この秋あたりから接種可能になりそうです。
以前の記事 でも書きましたが、僕はこの新ワクチン、甚だ疑問です。
不活化ポリオとかB型肝炎など、国が真っ先に対処すべきワクチンがたくさんあるのに、何故死なない病気のワクチンなんかを一生懸命開発してんだと。
ロタウィルスは冬に流行する代表的な胃腸炎(嘔吐下痢症)の原因ウィルスです。
治療法はなく、基本的に自然に治るのを待つしかありませんが、重症化することは極めてまれです。
嘔吐や下痢がひどいと脱水症に陥ることがありますが、そんな場合でも点滴などで対処ができます。
日本ではこれで死んだり後遺症を残すことはまずない病気です。
医療が未熟な途上国や貧困国では、ロタウィルスの脱水症になっても満足な医療が受けられないために脱水で死んでしまうケースが多く、こういった国ではワクチンが必要になってきます。
なので日本のように医療の進んだ国では、絶対に接種しなきゃダメってワクチンじゃありません。
したがって、接種スケジュールと金銭的に余裕がある方(自費ですから)が、必要と思ったら接種すればいいでしょう。
だから僕も、このワクチンを批判してはいますが、希望者は接種すればよいというスタンスでした。
ところがこのロタウィルスワクチン、接種対象が生後6カ月まで・・・
生後6カ月までの間は、DPT・ヒブ・肺炎球菌・BCG・不活化ポリオ・B型肝炎など、接種すべきワクチンがいっぱい。
ロタワクチンは生ワクチンなので、接種後は次のワクチンまで4週間あけねばなりません。
相当タイトなスケジュールになるはずです。
欧米先進国では6種混合ワクチンなので、これならば余裕を持ってロタワクチンも接種できるでしょうがね。
ワクチン後進国の日本はそれぞれのワクチンがバラバラなので、ただでさえタイトなスケジュールの中にこのワクチンを混ぜることは物理的に不可能と思われます。
「欧米では当たり前のように接種されているワクチンです」というのが売り文句のようですが、これは欧米は6種混合などを使用していて接種スケジュールに余裕があるから出来ることなのです。
死なない病気のワクチンの為に、その他の罹れば死ぬかもしれない病気のワクチンの接種がおろそかになってしまっては意味がありません。
やはりこのロタウィルスワクチン、当院では導入しない方向です・・・