時が経つのは早いものとか、光陰矢の如しとか言われる様に、状況によっては、ええっ?もう9月かなどと思っている方もいるだろう。御多分に洩れず、僕もそんな感覚がある。知らぬ間に冬が来るということになりかねない。

 全体としてはそういう印象だが、ある仕事をしている期間だけは、時が過ぎるのが遅く感じて、その濃密さに驚いている。

 4月から県内民放の番組モニターを務めさせて頂いた。期間は半年で9月一杯で終了。毎月指定の番組を視聴して数日以内に原稿をメールで送る。お陰様で、つい先日全てを校了した。

 この、番組を視聴しての意見が難しい。視聴者としては、良いと思う点は今後も継続して欲しいので当然のことながら盛り込む。逆に、物足りなさを感じた時や表現、映像が不必要だったり不適切だったりする場合は、否定するのではなく改善点として指摘する様に努めた。

 しかし終わってみると、表現が強く無かっただろうか、もしくは他に指摘するべき良い点は無かっただろうかとねちねちと振り返ってしまうのである。

 この、番組視聴から原稿を送るまでの時間を実に濃密に感じるのだ。番組を通して観て気になる所は書き留めておき、更に原稿を起こしてみて字数の中に入るか否かで取捨選択をしつつ表現を整える。最後に推敲して、やっと送信できるのである。


 自分の視点を信じつつ、褒めるべき点は褒め、気になった所は丁寧に指摘する。その繰り返しを30本、半年こなした。


 自らの視点と一般的な視点を確認する事は、文章を書く上でもとてもいい経験だったと思っている。