本日午後、加古川青流戦の2回戦から登場した里見女流五冠は、午前中に村田三段に勝った貫島三段を相手に得意戦法の後手番ゴキゲン中飛車を採用し見事に勝利を収めました。次の3回戦の相手は若干17歳の藤本四段となります。
プロ棋戦で、もはやクラッシックとも言えるような（使い手の少なくなった）後手番ゴキゲン中飛車を採用した里見さんですが、流石に研究量は豊富と見えて、先手居飛車の貫島さんの方が早くも中盤戦の71手目で短い1時間の持ち時間を使い切りました。そこまで微妙な均衡を保っていたようなのですが、少し形勢は後手に振れ始め、対する里見さんはまだ18分の持ち時間が残っていました。そこから一気に後手ペースになるも100手を前にして里見さんも秒読みに突入。粘る先手玉を捕まえるのにやや苦労しつつも先手からの反撃の攻めを冷静に受け切って、140手目あたりから徐々に局面は終息へと。観ている側からすると、終盤粘られると中盤までリードしていた方が精神的には却って重いというか逆転されがちな感もありますが、しっかり残して終盤戦の力勝負をものにするのは、やっぱり強いというか流石というか。里見さんは緊張するような場面は楽しいという旨のコメントも前にありましたから、勝てるだろうかと心配になる気持ちも当然あるのですが、いやぁ力が入っていい時間を過ごされている...と思うようにしています。（相手が格下なら中終盤優勢になればサクッと勝てるのでしょうが、それは逆に力にならないとでもいうか...）
とにかく、一つひとつ精一杯戦って一つでも多く勝てればと、それに尽きるかと。明日一息入れつつ、明後日は女流名人戦リーグです。