本日、京王プラザホテル札幌で行われた女流王位戦第2局は先手の里見女流王位が長期戦の161手で後手の挑戦者西山女流二冠に勝ち、これで対戦成績を1勝1敗のタイに戻しました。次局第3局は福岡県飯塚市で2週間後の5月25日に行われます。ただ両者の対決はその前に早くも3日後の14日（土）に神奈川県藤沢市でマイナビの第3局が行われます。北海道からの移動は明日だとすると、明後日の13日には前日検分等があるでしょうから大阪には戻らずに直行でしょうかね？お二人とも忙しい...。ただ、今日について言えば、西山さんは一昨日女流名人リーグで持ち時間2時間と短めではあるものの加藤清麗との対局があったので（しかも敗戦）、かなり厳しい日程に思われます。
先手の里見さんは、ほぼ絶対とも言える初手▲５六歩からの中飛車に対し、後手の西山さんも4△３二飛で早くも相振り飛車模様。この流れで最近の里見玉は左に囲うことが多かったのですが今日は普通に？右に玉を囲っての相振り飛車戦になりました。両者、緻密な序盤の駒組みを進めるのと同時に無理攻めは禁物と自重する様子も伺えて、持ち時間4時間と女流棋戦では最長ながら両者持ち時間30分を切るあたりまでは、均衡を保ったまま押しては返しでやや膠着気味の中盤戦が続きました。あたかも競輪で本当の勝負は鐘が打ち鳴らされてからの最後の1周というのにも似て、最後の最後に局面が動き大駒交換がなされ、その辺りから一気に里見さんが抜け出したようです。
里見ー西山戦。殆どこのカードでしか実現しない戦型を繰り返しているうちにどんどんクオリティが上がって、まさに「二人の世界」としか言いようの無い領域に入ってきている気がします。力比べの将棋が多くて本当に面白い。
— 山本 博志 (@yamahiro3ken) May 11, 2022
言葉よりも盤上の指し手でこそ語り合っていく二人なのかなと推測します。
（終局後のインタビュー記事掲載）
（北海道新聞、動画あり）
今日は両者ともにお疲れさまでした。そして、14日のマイナビは持ち時間が少しだけ短い3時間で、また里見さんが先手番ですが、どのような展開になるでしょうか？