「8 Mile」2002年
主人公のラビット役は、2000年代に最もCDを売ったアーティストとかHIP HOP版エルヴィス・プレスリーだとか、ざっくり言うとすごいラッパーのEminem。
そんな現在も一線で活躍しており、キングどころか「神」を自称できるぐらいには偉大なヒップホップMCである彼の半生を綴った半自伝映画。
iPodのCMにも使われたことのある本作のテーマソング、一度は聴いたことあるんじゃないでしょうか。
超私事ですが、学生の頃に仲間内でこの映画が流行っていて、GIMMICK NOISE STORE期の初代ベーシストになる彼が音楽室のピアノでイントロを弾いていたことを今でも何故かよく覚えています。
Lose Yourself by Eminem | Eminem
売れない貧乏白人ラッパーのラビットがラップバトルに挑戦しチャンスを掴む、までが大まかなあらすじで、HIP HOP版ロッキーと言わしめるほどの熱気と緊張感あるクライマックスで迎える因縁のバトルシーンの攻防にはリアル手に汗握ってしまいます。
そんなわけで「新たな切り口から」とかも全く無いし、今更僕が書くまでもなく至るところにもりもりレビューが転がっている名作中の名作なんですがせっかく久しぶりに観たので。
当然バトルシーンも必見ですが、物語の根幹はあくまで「夢を追いかける若者の挫折と成功」というごく普遍的なテーマであり、ある意味視聴者に冷や水をかける気分にさせるエンディング某シーンによって「勝ったッ!第3部完!」では無い絶妙な後味に仕上がってるなというのが素人なりの感想です。
個人的にエンディングに並んで好きなのが、弱音を吐く主人公に友人がジョーク交じりで励ますシーン。
勇気を貰えかつ安堵と苦笑いの中間地点、いかにもアメリカ映画って感じですがこんな台詞を言ってくれる友人が欲しいものです。
ラップバトルと言えば、日本でも「BAZOOKA!!!高校生RAP選手権」や「フリースタイルダンジョン」などの勢いもあってかここ数年で一気に知名度と人気が拡大していますね。
#18/フリースタイルダンジョン
B BOY PARKから始まり人知れずアンダーグラウンドで盛り上がっていた日本のラップバトル、これから更にとは言えまさかエンタメとしてここまで通用、市民権を得るようになるとは企画に噛んだZEEBRAもさすがに当初は思っていなかったんじゃないでしょうか。
高校生RAP選手権に至っては通算10回目になる8月の次回、なんと武道館で開催するそうで、えらいことですよ。
このバブルどこまで膨らんでいくのか、楽しみです。
このままいろんな場所やメディアから火がついて、果ては地上波ゴールデンでラップバトルする画が、なんてのも無くも無さそうな話だからすごい。
そして、一種の揶揄交じりでバトルMCと呼ばれているラッパーの中から音源でも活躍する人達が出てくるようになったのが何より個人的に楽しかったりします。
本来HIP HOPという大きな枠の中にあったはずのバトルシーンが独自に人気を得るようになって音源が売れようが売れまいがなんのその、どんどん一人歩きしてましたがようやくいい感じになってきたなーと思っています。
今やUMBらと並んで人気を誇っている「戦極MC BATTLE」を主催する一方でからDJや音源にも焦点が当たるよう尽力しまくっているMC正社員の功績も計り知れないと思います。
バトルで名を売って音源で活躍出来たら言うことなしですもんね。
そんでエミネムがその最たる例ですね。
映画は半自伝映画ということで若干の脚色はされていますが、実際にエミネムはデビュー前にあるラップバトルの大会で準優勝しており、それがきっかけで今やヘッドホンの方が有名であろうかのDr.Dreに見出され今に至るとのこと、まさにHIP HOPドリームですね。
僕は都合上頻繁にアメ村に足を運ぶんですが、サイファー(円囲んでフリースタイルラップ)してる人達が増えたのを肌で感じています。
僕が少ないながら知ってる人以外からも、これからバトルで名を馳せるラッパーがここから出てきたりするのかなと思うと、通りすがらよし自分も頑張ろうとエネルギーをもらえます。
そんなわけで頑張ります。
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