仕事のこと、ブログのこと、色々と考えすぎて、頭が消化しきれてないため、ひとり旅に出てます(日帰り)。
此処は、地元の県内にある海です。
シーズンオフのため、ヒトが全然いなくて、侘しいものですが、海風が、ホントに気持ちいいです。
強い海風を身体に感じながら、頭を空っぽにして、これからのことを、考えていかなければ・・・(´・ω・`)

美男2
~Another Story~


「愛のうた」
*71*




ある日、テギョンは、ミニョをピアノ室に呼び出した。
テギョンが椅子の空いてる場所を叩き、その横にミニョが座ると、テギョンに、一枚の紙を手渡された。
渡されたのは、テギョン直筆の歌詞だった。

「・・・テギョンさん?」

テギョンは、何も言わずにピアノを弾きはじめる。

「もう一度、歌う気はないか?」

「・・・えっ?」

「この歌は、お前の為だけに、俺が書き下ろした歌だ。お前以外に、誰も歌うことを認めていない。
お前の歌声を、もう一度、聴きたい・・・。」

「私に・・・私に、出来るのでしょうか?」

テギョンさんが、私の為に歌を作ってくれるなんて・・・思いもよらず、本当に、嬉しかった・・・でも・・・正直、不安の方が勝っていた。
上手く出来るだろうか、
本当に、私でいいのか・・・?

ミニョの瞳は、不安で揺らいでいた。
テギョンは、ニヤリと口角をあげると、ミニョの身体を抱き寄せた。
そして、耳元で囁く。

「何、バカなこと言ってるんだ?この俺が、認めた歌声だぞ。」

音楽となれば、少しの妥協も許さないテギョンのもと、何度も、叱られ、悔しい涙を滲ませながらも、ミニョは、その歌を、確実に、自分のものにしていった。

そして、レコーディングの日。
レコーディングルームには、プロデュースを務めるテギョンをはじめ、A.N.JELLメンバーの姿、アン社長、マ室長の姿があった。
録音ブースには、ヘッドホンをつけたミニョが立っている。緊張しているのか、胸に手を当て、何度も、深呼吸を繰り返している。

「・・・大丈夫か?」

「・・・はい、よろしくお願いします。」

もう一度、ゆっくりと深呼吸をする。
イントロが流れはじめ、ミニョは、そのメロディーに耳を傾けた。
優しく、美しいそのメロディーに、ミニョは、自分の歌声を乗せた。

ガラス越しにいるテギョンを見つめながら歌っていると、感情のスイッチが入ってしまい、最後のフレーズを歌い終わったとき、涙が、頬を伝いながら流れ落ちていた。

「コ・ミニョ!ファンタスティック!!アンビリバボー!!ナイス!!」

ガラス越しで、満足そうに、ミニョに頷くテギョンに、豪快に喜ぶアン社長は、テギョンの背中を叩き、メンバーは、歓声をあげながら、ハイタッチしていた。

ミニョは、緊張の糸がプツンと切れたのか、その場に、ぐったりと座り込んだ。

「ミニョ、大丈夫か?」

椅子に座っていたテギョンが立ち上がり、録音ブースに入ると、座り込むミニョの身体を抱きかかえた。

「エヘヘ・・・すみません。ホッとしたら、身体の力が抜けちゃって・・・上手く、出来ましたか・・・?」

「あぁ、最高の出来だ。」

「良かったです・・・」

ニッコリと嬉しそうに微笑むミニョに、テギョンは、ガラス越しにある目をはばからず、ミニョと自分のご褒美に、熱いキスをした。





★☆★★

遅くなって、本当にすみません。
人( ̄ω ̄;)
色々と、ふたりの行く末を悩んで、こうなりました。

また、私事で申し訳ないのですが、仕事の方で、責任者の仕事をならざるをえなくなりました。
試験とかあるそうで、試験勉強をやらないといけなくなると思うので・・・この期に及んで、また、更新が滞ります。
本当に、申し訳ありません。











































美男2
~Another Story~

「おかえり」
*70*




『善は急げ』とばかりに、テギョンは、その日のうちに、ミニョと共に、修道院に行き、きちんと、院長先生にも挨拶を済ませ、ミニョの荷物を持って、合宿所に連れ帰った。

“もう、二度と訪れることはないと思いながら、去っていった場所・・・
その場所に、もう一度、戻ってくることが出来るなんて、思いもしなかった・・・・”

