どういうことですか?
最近、有償があってまでしてももっともっとモヤモヤを解消しようとする方々がとんと見えませんが……
こんなことまれで異例なことですから、ご心配なさらずとも……
忘れた頃に求めに来る方もいるでしょうから。
そうですよ、気長に待ちましょう……
さあて、次はどんなモヤモヤをお持ちなお客様なんでしょうね?
布間場桂里奈(フマバ カリナ)、25歳、会社事務員。
「いらっしゃいませ、ようこそモヤモヤ解消商会へ」
いつものように5人並んで出迎えた。
「あの……」と桂里奈。
「はい、何でございましょうか?」
5人の内のひとりの韓国のアイドルのような長身なイケメン男性の店員が尋ねる。
「モヤモヤ解消商会って何ですか?」
桂里奈はストレートに聞いてみた。
「はい、そのままの通りです、あなた様のモヤモヤを解消致します。
しかしながら、無償は初回のみです、次回からは有償になりますのでお気をつけ下さい」
「え、え、モヤモヤ……って私の? 無償って?」
つい桂里奈はのめり込む。
「はい、どうぞそちらにお座り下さいませ」
カウンターの近くにいつの間にかイスが用意されていた。
桂里奈は自然にストンと座ると、
「モヤモヤってどんなことでもですか?」
と問う。
「はい、布間場桂里奈様のモヤモヤは会社への不満ですよね」
すると、
「凄い! その通り! 占い師みた~~い!」
「土曜日たまに出勤日になること、もっと推し活がしたいことですね?」
「そうです、そうです、凄過ぎる!」
次々に言い当てられて桂里奈は浮かれていた。
「どのように解消したいでしょうか? 思い通りに休みを取りたいことでしょうか? それとも推し活がうまくいくことでしょうか?
それとも自分が相手にどのように思われているか知りたいことでしょうか?」
「凄い!どれでも出来るの?」
桂里奈は思い切りタメ口で言った。
「はい、どれでも出来ますが1つだけです、それ以外の2つ目は有償になります」
「そっかー……じゃあ、とりあえず思い通りに休みを取るで!」
「承知しました、では思い通りに休みを取るに致しますね、ご来店ありがとうございました」
途端、桂里奈はいつの間にか外にいて……
何? 今の、夢? と戸惑いながら帰宅する。
そして翌日、何となく何も会社に告げずサボってみることにした桂里奈は……
続き
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