前回分
「ちょっと! お兄ちゃん何やってんの?」
伊達省我(ショウガ)がテーブルいっぱいの苗木を眺めていた時のこと、突然、妹の佐姐(サアネ)が省我の部屋に入ってきた!
「おい! いきなり入ってくんな!」
省我はとっさにテーブルの苗木を遮ろうとする。
「はあ~~? 何隠してんの?」
マンガみたいに一応、さっ、さっ、と妹が見ようとする先を阻止してみた。
へき易しながら妹の佐姐は、
「何もないじゃない」
え?
「へ~んなの、ご飯だってさ」
あれ?
妹は苗木が見えなかったようで見事にスルーされてしまった。
え、もしかして、
「この苗木は……もしかして他の人からは見えないのか⁉️」
省我は気づく。
あ~~良かった、いや良くないけど。
そうか、じゃあ友達呼んでも抜いたりいたずらされないってことか!
すげえ~~な~~!
そこはちょっと安心する省我。
「じゃあ、家族が苗木を勝手に抜くってことないんだな」
そこでちょっと気になり聞いてみる。
「もしも勝手に俺以外の人が苗木を抜いたらどうなるか?」
メッセを打ち込むと、
苗木〉本人以外は見ることが出来ないので抜くことは不可能です。
「そうなんだ、確かに…」
つまらぬこと聞いてしまった。
苗木〉けれどももしも抜いた場合は……
「抜いた場合は…?」
苗木〉抜いた本人が死にます。
「あ、やっぱりそうか…」
省我は一応納得した。
その時は……
そうして省我は学校へ行く……
今は7月初旬。
今年も晴れると既になかなか暑い時期にさしかかっている。
でも……
7月だと言うのに夕立すらない。
「雨降らないな~~もう何日目?」
「多分、もうすぐ1週間以上かな?」
そんな会話が聞こえてくるようになる。
そしてやっと、
そうだ! 忘れてた! オレが間引かないから雨が降らないんだ!
省我はことの重要性に気づく!
ヤベェ~~~~……
どうしよう、間引かないと雨が降らないって本当じゃん!
だけど誰かを選ぶっていうのも……
悩んだ末に思い付いたのは、
そうだ! 死にたい人を募集すればいいんだ!
とんでもないことを思い付く省我だが……
続き
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