[将棋]第45期岡田美術館杯女流名人戦の展望 | 福間香奈さんを応援するブログ!

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 2019年も、あっという間に正月が終わり、なんだかんだとしているうちにもう次の日曜日に女流名人戦:里見女流名人vs伊藤女流二段戦が開幕します。

 AbemaTVのお正月特番フィッシャールール女流トーナメント決勝では、伊藤さんに1勝2敗と、まさかの敗北を喫してしまいました。勝てば男性版トーナメントに参加できたので、そのご褒美という面では当然勝ちたかったでしょうが、里見さんの場合はこれは非公式戦なので楽しみたいということも言っていました。想像するに、ほとんどの女流棋戦で今や勝って当たり前状態になってますし、わざと負けることはないでしょうから、全部勝たなきゃいけないとなると少し息も詰まりますので、何かを試してみるとか、あんまり戦法の準備とか対戦相手の対策とかにこだわらず、力試し的ニュアンスで勝負を楽しんで、それで勝てればラッキーくらいだったのではないでしょうか?(と思ってます。)対する伊藤さんは、2017年度に最初の女流王位戦では2勝3敗と星が競ったものの、女流王将、倉敷藤花と負けが込んで、最後の去年の第44期女流名人戦の時には戦う前から負け癖がついてしまったような感がありました。特に第一局の入り方が悪かったのであっさりの3連敗。伊藤さんは入玉を視野に入れるので対抗形にならないよう、相居飛車か相振り飛車で序盤の駆け引きをしてくることが多かったはずですが、この前のAbemaではあっさり対抗形(でも普通とは変わった感じですが・・・)で決めてきたので、勝てるチャンスがある時に技を出して勝っておこうかという感じだったでしょうか?そう言えば、去年の女流王座のトーナメントで西山さんを倒した時も対抗形でしたね。いずれにせよ、どんな条件で何をやっても勝てないという呪縛・ジンクス状態は解消しておきたかったでしょうし。。。

 一方の里見さんの側からすると、勝ち続け過ぎるのは気持ちのバランス維持が大変かもしれないですし、そういう意味では超早指しの非公式戦で黒星という一種の運を貯めたといったら言い過ぎでしょうか?女流棋戦に限って言えば、春の女流王位戦が終わった後は無敵の11連勝中ですし。新棋戦の清麗戦も始まり、本人の意識には上がってないかもしれませんが、今年は女流7冠制覇のチャンスがあります。マイナビで挑戦者となれば西山女王と頂上決戦となりますが、西山さんの方も去年初タイトルを取った後に奨励会とのダブルヘッダーのバランスの取り方に苦労されているようで、改めて里見さんの積み重ねた実績の重みを知ることになっている状況ではなかろうかと。女流王位戦の挑決リーグも2戦を終え(本田vs石本戦除く)、紅組では早くも里見さん独走のように見えます。。白組は2勝の人と2敗の人にきれいに分かれましたが、こちらは最後の清水vs伊藤戦が事実上の勝ち抜け決定戦に見えます。先手が清水女流六段なので、そこがどう出るか?なんにせよ挑戦者となれば去年の雪辱で渡部女流王位に立ち向かうこととなります。女流王位戦は持ち時間が4時間と長く、渡部さんは持ち時間が長いほど力が出ると言われており、簡単ではないでしょうが、去年は時期的に戦う以前の状態だったかと思いますので。。。

 女流名人戦に戻って、これは持ち時間3時間で、AbamaTVで今までの負け癖をいったん払い除けた伊藤さん。AbemaTVで勝ちすぎの重荷を下ろし、かつ伊藤さんを改めて油断ならぬ相手と気を引き締め直したであろう里見さん。ガチの熱い五番勝負が期待されます。箱根の初戦がやっぱり山で、内容にもよるでしょうが、里見さんが勝つとやっぱり公式戦ではまだまだ力差ありと認識されるように思います。逆に、伊藤さんが勝てば、そこからようやく五分の戦いが始まるくらいかもしれないし、今年の伊藤さんは一味違う強さで、あっさり持って行かれる危険もあります。

 里見さん、頑張れ~ドキドキドキドキ!!メラメラ