ミニョは、感慨深そうに、涙目になりながら、合宿所を見つめていた。
テギョンに肩を叩かれ、ミニョは、合宿所の中に入っていく。

「ミニョ~!?おかえり~!!」

リビングにいたジェルミが、ミニョの姿に気づき、駆け寄り、抱きついた。

「よかったぁ、ミニョ、帰ってきたんだね、ホントに、よかったぁ~!!」

ミニョに抱きついたまま、鼻を啜りながら泣いているジェルミ。

「・・・うん、ありがとう。
ただいま、ジェルミ・・・」

感動の再会を喜んでいるふたりの姿に、テギョンは、少々、いや、かなり、苛立っているようだった。
ミニョから離れようとしないジェルミに、テギョンの口はこれ以上なく尖り、ジェルミのフードを掴むと、容赦なく、首を締め上げていた。

「く、く、くるひぃ・・・」

ジェルミの腕がミニョから離れると、テギョンはニヤリと笑い、ジェルミを苦しみから解放した。

「ゲホ・・ゲホ・・ヒョン・・そんなことしたら、オレ、死んぢゃうから・・・」

「フン、じゃあ、今後、一切、ミニョに触れないことだな・・・」

「えぇぇ・・・Σ(゜Д゜)」

そんなん、無理だぁ・・・
不服そうに、ジェルミの口が歪む。

「ミニョ、今日は、パーティーしようね!!シヌヒョンとミナムに連絡しておかないと!!」

ジェルミは、ケータリングを頼み、仕事を終えたシヌとミナムは、ミニョが好きなケーキやアイスを買って帰ってきた。

「おかえりなさい」

ミニョが、玄関で、ふたりを出迎える。

「おかえり、ミニョ・・・よかったな。」

「ありがとうございます、シヌヒョン。」

シヌは、優しい笑顔でミニョを見つめ、頭をクシャクシャに撫でた。

「・・・お兄ちゃん」

ミニョは、ミナムの顔を見るなり、子どものように泣きじゃくり、ミナムに抱きついた。
ミナムは、ミニョの背中をポンポン優しく叩いている。

「お兄ちゃん・・・」

「うん、わかってる。」

さすが、双子というべきか、言葉を交わさなくても、お互いの気持ちは通じあっているらしい。
さすがのテギョンも、兄妹の抱擁には手を出せないらしく、口を尖らせながら、見ているしかなかった。

パーティーに、マ室長とワンコーディの姿も見せたとき、テギョンの隣の席には、もちろん、ミニョが座っていたが、ひとつのグラスを取り合って、口ゲンカをしていた。

「いいじゃないですか、ほんの少しだけです!!」

「ダメだ!一滴も飲むな!!」

「よかった、よかった・・・すべて、元通りだぁ・・・」

「何、泣いてるのよぉ~!」

ふたりの姿に、眼鏡を外してオイオイ泣くマ室長に、容赦なく、肘鉄を喰らわせるワンコーディも、しおらしく涙を見せていた。

結局、シヌがふたりを宥め、ミニョは、一杯だけ呑ませてもらっていたが、気分良く浮かれていたせいか、呆気なく、寝落ちた。

「・・・ほらな」

ため息を吐くテギョンの肩に頭を凭れかけながら、ミニョは寝ていたが、テギョンは、顔をしかめることも、頭を押しやることなく、そのままでいた。

「ふ~ん」

向かいの席に座っていたミナムは、テギョンを見ながら、ニヤニヤ笑っている。

「何、笑ってるんだよ!?」

「別に・・・ミニョ、寝ちゃったからさ・・・プレゼント部屋は、また元通りだし・・何処に寝かせようかなぁ・・・」

「別に、俺の部屋で構わないだろ。」

当たり前のように言い切るテギョンに、驚いたのは、兄ミナムではなく・・・

「えぇぇぇ!!(゜ロ゜ノ)ノそれは、やっぱりダメだよね、ミナム??」

・・・ジェルミだった。

「別に、いいんじゃね。俺が口出しすることもねぇーべ。じゃあ、テギョンヒョン、ミニョを運んでね。よろしく。」

フンと鼻を鳴らすとテギョンは、ミニョを横抱きし、さっさと部屋に向かってしまう。

ジェルミは、ミニョをお姫様抱っこするテギョンの後ろ姿を目を丸くしながら見ているしかなかった。

テギョンは、ミニョを、自分のベッドに、そっと寝かすと、ミニョの横に腰掛けた。
柔らかな笑みを浮かべながら、眠るミニョの頬を撫でる。

「・・・おかえり、ミニョ」

ミニョの合宿所での生活が、再び、始まった。





★★★★

さて、『決意表明』もしたので、気持ちを切り替えて、ハナシを再開しましょう(。・ω・。)ゞ

『Another Story』は、アメ記事含み、残り10話あるか、ないかです。
ずっと暗かったんで、明るいハナシとともに、もちろん、ハッピーエンドで迎えたいと思います。


追記…コメント、メッセージ返信させていただきました。コメント、  メッセージ送ってくださった皆さま、ホントにありがとうございました。(*´ー`*)