困ったちゃんな爪① | 南青山「爪飾工房」田賀美鈴のブログ ネイルアートレッスン&出張セミナー情報

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皆さんこんばんは。


わが社には様々なスタッフが働いていますが、特に女性社員はネイルテクニシャンの技術向上のために協力を惜しみません。ありがたいことです。


今回ご協力いただくのは、経理部のI女史。田賀と並ぶわが社の古株スタッフです。


I女史、実はつい最近、右手の中指の先端を骨折(TωT)しました。


何かに挟んだらしい。


さぞ痛かったことでしょう。


ネイルは痛々しく腫れあがり変色してしまいました。


しかし幸いにもマトリクスは無事だったらしく、しばらくすると新しい爪が古い爪を押し上げるようにして生長してきました。当然、フリーエッジまで押しやられた古い爪はネイルベッドから「剥がれそうで剥がれない」状態となり。


ある日、検診に行ったら。


「ああ、これ、もう取れかけているから取りましょうね」


と、医者の非常な一言。


制止する間もなく。



ベリッΣ(~∀~||;)



「ギャアアアアア!!!」



・・・とこのようにI女史が叫んだかどうか、定かではありませんが。



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こんな状態になって帰ってきました。



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正常な爪とほぼ問題ない爪を足した長さは約7mmくらいでしょうか。


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横から見た図はこんなかんじ。



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そりゃあ、無理に剥がされれば痛いでしょうねえ。


田賀はイギリスでネイルテクニシャンだったとき、噛み爪のお客様を施術することがとても多かったです。


プロ初心者問わず、カルジェルの基礎コースにチップオーバーレイの授業が必ず入っているのは、おそらく(日本よりは爪を噛む癖が多いから)こういう爪に対処するためだったのではないでしょうか。


というわけで、今回はこの爪、いえ正確には爪を剥がされて痛い部分を保護するためにカルジェル流チップオーバーレイを行ってみようと思います。


実は田賀はチップオーバーレイが大好き。


こういう爪を見ると、とっても燃えてしまいます(・ω・)b。


では、いざ!!



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お手入れがほぼ終わった図です。デリケートな爪なので、いつもにも増して衛生には気を使います。


この場合、爪はピンク色ですね。しっかりネイルベッドにくっついている証拠です。もしこれが白っぽかったら、ネイルベッドから剥離気味なので、溶液などを使うとかえって症状が悪化することもありますから注意しましょう。


カルジェルでは、ルビーストーンというツールを使って甘皮際をきれいにします。コーナーやサイドは特に念入りにチェックし、爪を傷めないようにルースキューティクルをしっかり取り除きます。


爪が皮膚にめり込んでいますから、ファイルやバッファーが届かない場所には、ルビースト―ンを使ってホジホジします。




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正常な爪とほぼ問題ない爪は、しっかりつながってはいますが真中に深い亀裂があり、亀裂に沿って二枚爪になっているところがありました。浮いている場所はファイリングして取ってしまっても問題ありません。


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サイドから見た図です。



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痛い部分にはファイルやバッファーが当たらないようにしましょう。チェックしてまだ白く浮いているところがあれば、できる範囲で取り除きます。


お手入れで肝心なところは、爪をこれ以上傷めないこと、そして爪の状態をよく見て、それにあった施術を考えることです。ダストがないかチェックして、カルガード(カルジェル専用の爪用消毒液)で拭き取ります。




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ジェルを塗ったところです。カルジェルはレジンやブレンディングから守るために、まずカルジェルのクリアを一層塗ります。


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段差はしっかり埋めます。そしてフリーエッジ側をほんの少し盛り上げるように塗っておきます。


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サイドから見た図です。

爪のハイポイントにあった亀裂の段差は埋まっていますね。



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フリーエッジには逆にジェルが盛り上げられているので、ちょっと段差ができています。


なぜフリーエッジに段差を作るのかといいますと。


今回は、爪先の皮膚が痛いのでそれをチップによって保護したいわけですが。


チップのが皮膚に当たっても痛いわけなので。



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通常の薄塗りだと、チップが皮膚に当たってしまうわけです。



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ちょっとした段差を作ることで、ほんの少しだけ隙間ができて、痛さを感じずに済むということです。


今回は不慮の事故に加え、ドSな医者のお陰で、こんなに痛い思いをしているI女史ですが。


爪を噛む方の場合は、周りの皮膚を噛み千切ったりしてとにかく何に触れても痛い、ということが多かった・・・。なので数多くのお客様に接するうちに、なるべく痛くないようにしようとした結果がこんな感じです。


こういうとき、カルジェルの方法だとチップをつける前に段差を埋めたり出来るので、噛み爪さんのご来店率が高かったサロンで働いていた時にはすごく助かりました。


続きはまた明日・・・・♪

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