※一応、童話のジャンルですがギャグになるのか、はたまたブラックコメディかそれともホラーになのか、今のところ全く判りません。
ご了承ください。
あるところに、全身黒毛のこだぬきがいました。
こだぬきはとにかくおしゃべりです。
道端なりで出会った動物がいると、
「あのさー、向こうでさー猫が寝転んでいてさー、しかも隣の家の布団が風で本当に吹っ飛んでてさー、メチャクチャ面白くてさ~~ワハハハハハ……‼️」
こだぬきは勝手に1匹で喋り倒してきます。
全くこだぬきに話をはさむ隙すらもありません。
なので、みんなただ口をポカーンと開けてるだけでした。
いつもこだぬきは一方的に話してくることにみんなうんざりしてしまい、こだぬきを見かけるとみんな逃げていきます。
こだぬきは孤独になりました。
そんな時、珍しく向こうから白毛の両耳が垂れたウサギがやってきます。
「ウサギさん、こんにちはー、こんばんはー、おはよう、あ、今は昼間だからこんにちはだったーワハハハハハ……!」
やっぱりマシンガントークになるこだぬきです。
しかし、ウサギは無表情で何も言わずただただこだぬきを見ていました。
よくよく見ると、そのウサギの口はなぜかバッテンになっています。
「ウサギさんの口、バッテンになってるんだね、だからしゃべれないの? ねえねえ、良かったらそのバッテンの口とボクの口を交換しない?」
こだぬきはとんでもないことを提案してきました。
すると、
「いいわよ…」
ウサギはかなり小さな声でまさかの了承してきました。
「いいの? ボクうるさいけど」
「いいわよ、声が小さいってみんなに言われて困っていたの…」
「ありがとう」
なんと2匹はお互いに感謝すると、自分の口をベリッとはがしました。(はがせるんかい!)
そしてこだぬきは交換したバッテンの口を顔に近づけると、なんとこだぬきの口がバッテンになります。
そうすると、
「わ~~かわいくて小さい声になった」
こだぬきは戸惑いました。
「うわ~~すげえ、よくしゃべる口だな~~、そうそうわたし、Mッフィて言うんだ~~、とりあえずしばらく一緒にいてくれよな~~ワハハハハ……!」
かわいいウサギが急に、まるでちびま○子ちゃんの山○君かサ○エさんの○沢さんみたいになります。(声優さん一緒だし!)
ウサギはこだぬきみたいなしゃべり方をしながら、Mッフィと名乗りました。
どこかで聞いたことがあるような名前です。
口を交換したのでお互いしばらく一緒に行動することになりました。
しばらくするとこだぬきとMッフィはキツネに会います。
こだぬきが声をかけるよりも早く……
「キツネさん、こんにちはー元気? よく食べてる? どんな食べ物が好き? わたしはね~~……」
Mッフィがかわいい雰囲気とは違いガサツなしゃべり方をするのでキツネは驚きます。
「ねえ、ねえ、何で黙ってんの?」
キツネはあまりにもMッフィがうるさいので、
「オレが好きな食べ物はお前だ~~!」
と言うとキツネはMッフィを襲おうとしました。
すると、
「きゃあ~~‼️ やめて~~! 今は食べないで口を交換してるから後にして~~! じゃない…交換しても食べないで! あ、やめてお代官様~~💦」
時代劇みたいに何かワケ判んないことをこれまたしゃべりまくるMッフィ。
それを見たこだぬきは、やっと自分が今までどんな風にまわりから思われていたのか、やっと知ることになります。
そしてキツネは、
「口がうるさいやつなんて誰が食べるか!」
捨てゼリフを吐くと逃げていきました。
なんという怪我の功名……
逆におしゃべりが役立ちます。
なので、まだまだ2匹は口を元に戻さずにどんどん歩いて行きました。
どんなことがこの先待ち受けているのでしょう?
続く??
〈余談〉こだぬきのモデルはもちろん、うちの夫です。
さっき夫に読み聞かせたら、エクソシストの悪魔に取り憑かれた側みたいだと爆笑されました
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