[将棋]李世ドル9段の囲碁対決 | 福間香奈さんを応援するブログ!

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[将棋]

今日のテーマも、すごく発散しそうです;

 

Googleの開発したAlphaGOが碁の世界トップレベル棋士である韓国の李世ドル9段に挑戦し、4勝1敗で勝ってしまったという話。

 

1)まず名前ですが、ドルは---石+乙で、韓国特有の漢字だそうです。榊とか栃が日本だけで中国に無い漢字だそうですが、韓国にも特有漢字が有るんですね。

 

2)Googleのwebで対戦の様子と対戦後のインタビュー動画が載ってました。第4戦のもので、実は、4戦は唯一、李世ドル棋士が勝った時のもの。英語と韓国語の通訳で、英語は7割、韓国語は雰囲気程度しか分かりませんが、英韓のやりとりを聞いていると、すごく脳が混乱する感じです。昔、中国で買ってきた秋の童話のDVDを中国語字幕で見ていた時の感じと似てるかな。当時、韓国語は全然分からず、中国語も字幕を見れば6,7割は分かる程度。ドラマなので見ていればなんか分かるというのも有りましたが。

 

3)コンピュータが碁で人間に勝ったというのはすごい衝撃だったようですが、8×8板のチェスはだいぶ昔に人間が勝てなくなり、9×9だけど取った駒が使えるので複雑性が増している将棋も今やコンピュータの方が強いと言われている。碁は19×19なので、10年掛ると言われてたのをGoogleの技術力と資金力でねじ伏せてしまった。

 

3-1) 日本人の興味はどちらかというと将棋に有って、日本のコンピュータソフトvsプロ棋士という構図でしたが、将棋は完全ローカルで日本オリジナル。その点、碁は西洋の人にどれだけ馴染みがあるかは分からないけれどグローバルだし、少なくとも日中韓で共通。日本の独自文化を否定するつもりは毛頭ないのですが、ビジネス的観点から言うとどうもグローバル化の中で日本は不利な構図ができやすい風土にあるのかなと思ったり。

 

3-2) で、あらためて日本の棋士がGoogleと戦う可能性が有ったのかなと思って、それこそググってみたら、今は中国や韓国に差をつけられて勝てないみたいですね。日本の囲碁界はそれはそれで教育システムや若い人への普及という点でいろいろ課題が有るようです。

 

4)そもそも、なんでGoogleが英国のベンチャーを買収して囲碁のソフト開発をやってるのかみたいな話ですが、人工知能とか広い意味で、Googleの検索というビジネス領域と重なるみたいですね。詳しい事は分からないのだけれども。それで、そもそも検索すると(韓国語、勉強とかなんでも良いのですが)ぱっと世界中のwebを検索して回答が出てくるのは何でだろう?と思ってましたが、Google側で何十万台ってコンピュータで世界中にあるwebサイトをくまなく虱潰しに見まわっているんですね。世界中に車を走らせて地図を作るのとどっちが大変か分かりませんが、なんか考えられない世界です。でも日常そういう世の中で既に生活しているわけだし。

 

5)囲碁界に衝撃を与えた今回のAlphaGOの勝利ですが、韓国での報道に比べると日本ではなんか記事の扱いが地味。言っちゃあ何ですが、ちょっと前に世界野球で日本が韓国に大逆転負けを喰らったり、なでしこがオリンピック予選で敗退したり、そんなことで大騒ぎしていますが(もちろん大騒ぎしてもいいんだけど)、それだったら今回の李世ドル氏の敗戦は天地がひっくり返るほど大きく扱い、号外でも出して国民全員に知らせるべきほどの内容じゃないかと思う。もちろん世の中で進みつつあることを有る意味、碁の勝負という局面で切り出した象徴的な出来事だとは思うけど、情報社会で日本は圧倒的に遅れて欧米企業に全部やられちゃう位の危機感をあおる絶好ネタなのにと思う次第。本当ヤバいと思うんだけど、感度低すぎってIT難民みたいなオヤジが言ってもしょうがないけど。

 

6)最後に、李世ドル氏が(相手がよく分からないうちに契約したとか有るみたいですが)コンピュータの挑戦に受けて立ったというのは世界中で、負けはしたけれどよく戦ったと好感度upのようです。うちの父親が囲碁ファンですが、今回の件を知っているのかなぁ?