[将棋]女流王座準々決勝:西山vs伊藤戦の感想 | 福間香奈さんを応援するブログ!

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 伊藤沙恵女流二段が勝ちましたね。すごい。西山女王は近々の三段リーグでも直前に体調を壊す中で連勝していて、またこの前の京急将棋まつりでもファンに強さをアピールして上り調子と思いましたが、バイオリズム的に言えば微妙に下り坂になっていたのかもしれません。反動とでもいうのか。一方の伊藤さんは、京急将棋まつりで対渡部戦の前にお客さんを盛り上げるために言ったとは思いますが、自分が4回挑戦して取れていないタイトルを渡部さんは初挑戦で取って(悔しい)、と闘志を表明されていましたが、その席上対局では敗れてしまったようですが、心意気良しとでもいうのか逆に運を貯めて今日の公式戦に臨むことができたのではないかと思います。もちろん両者とも、実際は本日盤上での一手一手の戦いがすべてではありますが。。。

 伊藤さんの出だしはいつも変幻自在ですが、先手西山さんが7筋の歩を伸ばして三間飛車を予告したのに対して、1筋の歩を早々と伸ばして6△1五歩と位を取りました。7▲7八飛車に8△6二銀で居飛車対抗形を示唆し、1筋の位の差を生かしていこうという戦略か。もともと伊藤さんは、駒が前進し入玉も辞さずという棋風ですが(と思いますが)、相振りで過激な攻め合いの展開になると西山さんの攻撃力が炸裂する可能性が高いので、対抗形にしたのかなと。それで1筋を抑え込めば美濃囲いだと窮屈なので穴熊に組ませ、自分も銀冠穴熊を目指す、そういう展開になりました。戦いが起きたのは、49▲4六角と出て7三(~9一)の地点に睨みを利かせたところ辺りですが、52△5一銀と引き、53▲6五桂に対して54△4二銀と玉側に移し、これで7三の地点の突破が可能となって57▲7三角成で、素人的にはやばいじゃんと思うんだけど、この辺は互角か後手が指せるくらいだそうです(さっぱり分からないけど・・・)。その後、中央部で小競り合いが続いた後、互いに飛車先の歩を伸ばして、77▲7三歩成、78△8七歩成で私には互角にしか見えませんが、この辺で後手が若干良しだそうです。。。互いに同じくらいの速度で攻め合いの展開になると、玉の堅さに差が有るのでその分だけ後手が良いということでしょうか?そうなると、先手の金駒は一枚、金が5七に浮いているのに対して、後手は金銀4枚がくっついていますので、それで54△4二銀が良かったことになるのでしょうか?その後も、両者ほぼ最善手を尽くしての応酬ですが先手がじり貧気味で、少し勝負手気味に仕掛けるも後手の対応が正確で、差が縮まらずに伊藤さんの完勝となったようです。相穴熊だと華麗な空中戦にはならず、遠くから大駒が睨みつつ、敵陣近くでは地上戦で迫る感じになり、西山さんらしい(と僕が思うだけですが・・・)大駒切ってでも敵陣を切り裂いて、歩で叩いて嫌みを付けて守りを崩壊させるという展開にならなかったようです。歩を使った手順は、85▲8八歩で8七の龍を86△同龍とどかせたのと、123▲3二歩成と成り捨てて、125▲3九歩と頑張ったところくらいで、これはいかにも見た目にも苦しい。

 対戦成績は本対局まで、西山さんの3勝0敗だったということなので、今日は伊藤さんの快心譜になったのではないでしょうか?私の見立てでは(?)、伊藤さんはブレーク前の長州力みたいなところがあって、藤波辰巳に対して「俺はお前の噛ませ犬じゃない」と吠えた頃のようで、結構煮えたぎって熱くなる性格ではないかと。。外見的には将棋抜きにすれば、おとなしそうですけどね。