三社託宣池から春日野園地&若草山を望む ~まほろばの国~奈良探訪記 10 | 太田忠の縦横無尽

三社託宣池から春日野園地&若草山を望む ~まほろばの国~奈良探訪記 10

三社託宣池から春日野園地&若草山を望む

 

前回ブログ「急に視界が広がる浮雲園地」を少し北に行ったところに三社託宣池(さんしゃたくせんいけ)がある。この池から若草山を望むとこのような美しい牧歌的風景が広がる。手前の芝生は、その昔話題になった吉永小百合の歌『奈良の春日野♪』で有名な春日野園地だ。

 

場所は以下の地図を拡大して参照してほしい。

⇒奈良公園マップ

 

春日野園地は奈良公園で最も広い多目的広場であり、遠足の生徒たちがよくお弁当を広げている場所だ。イベント開催にも利用されている。

 

ところで、三社託宣池のことだ。

三社とは天照大神(伊勢神宮)、春日大明神(春日大社)、八幡大菩薩(石清水八幡宮)を指し、託宣とは神のお告げを意味する。伊勢の正直、春日の慈悲、八幡の清浄の託宣を一幅に描いた掛軸を三社託宣と言い、室町時代から広く世に広まって信奉されていた。そして、鎌倉時代の正応年中に東大寺のこの池に三社託宣の文字が現れたという由来があるそうだ。

 

三社託宣は分かりやすく言うと、日本人の古来からの美徳である「清く、正しく、美しく」のモデルとなった考え方である。

 

三社託宣池を地元の人は三社池と呼んでいる。

 

三社託宣池の風景

 

ところで、この三社池に隣接しているのが睡神社である。

 

睡は睡眠の「睡」であるが、ねむり神社と読む。この神社の歴史については不詳な点が多いようだが、神社の脇に鹿だまりがあり、いつも多くの鹿たちが休んでいる。

 

少し近づいたら、「なんじゃ~」という表情で一斉に顔を持ち上げて、こちらを見たのが可笑しかった。

 

睡神社の脇の鹿だまり

 

いずれにせよ、若草山のダイナミックさを間近に控えて、正面に大きく広がる春日野園地、北西に東大寺大仏殿、西に東大寺南大門を望む贅沢な空間が三社託宣池である。

 

やっぱりイイね、三社託宣池

 

太田忠の縦横無尽 2020.12.30

『三社託宣池から春日野園地&若草山を望む ~まほろばの国~奈良探訪記 10』

 

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