안녕(アンニョン)
D-368
テテの除隊まであと368日
「WINGS」シリーズのつづきです～
「WINGS」ショートフィルムは、
起承転結の流れをつくる7つのドラマであり、連続性を持ったメドレーです。
コンセプトは、ヘルマン・ヘッセ『デミアン』※がベースになっています。
※誘惑に出会った少年の葛藤と成長を描いた小説。
「花様年華」シリーズで描かれているエピソードと同時期の、7人それぞれの心の闇や過去を象徴的に表現していると思われます。
※テーマ「花様年華ストーリー」の記事を読んでいただいてからのほうがわかりやすいかと思います。
「WINGS」ショートフィルム①～④はこちらから。
5つめの今回は、
『REFLECTION』ショートフィルム
冒頭に小説『デミアン』を引用したナムさんのナレーションが入ります。
「reflection」の意味は
反射、反響、映像、影、反映、投影、影響。
熟考、内省などの意味もあり、自分の考えや言動、行動などを深く省みる意味にも使われます。
冒頭に映るのは、
ナムジュンの住むコンテナ。
① 『BEGIN』にも登場したハイタカ(ワシタカ科の鳥)の絵を見つめています。
①『BEGIN』でも使われていた、色の反転した②『LIE』の「プルコッ樹木園」の森。
飛んでいるのは
ハイタカでしょうか
それを腕に刻んでいます。
ひ～痛そう
刻み終わったのか、撫でて…
絵は燃やしてしまいます
それを
グラスの中へ
飲み込みます。
そして目を閉じたかと思うと…
その場に崩れ落ちます。
電話の「ツーツー」という音とともに、
ハイタカの絵の周りに色が広がっていきます。
ナムジュンが目を開けると…
鏡が割れる描写。
これは、「花様年華」ストーリーの中で何度も登場する言葉です。
①ナムジュンが学校を去る日
、6人に宛てた手紙に記され、結局誰にも読まれることなくナムジュンの手によって捨てられました。
②ナムジュンが再びソンジュへ戻ってくる時、バスの窓に指で書いた落書き。
③7人で再び思い出の海へ行く日、廃プールの汚れたガラスに指で書き残しました。
気がつくと、そこは鏡に囲まれた部屋。
鏡が割れて…
花火の描写
鏡が一斉に割れます。
行かなければ、電話に出なければ。
走り出すナムジュン。
③『STIGMA』に登場した電話ボックスです。
ショートフィルムの最後にテヒョンは、「電話をかけさせてください。」と言いました。
思いきり叩きますが…
頑丈な鎖で閉ざされていて、電話に出ることが出来ません。
途方に暮れるナムジュン。
テヒョンが刺殺事件を起こした後、すがるようにナムジュンに掛けた電話に、出ることが出来なかったことを表しています。
ただ、「電話に出られなかった」という事実だけでなく、
「自分を頼ってくれる人ときちんと向き合えない」という状況をも表しているのだと思います。
電話ボックスをよく見ると…
赤い「LIAR」(＝嘘つき)の文字が浮かび上がっています。
ひび割れた鏡のような5つめのロゴマークが映し出されて…
①『BEGIN』で現れた卵のような1つめの
ロゴマークと重なり、
最後は「WINGS」のロゴマーク。
『REFLECTION』 【歌詞日本語訳】
知ってるよ 人生は映画だ
それぞれ違う役者で違う物語
それぞれの夜と朝
僕達のシナリオは飽きることなんてない
僕はこの映画がすごく面白くて
毎日毎日撮っていたい
自分の頭を撫でてあげたい
自分を褒めてあげたいんだ
でも時々自分のことが嫌いになる
実はかなり頻繁に僕は
自分のことがすごく嫌いになるんだ
自分が嫌な時 僕はトゥクソムに来て
ただ立っている 慣れた暗闇と共に
笑っている人たちと
僕を笑顔にさせるビール
そっと近づいて来て
僕の手を握る恐怖
大丈夫 みんな2,3だから
僕にも友達がいるからいいじゃないか
世界は絶望のまたの名
僕の身長は地球のもう1つの直径
僕は自分の喜びであり憂い
毎日繰り返す
自分に向けられた好きと嫌い
そこの漢江を見つめる友よ
僕達「袖振り合うも他生の縁」かな
いや もしかしたら前世で振り合ったのかも知れない
もしかしたら数え切れないほどぶつかったのかもしれない
暗闇の中 人々は
昼間よりも幸せそうに見えるな
