本日行われた白玲戦A級順位戦の最終周で、福間香奈女流五冠は伊藤沙恵女流四段に敗れ、両者が7勝1敗で並んだため挑戦者争いはプレーオフに持ち越されました。7月17日に関西将棋会館で行われるそうです。
今日の福間女流五冠は終始良い所が出せなかった、言い換えれば伊藤女流四段が序盤から終盤まで絶妙に指し切った一局となったようです。先手番で初手▲5六歩の中飛車宣言に対し、伊藤女流四段はなかなか居飛車とも振り飛車とも態度を示さず、最後に四間飛車を選択。逆に福間女流五冠が居飛車に戻すという、変わった序盤戦からの対抗形となりました。両者にとってどこまでが想定範囲内で、どこからが力戦なのか分からないのですが、振り飛車で矢倉を組んだ伊藤女流四段が、7三の銀を繰り出して先手の7筋の歩を狙いつつ玉頭戦を仕掛けて行くという積極策。お昼休み前から激しい戦いとなり、福間女流五冠は攻め合うよりいったんは守りに専念という感じになりました。評価値は後手に60%~最大で69%まで振れていましたが、決定的とも思えず辛抱の中盤戦でしたが、どこかで見落としがあったのか、先手玉側だけ一気に終盤戦となりその後も伊藤女流四段が持ち時間を上手く残しつつ反撃のチャンスを与えませんでした。ふだんの福間女流五冠であれば、やや守勢の苦しい局面でも粘り強いと思うのですが、形勢が傾いた前後は1時間弱を残していたにもかかわらず、あまり時間を使わず...。(そんなことなければ良いですが、体調不良だったのでは?とさえ思ってしまいました...)
敗因を考えても仕方ないですが、対局間隔が開いていたので勝負勘が鈍っていた?は流石に無いと思うけど。または今日の一戦は最悪落としてもまだプレーオフが残っていたので、ピリピリした臨戦態勢になってなかった...も考えにくい。ひょっとすると、この数日に収録の対局があってそこで調子を落とした...とかも考えにくい(少なくとも収録対局があったかどうかだけは後日分かりますが)。今日の感想戦は口頭で短く終わったらしく、プレーオフが控えているからというだけのことかもしれませんが、体調もどうだったのかなぁとか思ったりしてしまいました。
なんにせよ、今日は伊藤女流四段が充実していたということでしょうか。
北〕女流順位戦A級最終戦。福間香奈女流五冠(7勝0敗)ー伊藤沙恵女流四段(6勝1敗)戦。福間女流五冠が勝つと西山朋佳白玲への挑戦権獲得。伊藤女流四段が勝つとプレーオフへ。 pic.twitter.com/j4Ka7ezCaT
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) July 1, 2024