[将棋]里見女流四冠、棋聖戦一次予選連勝 | 福間香奈さんを応援するブログ!

福間香奈さんを応援するブログ!

女流棋士の福間(旧姓里見)香奈さんを応援しています。その他将棋や自分の日常のことなど。

 本日関西将棋会館で行われた持ち時間1時間の棋聖戦一次予選で、里見女流四冠は午前中に浦野八段を、午後には出口六段を下して見事に3回戦進出を決めました。浦野先生は年齢的にかなりベテランですし過去の対戦成績からみて勝っても普通という気もしますが、逆にベテラン棋士の方は強い時はやっぱり強いという(年がいくとムラっぽくなる?)感じがあるので、やっぱり勝てて良かったです。午後の出口さんは、3年前にも同じ棋聖戦予選で逆転勝ちした相手ですが、つい最近の叡王戦五番勝負のタイトル戦に登場した棋士です。とは言え、めちゃくちゃ勝ちまくってるとまでも言えないだろうし、今の里見さんであれば、藤井聡太五冠や渡辺名人クラスを除けば、別に勝ってもおかしくない相手だと思ってました。客観的な期待勝率がどれくらいなのか(5割を超えるかどうかとか)は分かりませんが、ファン目線で言えば、負ければ悔しい相手であり善戦すれば負けても仕方がない相手ではなく、やるからには里見さんが200%勝つと信じて応援すべきだと思ってました。もちろん結果は終わらないと分からないことですが...。
 

 
 振り駒で後手となった里見さんは、王道の中飛車選択でしたが、浦野さんの方が少し変化を見せて角道を開けずに引き角から▲4六に配置転換する形に。結構珍しい展開のように思いましたが、後手もいきなり△5五で衝突して角が飛び出す急戦模様となりました。ただ、そこから先手は居玉のまま辛抱の駒組み。一方の後手玉は美濃囲いに収まり、向かい飛車から四間飛車に組み替えてと、軽いフットワークを織り交ぜながらも地道に駒を押上げてポイントを稼ぐような指し回し。少しずつリードを広げていったようですが、持ち時間が短く優勢な方は間違えずに進めないといけないというプレッシャーでやりにくい感じもあったのか、慎重な駒運びのようにも思えました。とは言え、最後は攻め合いで飛車取りに歩を打たれた一手を無視して一気に先手玉を詰ましに行きました。
 本日は一週間ぶりの対局で、普通ならまぁまぁいいペースくらいかもしれませんが、里見さんの場合は、逆に間隔が開きすぎて勝負勘が鈍ってないかみたいな感じですが、さすがにそんなこともないかと。ただ午前一局指して、既に脳がフル回転の戦闘モードに活性化した状態で午後の対局に入れるのかなとも思ったり。
 
 
 今日は2局とも後手を引きましたが、ここでは角道を止めるノーマル四間飛車を採用。先月の中井女流六段戦でも採用していたので不思議ではないかもしれませんが、やや意外。と言うのも、持ち時間が1時間と短い対局なので、普段慣れている中飛車と比べると勘が働きにくいんじゃないかなと。それが関係するかどうかは分かりませんが、居飛車穴熊に組んだ出口さんの玉頭の9筋の歩を突いて攻めるも、先手の飛車に2筋突破を許し、スピード勝負はやや分が悪そうということで、持ち時間も先に多めに使っての苦しい守勢の中盤戦となりました。ただし、最近では終盤の魔術師とまでは言えないかもしれませんが、時間の長い棋王戦などでも結構粘って守って逆転というケースも多く、今日も出口さんがうっかりしたかどうかは分かりませんが、里見玉の頭を直接歩で叩いての王手。取れば寄せ形だったそうですが、玉をかわしその代わりに△6一に居た守りの金が先手の龍にボロッと取られて一見していかにも不味そうな感じでしたが、意外と叩いた歩の上まで玉が上がって逃げるとその形が寄せにくいとのこと。出口さんも失敗した感があったのかもしれませんが、先に秒読み1分将棋になった里見さんでしたが、そこからはアドレナリン全開というか(その辺はリアルタイムでモバイル中継を見ていましたが)玉を安全に逃げ切ってからは怒涛の反撃を見せ、一気に先手玉を寄せてしまいました。
 
 次局は来週29日(水)、石本女流二段と女流名人戦リーグの対局のようです。