誤配達〈17〉届久の弟のその後…… | いろいろしぃーのブログ

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前回分



この忙しい時に!

届久からの着信だろう、相変わらず町替は届久のケー番を登録していなかった。

とにかく町替は封書を破いても、捨てても戻ってくる現象に思い悩んでいた時に、絶妙なタイミングで届久からの着信ありで……

町替は何となく出てみることした。

「どうかしたー? あれから何も関わってないけど? というか、今ちょっとたて込んでいてさ、破いても捨てても封書が戻っ……」


『弟が……弟が……!』

すると最後まで町替が話し終わらない内に、届久が切羽詰まった感で話してきて……

「弟、何かあったのか?」

『 交通事故に合って……』

交通事故とは穏やかではない。

「大丈夫なのか!?」

一応、町替は心配になる。

『……ました』

「え? 何て?」

『弟は……死にました』

え? 死に……ましたって、え?

「そんな……」

『即死でした』

「まさか……あの封書の中のカタログの……せいか?」

……はい、多分そうです

届久の声が小さくて……何とか聞き取る。

「弟は何を選んだんだ? 何かおかしなことはなかったか?」

『どうやら……呪う為のものを買ったと思いますね』

「買ったものは何か判るか?」

『判ります……でも、番号しか載っていなくて……』

「え? それはどういうことだよ?」

『注文はどうやらスマホでしたらしく、履歴が残っていました』

「スマホ?」

『完了通知のメールも届いていたみたいで残っていました』

やはりなネットで注文するようだ。

『そのメールに返信してみたら何も言ってこなくて……』

あー多分返信不要なメールだからか。

「弟さんは……誰を呪ったんだ?」

『そこは判りませんが、呪いの完了通知もきてて……』

てーことは、やっぱり届久の弟は誰かを呪ってやりたいと願い、何のためらいもなく呪いを成就させたのか。

「成就したから弟は亡くなった?」

『多分……』

後はついつい沈黙になる。 
 
どのくらい経った頃……

「……そういえば封書はどうなった?」

『封書は……見当たらない……です』

「ええっ!?」

封書は、任務を全うというか遂行すると消える?

「そういえば、カタログの最初のページは注意事項とか増えてなかったか?」

電話越しに町替は尋ねると……

 

続き