八住奏利(ヤスミ カナリ)が次に間引きしたい相手は、房家瑠南(フサケ ルナ)というまたもや隣のクラスの女子……
会いに行こうと言う伊達省我の申し出に八住は驚いていたが。
「そうだけど」と難なく言いのける省我。
「はあ? バカじゃないの!?」
抵抗する八住。
「早くしないと雨降らせないし、ダメなら次の人見つけないと」
省我はスマホを取り出す。
「じゃあさ、間引きは房家じゃない奴にすればいいでしょ! だからもう話さなくていいって!」
やはり八住は抵抗してきて……
「とりあえず教えて」
「教えない」
「何で知ってるんでしょ?」
「知ってるけど、教えたくない」
「そんなこと言わずに」
「ていうか、伊達君、学校行ってるんだから本人に直接話が出来るし!」
「あ、そうだ! そうだった、うっかり~~からの~~~~」
省我は油断させてから、まさかの八住のスマホを奪い取る。
「あ、ちょっと~~わたしのスマホ返して!」
必死に取り返そうとする八住をよそに、省我は八住のスマホを取られない範囲で操作した。
電話番号登録を見る。
ふ、ふ、房家、房家、房家瑠南、お、あった、あった、ご丁寧にフルネームで登録していた。
ついでに電話をかけるマークを押す省我。
「ちょっとーーーー! わたしのスマホから着信させないでよ~~‼️」
八住はかなりご立腹になり声を更に荒げた。
そっちが素直に電話番号教えてくれないからじゃんよ!
と心の中で呟く。
ちょっと長めに呼び出し音は鳴り続けると、もう限界かなとなった時、
『もしもし…』
出たーーーーーーー!!
房家がギリでなんと電話に出る。
「ごめん、突然でビックリしたと思うけどオレ、隣のクラスの伊達省我なんだけど、房家瑠南さんで間違えない?」
『え、あ、え……そうだけど、どういう……こと? 何で八住さんのスマホに……?』
やはりスマホの向こう側で困惑気味な房家の声……
「ちょっと拝借したからさ」
『え?』
「房家瑠南(フサケ ルナ)さん、今からオレと八住と会えないかな?」
いきなりドストレートで本題を言って見せる省我だが……
続き