田吾作「今回は田吾作ファームで栽培中のわらびの品種を紹介する。」



「わらびは熱帯から温帯が原産でコバノイシカグマ科ワラビ属の植物である。」



「日本では奈良時代末期に成立した最古の和歌集『万葉集』に『さわらび』として記載があり、仏教にまつわる伝説も多く庶民との関係は深かった。」



「北海道のアイヌ民族もわらびを『わらんび』『わるんべ』と呼んでおり、名称が似ていることから日本語が由来だと考えられている。」



「春から初夏にかけて出る新芽は日本や中国や朝鮮などで広く食用にされ、葉が開く前の若芽を採取して山菜として食べられてきた。」





わらびの特徴





田吾作「わらびは山菜の中でも特に灰汁が強いため必ず灰汁抜きする必要があり、下処理せずに生食すると毒性があるとも言われている。」



「重曹や木灰などを使って丁寧に灰汁抜きしたものは特有の滑りとほろ苦い風味があり、お浸しや和え物や巻き寿司の具などにして食べられている。」



「灰汁抜きしたわらびは水に浸けて替えながら保存すれば約1週間は日持ちし、塩漬けや天日干しにすれば長期間保存することができる。」



「ただわらびを牛や馬や羊などの家畜が食べるとワラビ中毒を発症し、白血球や血小板の減少や出血などが発生して発癌することもある。」



「このワラビ中毒は人間でも灰汁抜きせずに食べると発症し、体が怠く神経痛のような症状が出て脚気になることもあるので注意が必要だ。」





わらび餅





田吾作「わらびの根茎を乾燥して砕き水に晒して採れた上質なデンプンはわらび粉と呼ばれ、わらび糊やわらび餅を作ることに利用されている。」



「醍醐天皇 (885~930) がわらび餅を好物にしていたというほど歴史が古く、凶作に見舞われた農家の非常食でもあったと言われている。」



「わらび餅は柔らかくて口どけが良い和菓子で、わらび粉に水や砂糖などを混ぜて加熱し、デンプンを糊化させて常温で約10分くらい冷まして作る。」



「これにきな粉を振って黒蜜をかけて食べるのが一般的で、抹茶をわらび粉に混ぜて作ったものや、きな粉の代わりに抹茶を振った種類もある。」



「ただわらび粉は非常に貴重なため、わらび粉を100%使用した本わらび餅と、小麦粉やこんにゃく粉やコーンスターチなどを混ぜた生わらび餅がある。」





わらび





田吾作「わらびは熱帯から温帯が原産でコバノイシカグマ科ワラビ属の植物である。」



「古くから日本の万葉集や中国の故事にも登場するほど山菜として親しまれ、灰汁抜きしたものは特有の滑りとほろ苦い風味がある。」



「採取するほど根茎から新たな新芽が出て夏まで収穫することが可能で、根茎を乾燥させたワラビ粉はわらび糊やわらび餅を作ることにも利用される。」



「系統は灰汁のあるものとないものがあり、更に青茎系と赤茎系と中間系があって、品質と収穫量は若芽が濃緑色の青茎系が優れている。」



「病害虫抵抗性は特にないので、栽培期間中に農薬を散布して防除する必要がある。」










田吾作「このようにわらびは灰汁が強い山菜であるにも関わらず、灰汁抜きするという知恵で古くから日本人に好まれて食べられてきた。」



「わらびは大別して灰汁がある大開系や武川系と、灰汁がないアマワサビ八ヶ岳系があり、土質を選ばないため栽培はそれほど難しくはない。」



「このうちアマワサビ八ヶ岳系は、山形県が1973年 (昭和48年) 頃から1982年 (昭和57年) にかけて灰汁がない系統の選抜に成功して品種改良したものだ。」



「山形県は山間部の林地を利用して土地に施肥し、わらびの根を植え付けて栽培しており、天然物と生育環境が近いため野生種と同等の品質がある。」



「皆さんも家庭菜園でわらびを栽培しては如何だろうか?」















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