゾウ!
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