誰もが自分のいる場所を知っているのに
僕だけがどうしようもなく歩いてる
それでもここに紛れている方が楽なんだ
夜を飲み込んだトゥクソムは僕に
全然違う世界をくれる
僕は自由になりたい
「自由」から自由になりたい
今は幸せだけど不幸だから
僕は自分を見つめるよ
トゥクソムで
I wish I could love myself
自分自身を愛せたらいいのに
全15曲が収録された 「WINGS」の中盤、7番目の『REFLECTION』は、このアルバム全体でもっとも静かで思索的な曲。
このアルバムを制作した当時、彼らは実際に思索する時間が必要でした。
2015年の末から火がついたいくつかの論争で、僕の混乱がピークに達した頃でした。
BTSの人気が出始めた頃は、彼らに対する論争、または論争を発端とするサイバーブリングがだんだんと深刻になってきた時期。
しばらくの間、ナムさんが曇りの日や雨の日を好んでいた背景には、こうした事情がありました。
雨が降ると気分がいいんです。みんなと一緒にいても、傘で顔が隠れるから、僕のことが見えないのが、よかったんです。
一方で、 あの頃はなんと言うか「僕も世の中に属している」という気分をものすごく味わいたかったのだと思います。
『REFLECTION』は人々が道を行きかう音で始まり、ナムさんの声だけがはっきりと聞こえて来ます。
周りを人に囲まれてはいますが、結局は独りぼっちの感覚。
一緒にいるけれどひとりでいるようで、「これって何だろう」という気持ち。明らかに僕たちはうまくいっているし、僕は何かを続けているんだけれど、ひとりで地面を掘っているような…。すごく矛盾していました。 だけどメンバーたちといると楽しいし、だからそういう思いを横に置いて笑うことができる。
歌詞にあるように、 トゥクソムを訪れひとりでいることが好きなのに、「ここに紛れているほうが楽だ」と、 人のぬくもりを求める悩み。
多くの矛盾を抱え混乱する中でも、 いつでも頼ることができるメンバーたちとの友情。
ナムさんは複雑な感情を掘り下げながら自己を見つめ、そのような自分を音楽に映し出すことが出来ました。
『REFLECTION』を起点として、彼は自分の内面を思索する静かな音楽を発表するようになります。 2番目のミックステープ 「mono.」もまた、この頃から作られていました。
「mono.」に収録した曲の大部分は、2016年から2017年の初めに作りました。後からそれを整えて発表したんです。 2018年10月に 「mono.」を公開した時は、「これって今出すべき？」 という思いもありました。
それにもかかわらず、「あの頃の自分を一度確かめてから進むべきだ、ちゃんと確認せずに先に進んだらダメだ」と思ったんです。
他のメンバーたちと同様に、ナムさんもまたその時期を経て初めて、自分自身に対する答えを少しだけ見つけることが出来ました。
今思えば…ある意味あの頃が、僕がひとりの「職業人」としての姿を見つけていく時期だったんじゃないかと思います。
仕事を持ったひとりの大人としての姿が、初めて少しずつ現れてきた頃でした。
そしてナムさんは、いつしか雨の降る日が嫌いになり、もうひとりでトゥクソムへ行くこともなくなりました。
「WINGS」 Short Film Special 『Reflection』 (Power Monster)
電話ボックスに駆け寄るシーン。
思いきりドンッ
ってぶつかって、 電話が落下⤵️
「やっちまった」みたいな、何とも言えない表情をするナムさん
今度は、鎖をなんとかこじ開けようとするシーン。
「あれ
切れちゃった。」
電話に出られないことを表現してるんだから、切れちゃダメなのよ鎖
なんとか修復を試みるナムさん。
扉の合わせも自ら修復。
「パワーモンスター」とタイトルが付いたこのビハインド。
＝破壊神ですね
ナムさん、最高です
ナムさんの書いた歌詞。
感性と言葉のセンスが素晴らしい
22歳でこんな歌詞が書けるなんて
それなのに、電話ボックスを破壊しちゃう可愛いナムさん
これ以上の「ギャップ萌え
」ってある
D-368
ナムさんの除隊まであと368日
長文にお付き合いいただいた皆さま
※画像はネットよりお借りしました。
